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放浪系騎士の様なナニカの冒険記的なサムシング  作者: 名状し難い魔王
御注文はティンダロスですか?
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で、だ。


なぜか俺の肩に乗る黒い仔犬、そして頭に乗って離れない白い狐、小夜と火力比べをするジャンヌとそれについての説明と抗議の視線、吹き飛んだ地面に突如現れた迷宮都市の瓦礫、そしてこじんまりとした新たなダンジョン…


「・・・とりあえず説明したら旅に出よう。東の方の学園都市国家くらいまで。」


「師匠!私も!」


「それより先にアリス達を引き取って、あと勇者君達を送り返して。」


「・・・魔法陣が壊れました。はい、完膚なきまでに・・・資料も魔法陣の試作を書いていたので全て吹き飛びましたよ・・・ハハッ、やってられませんね。」


「そんな紙のことより私と勝負よ!」


宴会は始まったばかりだが、既に意味がわからない。とりあえずわかるのは騒動が終わっても何も変わらないということだ。俺は久々に騒がしい宴会会場で支給されてきてた肉串を焼きながらこのどんちゃん騒ぎをどこか自分と切り離して見ていた。



さて、何から話そうか、気分的には白い狐からなんだが・・・ま、聖女がらみから。


端的に言えば文句は言われなかった。心的外傷を乗り越えるだけでなく神器である聖女の旗との親和性を格段にあげその能力をより引き出すことが可能となり、祈りの威力も大幅上昇したらしい、二人きりで何をしていたのかとか色々言われたが彼女も俺もチェリーなままであるのをさっくりと魔法で確認した女騎士は特に文句も出さず、ジルと呼ばれている聖騎士はジャンヌが無事で逞しくなったのを親の様に喜んでいた。

ま、少々脳筋気味というか、火力バカ的な思想が出来上がったことについては俺のせいではないので自分たちでどうにかしてほしい。


次に勇者君達、どうやら小夜の作り上げた次元転移魔法陣を応用した帰還陣は破壊されたらしく小夜は真っ白に燃え尽きていた。

それを励ます勇者達とやけくそになりながら小麦が発酵した素敵な飲み物やらブドウが発酵した赤と白の飲み物やらをがぶ飲みするという暴挙に出ていた。

・・・この世界での成人は二十歳、もちろん酒もなんでも解禁だ。そいで俺は言っていなかったが15歳になったばかりだ。魔力の使用と程よい運動(戦闘)が続き俺の身長は百七十、前世から健在の老け顔のおかげでおっさんじみた習性やら喋りやらがふんわりと誤魔化されているが実際ここにいる誰よりも若者であろうことは確かだ。


・・・何が言いたいかというとグルコースをはじめとする糖が菌類などの力で発酵分解され産み出される素敵な飲み物が飲めないのだ。

ま、これで儲けているのも俺なんだがね、孤児院にいた時ちっぴり舐めた赤ワインもどきがゲロマズだったので前世の知識を総動員してあらゆる酒の改革を実行、食文化に比例していない酒文化のイマイチさはある意味他の転生者や転移者の影を感じるいいきっかけになった。


話が逸れたな、まあ、小夜達はしばらくまた研究したりさらなる発見を目指して各地の転移門なんかを調査したりするらしいし、神凪君は異世界人も連れて行ける魔法の発見を目指しているらしいし、魔法少女は今日初めて見せてもらったが超高度な魔法によって編まれた錠前型の神器の出所とかを探すらしいし…しばらく俺の出番はないだろう。



「え!ヒミツさんって年下だったんですか!?」


「はい、彼の年齢は15歳、成人してすらいませんがそこらの冒険者より落ち着いていますし戦闘力もピカイチですから…」


「し、師匠が…年下!だと!?」


ヒミツがとりとめもなく誰に説明するでもなくぼんやりと外界と交信しながら肉を焼いている時、勇者組の魔法少女と山田はなんとなく仲良くなった王都ギルドの秘書、名前をリリゼット、と言うのだが彼女にヒミツについて聞いていた。


「それに彼は若干10歳にして龍狩りの称号を手にしその褒賞に辺境都市キャメロット、アーサー前騎士王現国王補佐の治める街の衛兵隊及び衛兵隊予備隊学校に入団とともに入学、その時一度冒険者活動を辞めましたがその間彼に変わる超級冒険者が出ることもなく、彼自身休日になれば度々依頼をこなしては孤児院に寄付をするなど強さ、人脈もそうですが人格的にも素晴らしい人物です。」


「ほえー、」


「師匠SUGEEEE!」


秘書であり全冒険者のプロフィールと素性を知り尽くしているため時に冒険者ギルド長の全権代理としてもその頭脳を発揮するリリゼットは酒もあったが一応彼の弟子である山田と勇者と呼ばれていた異世界からの稀人が一緒に行動しながらも彼の事を何も知らないというので知られても困らない、それこそ『月光の』といえば誰もが知るような正に英雄譚を言って聞かせているだけだ。

酒に酔ってもやはりプロ、そこらのダメ宮廷魔道士とは違う。


「また彼の功績はおそらく何と言ってもこのお酒です。」


そう言って杯を掲げる彼女はうっとりと薄く加工されたガラス製容器を見る。山田と魔法少女は別に飲んでもいいのだが片方は感覚が鈍るからと断りもう片方は日本に帰ることも想定して日本基準の常識的判断から断っている。


「そこまでだ『氷の女王』リリゼット、不利益はないが俺の認識阻害の威力が落ちるから。」


「あら、『月光の騎士』『騎士王の想い人』、ヒミツさんじゃないですか?」


周囲の何人かがすごい勢いで酒を噴き出している何処かで見たような絹のような金髪や冥土超人がいたような気がするが・・・うむ、気のせいだと思っておこう。おそらくモードレッドの時空魔法で転移が可能になったからきたとかそういうアレだろう。


「人の噂も75日その二つ名もすぐに消えるだろうな。」


「それとも『神殺し』の方が良かったですかね?」


軽口と軽い皮肉をぶちまけ合うヒミツとリリゼットを見て酒の話もだが疑問が湧く山田、


「随分仲がいいようですが…どういう関係なのですか?」


「む?」


「あー、そうね、とても簡単にいえば彼の友達をやってるキャメロットのギルド長である私の元旦那と私の子供の婚約者候補、ってところかしら?」


場が、凍った。

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