異世界国家は複雑怪奇だと少しの間思った俺氏
ちと短め
唐突だがこの国『新生王国』は数十年ほど前に出来た新しい国だ。いや、正確にはとあることが原因で大幅に力を落とした現在の旧王家の統治中に起きた革命により新しく担ぎ上げられた新王族、(ま、血統的には両方同じなんだが彼らの中では分家と本家くらい違うらしいので口にはしないようにする。)が国家元首に成り、それを象徴するように国名を変えたので国としての成り立ちは昔からあるし王家も断絶していないいたって普通の専制政治の国である。
で、実はこの『数十年ほど前に起きたとある事』と言うのが俺が追っかけられている理由なんだが・・・
「食事ができました!」
部屋の扉の向こう側からうら若い(と、思われる)女性の声がする。
「うむ?もうそんな時間か、スヤァ」
ベッドに寝そべり寝息を立てていた幼女がむくりと起き上がり剣を研いでいる俺に向かってかなり勢いよく倒れ込んで来た。中身までお子様なのか二度寝してやがる…
「おら、シャキッとしやがれ。ちょうどお腹が空いたと思ってたんだ。」
鎧をだいたい手入れし終わり影から取り出した砥石でロングソードと黒塗りの鈍剣を研いでいた俺は剣を拭き鞘に収め腰にさげる。研磨中もう慣れたことでかなり物思いにふけていたがなんとか幼女を受け止めシェイクする。
「アババババ!!や、ヤメロー!」
両脇をガッチリと掴み上下に振る。文字通りシェイクだ。抗議をするが大変に気持ち悪そうである。ふとベッドが目に入った。
「ホイッとな。」
「アベシ!」
軽い掛け声とともに布団に投げつけなんだか棚から落ちたフィギュアみたいな、水面に叩きつけられた蛙のような無☆様な格好になっているがきっと問題ない。
「あるから!うら若い乙女を上下に振った後に布団に叩きつけるとか何考えてんの!?」
「あー、あー聴こえないー、さっさと飯行こうぜ〜?」
正直言って未だに本名を名乗ってなかったり魔力の繋がりから少しずつ魔力を吸ってたり色々不審なところしかない賢者系幼女、てかそもそもマーリンって称号は魔法に長け、尚且つ特殊な魔眼を持つものの称号だ。だが此奴を今触って見た感じ魔眼のような特殊な魔力の流れは感じられず魔力の量も確かに多いし操作も一級品だが超一流ではないと言う感じだ。
・・・まあ、俺には関係ないか、魔法の腕が低いならそれだけラインの破壊も簡単になるし、そう思い扉のノブに手をかける。そして開くとそこには
「初めまして!これから滞在中にお世話をさせていただきましゅ!・・・ます!リーゼです!どうぞおみしりおきを!」
「ウワァ…」
猫耳ガチ幼女がいました。
ふよふよ
この世界には獣人族と言う種族が存在する。
「あ、あのー?」
ピコピコ
文字通り獣の特性や特徴と人間の特性、特徴を持った種族で古い神話の中や地方にある神話関連の遺跡からは直接神が作り出した事が明記されている絵画や碑文が出土しておりかなり地位は高い・・・が、少々脳筋気味だったり、忠誠心が暴走気味だったり、色々しきたりがあったりとかで大規模な王国が一つあるくらいで他は昔ながらの遊牧民族や山岳民族として点々と暮らしている。
「もしもし〜?」
また寒さに弱いのか知らないが俺のいたキャメロットなどの北方にはあまり来たがらないので見る機会もなかったのだ。ちなみに俺は哺乳類なら犬より猫派でサーバルキャットも大好きであるが哺乳類より両生類と爬虫類が好きなのでどちらかといえばツチノコ派である。ま、何が言いたいかと言うとだね。
「可愛い!だと!?」
つい凝視してしまった挙句あまりの可愛さについ後ずさる。
「頭が大変か?このろりこんが!」
するとヒミツの後ろからさっきの意表返しか腰を掴む幼女、そしてそのままジャーマン!
メギョッと鈍い音が響き動かなくなるヒミツ、そして身体能力を魔力でフルブーストしたマーリンの称号を持つ幼女はヒミツを犬神家的な床の装飾品にしてご満悦であった。
そしてその様子を見ていた猫耳幼女は一言
「こ、これがよく聞く『えすえむ』と言うやつなのですか!」
「それは違うよ!」
速攻で復活するヒミツであった。




