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放浪系騎士の様なナニカの冒険記的なサムシング  作者: 名状し難い魔王
間章:寄り道ついでにやらかす俺氏
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ある盗賊団と不死身の終幕

勝負は一瞬、一回の交錯にて終わった。


「ゴプ。」


「ガッ。」


両者ともに傷を負ったが、致命傷を受けたのは不死身の男だった。横一文字に胸を抉り焼かれたため肺は焼け尽き、心臓もほとんど原型をとどめていない、彼が常に軽装なのも災いしたのだろう、完璧に致命傷だ。


騎士鎧のヒミツは凄まじいまでの魔鎚の一撃をうけ鎧がひしゃげ吹き飛んだが、黒剣による受け流しがなければ今頃頭が吹っ飛んでいたし、殆どカス当たりだったため装甲が吹き飛び肩を脱臼した程度ですんだ。

装甲が吹き飛び中に着込んでいる鎖帷子の肩部分を抑え、回復魔法を併用しつつ外れた肩を入れ直す。


ヒミツが振り返るとほぼ同時に不死身の男もヒミツの方を向きなおる。


「ふふ、まさかこの俺が一撃とはな。」


不死身の男はその魔鎚の効果を発揮させずに一撃にて心臓と肺を焼き尽くしたバケモノを賞賛する。その既に事切れかけた体を魔鎚の力にて動かして。


だがやはり死に体どころかほぼ死体であるため、片膝立ちのような格好で魔鎚を杖のように地面に突き立てる。


「こっちも久々に手傷を負った。まだまだ鍛える余地があるという事だな。」


「そいつは・・・よかった、グフ!」


口からは多量の吐血、胸に抉るような一閃を浴びせられ既に心臓は動いていないどころか消し飛んでいる。だが不死身の男は笑っていた。

魔鎚も心なしか歓喜しているかのようにその身を震わせる。


「ふう、じゃあ、解説を貰おうか。不死殺しのな。」


余裕がなくとも余裕を見せる。どこまでも闘争を追い求め、国を乱そうと画策していた組織の長とは思えないドッシリと、安定感のある威厳のようなものがあった。


ヒミツはそれに答える。自らに鍛錬の余地を示してくれた者に対しての礼儀として。そして、アンデットとしてまた無用な騒ぎを起こさせないため、無念は晴らしておくべきだ。


「そもそも貴方と貴方の武器はその隙の大きさを『攻撃を受ければ回復する』という無茶苦茶な効果で打ち消し、更に痛みと筋肉などの動きの制御も魔鎚の意思を利用して意識的に戦いに取り込んだ。」


「・・・・・」


沈黙、しかし上がった口角は見る者によっては怯えを感じずにはいられない闘争者の笑みだった。


「む・・・。」


恐らく既に死んでいるが簡素でも約束だ。死体に言い聞かせるようになおも話し続けるヒミツ。


「しかし、弱点はあった。圧倒的な火力で貴方を吹き飛ばし、その魔法具の回復効果を発揮する間も無く治癒不可能な致命傷を与えられれば貴方はしぬ、今まで死ねなかったのは恐らく単純に貴方が強かったという事、それ以外に理由はいらない。」


ヒミツは彼の伝説を知っていた。幼少期よく読んでいた歴史書の中でも現代に生きる英雄として名高い彼を尊敬すらしていた。しかし、その後の話が出てこないあたり何かあったのだろうと思ってはいたが賞金首リストに彼が載るまで、まさかこんなことになっているとは思わなかった。


「・・・国家転覆罪とか、国家元首暗殺未遂罪とか、なんかそういう系の罪人になるのか・・・そう思うと少々寂しいものがあるな。」


彼の思い出の中の歴史書は今此処で死んだ。きっと来年あたり新しい王国になったし改訂版が出るだろう。買い替えどきかもしれない。



「ま、俺の名は載らないだろうけど・・・な!っと、重い!」


事切れていることを確認し証拠品として武器と死体を三つとも回収し、本来の目的とは違うが気になっていた事を調べるため、団長室の書類を見てみる。


「聖剣盗難、破壊、騎士王の暗殺、これか。」


数年前ヒミツが冒険者としてその名を王都まで響かせていたとき、彼が請け負った仕事の一つ、今俺が聖剣を持っているのとそれなりに関係がある依頼だった。

ヒミツが生まれる前、この国は聖剣エクスカリバーを持つ最強にして不老不死の騎士王の下統治されていた。しかし今騎士王は生きてはいるが既に政権を退いている。なぜだろう。理由は簡単で、彼女の強大さのシンボルであり正しく源泉であった聖剣の盗難、そしてその後にその代のマーリンが王に告げたのが聖剣が壊されたという知らせだった。


「はあ、これをやったのが・・・彼ら、か。なんというか、妙な縁だな。」


恐らく動機は内乱を起こしたい一心だったのだろう。かの騎士王は聖剣がなくとも副武装としてロンの槍と呼ばれるこれまたぶっ壊れ武器を所持している。彼女と戦い死にたい、そんな欲望が見て取れる。

しかし依然として崩れない彼女の統治にしびれを切らし、それと同時に良い知らせが入った。

俺が護衛を頼まれた頃になるのだが、聖剣の鞘がその機能を失い彼女は不老不死をも失った。恐らく此処を暗殺し、国を乱し、戦争かもうそうじゃなくてもいいから暗黒の時代を巻き起こそうとしたのだろう。


「なんていうか・・・・迷惑だな。」


書類をいくつか見繕いセットにしてもらっていく。念のためこの部屋を探知すると幾らか金目のもがあったのでもらっておく。


「さて、じゃあ、スーパー略奪タイムといきますか!」

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