観光ジュウテンな俺氏
「歓迎の宴?」
「そうですっ!珍しいんですよ?エルフの皆さんが宴なんて。」
ドアをノックしていたのは猫耳幼女メイドとか言う属性山盛りなガチ幼女こと、今回のお泊まりの間の専属メイド、パーフェクト幼女リーゼちゃんである。と言うか扉を開けると同時にパーカーしか着ていない胴体に向かって獣人特有の身体能力で突っ込んでくるのは客人への扱いとしてどうかと思うのだが・・・
(可愛いから良し!)
(この!ろりこんが!)
ラインによる補助があるとは言え無駄に高等な念話を使用してふざけるあたり流石である。そしてマーリンも見た目はロリそのものなのだが・・・そのツッコミはブーメランなのでは無いだろうか?
「村の広場にお昼くらいに来てくだしゃ・・・来てふ・・・きてください!」
噛み噛みな辺り流石である。あざとさなどなく自然な感じで、失敗するたびにちょっと涙目になる、つまり…
「KAWII!」
「ろりこん死すべし!慈悲などないわー!」
マーリンのカラテがヒミツを襲う!が、持ち前のジンガイ反射によってブリッジ回避!しかしマーリンのマホウジツが炸裂!
アワレ!ヒミツはマーリンのマホウジツにより背中から飛び出てきた拳型の木によって突き上げられ天井に突き刺さる!
「アイエエ!ニンジャ!ニンジャなんで!?」
「それはダメだよ!(著作権的な意味で)危険すぎる!」
やはり今回もリーゼのツッコミに対し一瞬で復活せざる得なかったヒミツであった。
「にしても歓迎ね〜」
村の建物には補修の跡が目立つし、中心部はほぼ更地であるのを確認したが、死人は出なかったらしい、流石マジカルな種族なだけある。
「いい事じゃないか、ここにそのまま住んじゃえば?」
今は昨日の夜と同じパーカーに胴と頭以外の鎧を着て帯剣したヒミツ、そして真っ白いフード付きのケープと背よりも長い長杖を背負うマーリン、と言う珍しくまともな装備の組み合わせで観光のため宿泊施設から出て里の朝の市場を歩いている。
「そういえば昨日のやつらどうするつもりだろうか」
「うーん、そこまではわからないねぇ」
昨日の惨事は結局邪教徒、それと自称魔王の配下を名乗る悪魔族の集団の仕業だった。
魔王やら破壊神やらを崇拝する極端な奴ららしく大方バカの集団か、と思えば凄腕の魔導師が居たりするし、面倒なことに邪神像やら何やらの呪物が出るわ出るわ中にはダンジョンを作る魔道具と称されたダンジョンマスターの幼体や、禍々しい見た目とは裏腹に意外にもまともな性能の魔剣やら、その他危険物を没収し魔力を奪い、思考制限をかけて魔法発動できなくしてから牢にぶち込んだ。
本当は殺したほうがいいと思うのだが・・・まあ村の人が決めることである。
しかしマーリンによるとそう言った存在が最近増加傾向にあるらしい・・・社会的な変革についていけない方々だろうか?それとも狂人が増えているのか・・・どちらにしても嫌なものである。
「あ、この果物美味そう。」
今はそんなことより観光である。早速旅先よくやることランキング上位にあるであろう『とりあえず食べ物』を発動したヒミツは焼き鳥屋台を素通りして八百屋に向かう。心なしか焼き鳥屋台のおっちゃんがションボリしているが気にしてはいけない
「アプルの実だね、こう言う自然豊かって言うかもはや森しかない様な森にしかならない果物だね、リンゴとよく似て居るけどかなり酸っぱくて生で食べるのよりジャムとか加工品として・・・」
マーリン渾身の解説、と言う名のうんちく、むしろ戦闘力がインフレしているヒミツのそばにいる限りマーリンのやることは大概これになるのではないだろうか?
「あー美味しい。」
しかしマーリンが説明して居たのを聞いているかすら怪しく、しかもマーリンの説明した果物ではない物を買いバリバリと食べているヒミツ、自由人ここに極まっている。
「おっ?あれなんだろ?」
ちなみヒミツの財布はほぼ空の飾りであるが影の収納と繋がっているため幾らでも出てくる、総資産は平民が貴族レベルの贅沢をしても一生は持つレベルである。
基本使わないので溜まるばかりな上、投資もしているため今も増加傾向である。
「・・・・」
次々と先に進むヒミツは、いく先々でその年齢に見合わない天性の物とおっさんやってた時からの経験からくるコミュニケーション能力を発揮しどんどんと奥へ奥へと進んでいくしかも村人と一瞬で仲良くなる。それを見てマーリンは少々いじけつつふと目線を上げると焼き鳥屋台の店主と目が合う。
一瞬で互いに何かを感じたのかそっと焼き鳥を買って出された椅子に座りやけ食いし、始め飲み物が欲しくなったので昼間から酒を注文するマーリンだった。
「アレ?マーリンはどこ行きやがった?」
「あ?お連れの賢者様は随分前から入り口の方にいますよ?」
「そっかー、いや、ありがとう。なんか色々おまけしてもらっちゃって。」
一応昨日目立ったので軽い認識阻害をかけているがサクッと見破るエルフというのは流石である。あの脳筋女子は勘で当てるが基本感知出来ない、と言うか人間だと信じられないくらい勘が冴えているあれは新しい種族なのではないかといつも勘ぐってしまうな。
とりとめもないことを思いつつ日がそろそろ中天に行こうとしているので引き上げる。そのためマーリンを回収するべきだと思うのだが・・・
「ぐへへへへへへ……ヒック!アヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!」
「賢者様はよく飲むな〜・・・ヒック!」
地面に転がる大量の瓶、焼き鳥の串、そして焼き鳥を焼きながらも酒を煽る店主と瓶を抱えて笑いながら転がるマーリン、
「意味がわからないぜ☆」
「あるぇ〜ヒミツが沢山だ〜?」
顔は紅潮しフラフラとこちらに向かってゾンビ的な歩きを見せるマーリン、杖やらはどうやら収納した様で今はワンピースのみである。
と言うか絵面が!絵面がヤヴァイ!幼女が大量飲酒している様にしか見えない!
「おい、だいじょ「ぬにゃーお姉さんはもう二百歳だぞーがおー!」ぶじゃねえな、錯乱っていうか完璧に出来上がってる。おら、水飲め水。」
「アババババ・・・きゃー冷た〜い!」
な、なんだこいつ、幼児退行してやがる!




