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放浪系騎士の様なナニカの冒険記的なサムシング  作者: 名状し難い魔王
天災剣士と化け物と暗殺幼女と迷宮と…
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be koolだぜ?


迷宮の暴走、という現象は前提としてある程度の年数が経って成熟したダンジョン内で一定期間放置された魔物が迷宮の容量を超えた時に起こる魔力災害の一つだ。

なぜ魔力災害として分類されているのかといえば、それは一重に迷宮の内部にある膨大な魔力の流れが魔物が倒されないことで停滞しそのまま貯まることで発生する大量の魔物によって迷宮の容量を超えてしまうからだ。


通常なら魔力が流れるので階層ごとに適当な強さと魔力を持った魔物が出来上がるのだが、今回のように魔力が滞った場合、一箇所に集まった魔力がその量に任せて強力な魔物を作り出してしまう時がある。


迷宮都市の外からでも見える巨大な黒い影もその可能性の一つだった。


『哀しい、哀しい、脆弱で定命たる人の子を殺し尽くさねばならないなんて・・・あゝなんと哀しきかな。』


燃えるような紅い目、影のような漆黒の体躯、そして全身に生えた刺々しい刃のような突起、何よりもその巨体、まともに動けばこの都市を壊し尽くして余りある巨大さである。



迷宮都市の中心、黒龍の足元にいた神凪は軽く絶望し、そして思考を切り換えた。


(もちつけ、取りあえず俺たちに被害がないか確認しろ。)

「誰か、死んでるやつは!?」


「「「はーい!死んでるので帰っていいですかー!」」」


「全員無事そうだな。」


無駄に元気な声で帰って来た返事に苦笑いしながら被害を確認する。が、魔法少女の物理障壁とそれを狸川の符術によって強化したため地面に円形のクレーターを造っただけで人的被害及び道具などの損傷はなかった。


「・・・どうしますか、斬りますか?」


「そういうところは変わらないのか。」


次にどう倒そうか思案しようとしたところで山田が刀を構えて物騒なことを言っていた。


「だが、最初はとりあえず拘束だ。これで暴れられれば大惨事だが、引き倒して地面に縫い付ければ惨事程度で済むだろう。」


「いえ、もう遅いみたいです。」


「は?」


『おや、死ななかったのですか、頑丈ですね。』


龍という魔物及び幻獣は世界の中でも最強格のうちの一つだ。その理由に人間以上の知性を持ち、魔法言語の素とされる龍言語を使い、何よりもその瞳に体の色に対応した魔法を宿した眼と威圧や魅了などの各種状態異常を宿した『龍眼』と呼ばれるものが宿っている。

今回の黒龍の真紅の瞳はかなり低位といえどその全てを宿した正常な龍眼だ。まともに正面から見られれば、


『だが無意味だ。吹き飛べ虫ども。』

「良い魔眼だな、だが無意味だ。」


突如現れた紅く光る黒い影と魔眼の発生させた闇の極大魔法と状態異常発生に為に眼に込められた魔力が周囲の空間を歪ませ、爆発。


凄まじい衝撃波が周囲に撒き散らされ、神凪は薄目で、山田はキラキラとした目でその人物を見ていた。


「・・・厨二病ここに極まってるな。」


「お前がいうなよラノベ主人公、あと山田、良い目をするようになったな。」


蒼い幾何学模様を剣に宿し、左腕から闇を噴出させ、左眼から青緑色の燐光を放ち、紅い残像のようにも見える膨大な魔力が彼の周囲を歪ませる。そして口角を裂けるのではないかと思うほどに釣り上げ頭部が吹き飛んだもののいまだ生きている龍を見下ろす。


「さぁあ!お前の素材はどの程度になるかなぁ?」


「さすが師匠です!」


「もう嫌だ…」


そしてどこまでも残念なのであった。



『あゝあゝあゝあゝあゝ!痛い痛い痛い痛い!絶望だ!悲しみだ!哀れみだ!ああああああ!』


「うっせえ!」


生まれたてだったのかそれとも迷宮の魔力が生み出した虚像だからなのか、迷宮中心部にいた数多の冒険者の魂を血肉を食い完璧に受肉した邪龍の精神強度は人間かそれ以下だった。真の龍種なら一度即死した程度で発狂したりしない。むしろ死にながら突っ込んでくるのが普通なくらいだ。

頭部と心臓を同時に吹き飛ばし、風穴を量産する。龍狩りの基本は死ぬまで殺す。正確には肉体的に不滅である彼らを動かなくなるまで殺し、解体するまでが龍狩りの工程だ。

まあ再生するから見た目の質量より多くとれるし、売っても食っても良いのだが、いかんせん面倒臭いくらい強いししぶといので龍狩りは名誉であり、高額な賞金をもらえる仕事なのだ。


『が…ご…ぎ…』


おおよそ20回程度ミンチと肉塊状態を繰り返して、もはや意味をなさない音が出るのみになった。しかし、どうも嫌な予感が拭えない、俺は有り余る魔力を使って後ろで固まっている勇者君たちを結界で囲み、彼らから微かに感じるマーリンの魔力を感知、影の国で一夜を明かした為に連絡できなかったのを思い出す。


『はろー、すまないな、昨日は。』


『全くだよ、おかげでモーちゃんやアーサーちゃんにそっちまで行かされたよ!』


さて、彼女の話を聞いて少々の疑念が湧く。


『そういやいつまでこっちにいたんだ?』


『え!?其れは…その…』


実は彼女はさっきまでここにいて防壁や魔力防護をする余裕があったのではないか?というか、魔物を処理するのが面倒だから帰ったのではないか?と、


後ろで身じろぎする龍をとりあえず突き刺しながら、周囲の警戒を続ける。


『アハ、物理防御と魔法防御の結界を周囲にばらまいたんで許してピョン!』


『うん、死刑☆』


『ヴェ!?』


彼女にギルティー宣言した瞬間に魔力感知に反応、周辺の魔物が魔力へ還り、龍の真下、迷宮に集中し、どす黒い迷宮以外の意思が発生する。そして次の瞬間、


「師匠!?」


「なんだと!」


地面が隆起し迷宮都市中心部を粉砕しながら巨大なそして名状しがたい都市が浮き上がってきた。そしてその頃俺は心臓を犬のようなものに貫かれ、吐血していましたとさ。

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