強襲と奇襲と強奪が合わさりただの盗賊狩りが始まる。2
グロ注意?
洞窟内に突入した俺がまず最初に見たのは上半身が内側から吹き飛んだ盗賊の集団だった。
「うーん、派手にやったなぁ。」
しかし、元からグロ耐性もある上に自分が闘っていると必然的にグロい状況を作りがちなのでウブな高校生勇者の様に目を回したりしない・・・が・・・
「死にたてだが密閉空間ゆえに臭うな。」
あいにく血に酔えるほど馬鹿でも、狂人でもないので後でマーリンの抗議しておこう。
坑道内は血に彩られ、賞金のかかった首をいくつか回収したが本丸がいない。結界は相当に頑丈な上に破られた様な気配もない、魔術師とやらの動きがないのが少々不気味だが、
そう思った瞬間に道が変形した。同時に背後から人間の手足が乱雑に生えたおそらく元人間であろうモノが複数出てくる。
「ふん!」
まあ容赦はしない、彼らも自我が残っていたとすれば死を望んでいるだろう。壁ごと粉砕しつつ念入りに殺す。不死身に近い再生能力やら魔法発動を数式化して高速演算して放ってきたりもするが塵も残さず消せばいいだけだ。
「『火葬』安らかに逝け。」
剣先から発動した魔法は対象を内部外部問わず灰になるまで燃やし尽くす、一応これも神聖系の魔法だが大概の国では埋葬が主流なので今では通常魔法に分類されている。
魔力反応を感知、
「そこか。」
身体強化を重ね常人には認識できない速度で踏み込み斬りつける。
「があ!?かっは、クソ!」
逃げようとしていたのか道中よりも酷い有様の研究室にいたのは袈裟斬りをくらいつつもどうやったのか致命傷を回復させた『魔術師』と呼ばれていたやつだろう、
周囲にある人だったものや、大量の薬草、薬品生成の道具、そして不死生物並みの再生能力を付与された実験体・・・
「不老不死・・・かな?くだらない。ここでしんどけ。」
「クソが!」
様々な魔法や元人間であろう失敗品をけしかけてくるが全てを斬り伏せる。ついでに相手の足元に拘束魔法を発動させ捉え、
「な!?」
「首をいただこう。」
首を斬りとばす。くるくると回転する生首が地面に落っ!なんだと!?
首のない体が俺を拘束する。そこそこ強かったがそこは問題なく地面にある頭に胴体をぶつける様に背負い投げを発動、地面にめり込ませる。
「デュラハン・・・か、結構珍しい種族だな?」
心臓を破壊しついでに強めの火焔魔法を発動、読み通り自分にも不死生物並みの再生力を身につける術式か薬品か、それとも別の何かを投与していた様だ。結構抵抗してくる。
「か・・・ふ・・・」
「・・・生き残りは・・・・いるな、マーリン!」
燃え尽きたデュラハンに聖水を取り出してかけつつ大声でマーリンを呼ぶ。
「ハイよー!」
凄まじい破壊音とともに洞窟の構造を大きく変えつつ部屋ごと吹き飛ばして現れたマーリン、外はなぜか火の海だがもう気にしてはいけない
「とりあえず空間拡張するから影の中に入れといて。」
「そうだねー、ポイポイっと!」
5人程度なので空間拡張にかける魔力を増やして中に収納、微少女には出て来てもらう。全員今は何かの薬品の効果なのか寝てしまっている。
「また女性ばかりか・・・」
斬り伏せた者には老若男女問わず果ては赤ん坊まで居た。何処までも自分の魔道に忠実だったんだろうし結果も出て居た様だがクズ過ぎる。
「多分だけどこの魔術師はエリクサー、いわゆるあらゆる疾病や外傷、果ては欠損をも治し永遠に朽ちぬ体を追い求めたんだろうね〜、ありがちといえばありがちじゃん?」
「やはりどの世界でもマッドな方はいるんですね。害があるなら片付けた方がいいですよ?」
魔法使いと違い魔術師は研究を重ね自身の魔道、信念や執念、妄執の場合もあるが、通常役に立つ形にしようという者たちだ。自動魔道人形や魔法薬、そういった魔法工学や魔法薬学などのスペシャリストのことをいう、ひどく大雑把に例えるなら魔法使いは医者、魔術師は薬剤師、そういった様にやっていることによって職業、というか称号に近いのだが呼び名が変わる。
「まあ、腕は確かだったんだろうな。」
聖水で清めたのはこういう系の、主に不死の研究をしている奴は殺した後も面倒と相場が決まっているので、復活とかを未然に防ぐためである。今回は薬品や呪いによって肉体に魂を縛り付けて居たので呪いの枷を外し、魂を肉体から乖離させたのだ。
「とりあえず資料も全て燃やしてから先に行くかな。」
うっかり別のところで別の誰かがやり始めても困るしな。
「それと感謝するマーリン、できれば引き続き遊撃を…」
「イエーイ!盗賊は消毒だぜ〜!」
「・・・・」
飛び出していっちまった。まあいいか礼は言えたし。
「微少女は・・・まあ、適当に、結界がほころばない程度に頑張ってくれ。」
「そうさせてもらいます。悪党は死んでから漸く人間です。」
本当は何処かに隠れたりして欲しかったが薙刀をブンブンと振り回し光のない眼でマーリンから逃げて来た盗賊を撫で斬りにしているのを見ると止められないというか・・・むしろ俺が撫で斬りにされそうで怖かったのでこっちも遊撃に入ってもらう。
「んじゃ、行きますか。」
俺は、一瞬だけはなった全ての羽虫の視界をジャックすることで、幹部の多くが遊撃に出ているマーリンを倒そうとしたり、逃げようとして居たりするのを観測できた。が、未だ会議室にいるのが3人、恐らくだが・・・
「俺を待っている。ってとこか。」
一瞬で理解した。彼奴らは盗賊じゃない、略奪にも陵辱にも興味がない、あの眼、あの眼は
『殺し合いたい』だけだと。
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