王都でやることやれること5
なんだかすごいハイテンションな金髪巨乳のマッド錬金術師の声が・・・主にヤバイ目をしてる時の高笑いが聞こえる・・・
「あーっはっはっはっはっはっはっは!ゴッふ!?げっふ!?」
あ、むせた。ついでに転んだ!うわー痛そー、ってこっち見た!
・・・良い加減起きるか。
上半身を右腕だけで起こし、体の上に積み重なった本がバラバラと油やら魔石やら金属部品やらが散乱した床に落ちて行く。
「むっ?ああ、すまないね、ちょっぴりの間君が寝ているのを忘れていたよ。」
観察されていたのがお気に召さなかったのかキレ気味で有る。酷いなぁ、俺の事をいつも昏倒させるくせに・・・ま、ぶっちゃけいつも金額以上の仕事をしてもらってるからね、多少研究されるくらいなら・・・クローンはやめろよ?
「絶対ちょっぴりじゃないだろ、もう朝じゃないか。」
空間が閉じている。彼女らにかけていた毛布が散乱している。ついでに何故か迷宮産のカラクリ武器が見事なまでにバラされている・・・まあ、使う気は無かったし、それに彼女らにも悪いことをした。左腕やら色々あって少しの間意識から飛んでいただけ・・・いや、ダメだろ。
一応確認する。
「なんか苦労をかけたかもしれないんだが、ここに女性が数人転がってなかったか?」
「えー、君ってそんな奴だったの〜、びっくりー!」
なんというか反応から察した、
「ありがとう。俺の不手際だ。」
迷惑をかけたら謝る。コレ、鉄則ね!
「・・・むう、ちょっとは慌ててくれよ青年!お姉さん揶揄い甲斐がないよ!」
「ふむ、もっとからかってくれても良いんだぜ?(性的に)」
「ほう、上級者だ、そんな獣のような目で(性的に)からかってくれなんて」
うむ、今日も無駄に察しがいいな、いつものホーエンハイムだ。胸も弾んでいるし、伸びをすると強調されてるし!
「見過ぎだよ、ほら、君の新しい左腕だ。」
こちらを見て小悪魔的なポーズでわざとらしく視線を誘導してくる・・・っく、俺には・・・抗えない!・・・いつまでも巫山戯ていては話は進まない、一先ず差し出してくれた右手を取り、立ち上がる。
いつもの鎧は外され、肩にはいつの間にか新しい接合部が・・・
「アレ?」
「ああ、接合部はないよ、今回は君の使い魔とポッケから出てきた色んなものを組み合わせた最高級品だからね、多分にどとつくれないよ!素材的な意味で!」
空だった瓶にまた一つ目に戻ったタヌキチ、分解されたにしては減っている武器の部品、陰からいつの間にかなくなっているダンジョンマスターの超大型高密度魔石・・・まさか!
「じゃじゃーん!『完全生体左腕』ん〜!」
なんだか某青い狸的なダミ声とお馴染みのメロディが脳内再生されたがその見た目は・・・なんだろう、少なくともコレは左腕のような、それでいて違う何かだと思う。
「コレは・・・ナニ?」
まずぱっと見は既に前の肌色っぽい義腕ですら無く、完璧に戦闘用に強化されたメカメカしいアームで有る。そしてそのメカメカしい見た目の腕の各所につながるチューブの様なものにタヌキチが・・・
「タヌキチ!?」
「そうさぁ!君の使い魔君が自主的に君の力になろうとしてこういう風になったんだ!決して僕が無理やり詰め込んだわけではない!」
・・・怪しい、かなり怪しい、だが確かにタヌキチから抗議の念を感じないし、助けも求められていない、なんというかよく壊れる左腕の一部とか俺だったら絶対嫌なんだけど。
「まあまあ、とりあえず付けて見なよ〜」
「お、おう。」
彼女は確かにマッドでキュートな天才錬金術師だが、駄作は絶対に作らないし、素材と対価に見合うかそれ以上の品をいつも作ってくれる。
右手で左腕を持ちもう一度観察してみる。どうやらチューブ自体はそんなに頑丈ではなくあくまで何かの補助の様だ。材質は不明、恐らく希少金属と竜族の血肉を錬成した生体金属か、それに類するものにさらに単純だが効果的な強化の重ねがけによって強度を向上させている様だ。
「む?」
「わくわく、ワクワク!」
今回はかなり珍しい構造に仕上げて有るな、まるで腕だ。いや、いつも腕なんだけど骨、筋肉そしてその接合面とまるで本物の言うな細やかな仕事ぶり、この前のもすごかったがここまで人体の構造を踏襲していなかった様な・・・
「えーい!まどろっこしい!」
観察途中にしびれを切らしたホーエンハイムが腕と肩をガッとくっ付ける。
「みぎゃあ!?」
さて、みんなは神経とか色々剥き出しのところに物を思い切りぶつけたらどうなるか知ってるかい?なんと言うかね、直接脳に痛みが来るわけよ、なんて言うか筆舌に尽くしがたい痛みの様な、最早電流の様なそんなナニカが肩の断面から首を通り頭へね、こう…どーんと!
「 idwwubufhueiodwnewdnrefn!?」
「あら、ちょっと強すぎたかな?」テヘペロ
可愛い、けど、ね?あ、なんかチューブが動いて・・・
「ああ゛あ゛あ゛あ゛!?」
突き刺さるー!なんか絶対にやばいって!痛いのには慣れてるけどなんかヤバイって!
ガチリとナニカがハマる音が響き、左腕の付け根から全身の魔力の通り道、魔力路に火が入る。身体中から冷や汗がにじみ出る。アツイアツイアツイ!
「ウゴゴゴ・・・ホーエン、ハイム、ナニヲ・・・」
「えっとねー、もう壊されるのは嫌なので!完璧に生きてる腕を組んで、底にビックリドッキリな仕掛けを少々、さらに君の血肉で構成されたヘクトアイズ君を入れて金属の強靭さと粘りを残しつつ完全に人体と同化するマッドでアルケミーで超エキサイティンな、って、あれ?大丈夫〜?」
コイツ・・・あとで絶対に胸を揉んでやる!そう思いながら意識を手放したのであった。
「あちゃー、結合時に掛かる負荷を忘れてたにゃー、ま、大丈夫大丈夫、私のヒミツ君は最強なんだから!」
「いや!私のだから!」
「・・・成長、しようね?」




