微睡みの中の俺氏
「うーん、きいえええあああ!!」
目を見開き若干ガニ股になりながらカン高い声で叫ぶ女神(笑)
「・・・・ついに発狂したか?」
「はは、随分と度々呼んでしまって済まないね。」
相変わらず景色はいいが寂しい月面である。して、なんのようなのだろうか?
「うーんとね、ぶっちゃけようはないね。」
爽やかに笑う月の賢者、妙に様になって居るところとか、イケメンなところとか目が二つ口が一つ鼻が一つあるのが苛だたしい、というかイケメンな奴は心までイケメンじゃなければイケメンとは認めん!
「はは!それだと君は顔は普通で心は最悪じゃないか!」
「知って居るか賢者、拳って云うのはイケメンの顔を苦痛に歪ませるためにあるんだぜ?」
大きく腕を振りかぶってキックを放つ、腕をクロスしてパンチを警戒して居た間抜けの腹に直撃!超!エキサイティン!
「ぷげら!?」
と、思うと手応えがおかしい、なんと云うか・・・そう、まな板を蹴って居るかのような「死ね!」
「ハッ、俺はイッタイ…」
目がさめると、いや、まだ月面だけどさ、と云うか夢の中で気を失うってどういう事?
「ほーう、随分と余裕があるねぇ?」
腹に重み、どうやら月の幼・・・女神に馬乗りにされて顔面を殴打されたようだ。ぶっちゃけ痛い、というか賢者、あのやろう女神を盾にしやがったぞ?いいのか?オイィ?
「いいんだよ!」
爽やかな笑顔の下に見え隠れする筈の腹黒さが前面に押し出された最悪な笑顔ですね、わかります。
「オマエ、アトデ、コロス。」
「・・・・ちょ、ちょっと用事が・・・」
しかし相手が悪かったようで、女神がなんか紫色の対使徒用の兵器の暴走状態みたいになって居る。冷や汗をかく賢者、どうやら俺の心情を読み取り速攻で反応するようになってしまった弊害か特に何も考えずに発言したようで愉快なことになって居る。
「さあ、本題に入ろうか…」
「とりあえず顔を治せよ。」
「㍉」
イケメン賢者の顔を完膚なきまでにメッコメコにした女神には賞賛を送りたいが一歩間違えばというか、今間違いなく俺も同じ顔なので素直に喜べない複雑な男心UC
「まず、サクッと良いニュースから、神聖王国?だっけ?そこに潜んでた『闇』がちょっとオカシナ勇者君たちに寄って粉砕されたよ!イエーイ!」
「ほう・・・結構やるんだな?」
まあ間違いなく国家転覆は叶うだろうと思って居たがお告げにあった脅威まで粉砕してくれるとは・・・微少女とその仲間には頭が上がらないな。
「スゴく・・・かおすだったよ。少なくとも常人があの似非勇者君だけだというのに驚きを禁じ得なかったよ。」
「あの自己中がマトモなのか…」
「まあ、筋肉で小型と言えど身の丈ほどあるパイルバンカーの反動を抑えたりする男子高校生やら、『俺の最強魔法、そう!【物理魔法】の真髄を見せてやる!』とか言ってパンチで空間歪めたりキックで雲を割ったりする高校生は普通じゃないよね?」
女神が爽やかな顔で補足してくる。というかマトモじゃないというか化け物揃いなんですが?新たな生命体『KOUKOUSEI』とか、笑えないんだが?
「まあ、愉快なニュースはここまでだよ、『終わり』の神格が確定したよ。」
ウワォ!ぜんぜん聞きたくねえぜ!
「ふふふ、聞いて驚け!インド勢のあの方だぞ!」
「・・・いや、驚く暇もねえよ、どうすりゃいいんだよ!?」
インド勢の終末神と言ったらアレである。かの有名なシヴァさんである。宇宙ごと破壊しちゃうような超級の神様だ。
「はは!大丈夫!分霊らしいし、それに君が戦うわけじゃないし!」
「・・・そうだといいなぁ。」
前もこんなこと言われて最終的に『あ、ごメソ、邪龍追加ね?』と、笑顔で言われたことのある身としては厳しく受け取らざる得ない、それにどう足掻いても俺の敵と定められて居るのは創作物上の神と言えど圧倒的信仰を誇る這い寄る混沌だ。ぶっちゃけこれも今回は分霊の分霊とかだろうけど厳しい、くそう!クラフトマン先生め!
「あ、あと一応神のお告げを一つ、仲間はもう少し信用したほうがいいよ?」
「・・・それはまあ、そうだなぁ・・・」
「ふふん!いざとなれば私の加護で幼女だろうがなんだろうが、オトコノコだろうが、ちょっと魔性を香らせればイチコロよ!」
むしろだから仲間、同行者というのに壁を作ってしまいがちだというのにこの幼女は気づいて居るのだろうか?
「ふふふ…そりゃあね、君を気に入って居るから寵愛までしてるんだ。せいぜい私に捨てられないようにね?ふふw」
まあ本来寵愛というのは神からの愛、と言うよりかは神に狙われて居る。若しくは既に絡め取られて居るような状態だ。だが・・・まあ・・・
「・・・もうちょっと胸があればなぁ…」
「ムキー!また胸の話してる!いいもん!成長期だし!二億年くらい経てばボンキュぼんのナイスバデーなんだから!」
二億年くらい経てば俺はもう塵すら残って居ないだろうが、多分彼女はつるぺたなままだと俺のゴースト、もといいつの間にか背後に回り込んで居た賢者が言って居るので間違いない、千里眼まで使ってるし。




