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放浪系騎士の様なナニカの冒険記的なサムシング  作者: 名状し難い魔王
天災剣士と化け物と暗殺幼女と迷宮と…
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迷宮探索最前線


一応、迷宮と外の魔物の違いを説明しておこう。

先ず、外の魔物は全体的に弱い、例外はあるがほとんどが動物から魔力のよって異形化したもので、それが生殖のよって増えている。なので彼らの肉体はほとんどが物理的な、普通の生物と変わら無い質量や見た目通りの中身を持っている。

それを踏まえた上で言わせてもらうと、迷宮内にいる魔物というのは全く生物ではないと言って良い、何故か。それは殖え方や彼らの肉体に関係する。


「ひ、ふ、み、よ・・・うーん、要周回かな?」


憤怒のミスリルゴーレムは大体4、5メートルの巨人型無機物系の魔物だ。しかし迷宮以外で彼らを見ることは先ずほとんどない、あるとすれば古代遺跡の番人や、道楽魔法貴族の屋敷の門番などだろう。しかしそれでも二、三メートル、ひどい時は人間大かそれより小さい物もある。

それはひとえに彼らの体を構築するのに膨大なミスリルがいるからであり、二、三メートルの物でも全身持ち帰れれば、軽く豪邸が建つくらいの密度と純度のミスリルが手に入る。

しかし、迷宮のソレはいくつかのインゴットや魔道具を核に身体のほとんどが魔力でできたハリボテなのだ。それは雑魚魔物である一層目の大ガエルなどでも変わら無い、迷宮にあるものは通常なにがしかの素材を核とした魔力の集合体であり、生殖などはし無い、が、彼らは肉体を彼らの空っぽな体を埋めるために肉を求める。それが彼らの創造主たるダンジョンの意思であり、彼らが侵入者を襲う理由だ。


「うわー!すっごーい!」


ミスリルと化したボスが淡い色の魔力になり消えていくと少し遅れてダンジョンのボス部屋という巨大な闘技場のような個室に幼女の興奮したような声が響く。

理由は単純、ヒミツがメタルなスライムや逸れてる系スライムの様な強靭な体を持つゴーレムの様な無機物系の魔物を叩き切ったからだ。ぶっちゃけこれはただの慣れなのだが、どうも短剣がメインでありこう言った硬い相手を苦手とする戦闘スタイルの彼女としては目からウロコの光景だった様でしきりに方法を聞いてくる。


「どうやってやったの!?」


「うーむ、やり方、ねぇ?」


ヒミツがいつもやっている時は鈍器のような黒剣で撲殺するか、今回のように金属製の体故に負荷がかかる所に熱が発生し柔らかくなるのを見計らって斬りとばすくらいしかない、しかも相手の体重移動を見きれなければ意味がないのだ。

しかし、ここで予想外の言葉が幼女から、アリスから放たれる。


「ううん、違うの!どうやって斬れるとこを見つけたのか知りたいの!」


・・・まあ、それもそうである。一応この子は暗殺者、動物型はともかく人型のモノの体重移動など見慣れたものだ。それ以上にこの子は物を核心を見抜くのがうまい、才能ってやつかなぁ、おじさんつらいわ。


「ま、相手の重さの傾きを見抜ければいつか出来るようになるさ。」


「へぇー、えい!」


俺の言葉に頷いている幼女を尻目に次の階層、四十層目へ降りる階段の方へ進もうとする。と幼女は俺の腹に風穴を開けた魔法剣を抜きはなち俺が踏み出した右足の膝裏をめがけて突っ込んでくる。


「んうお!?」


俺は何度も見たこの光景に少し苦笑いしながら左足一本で上に幼女の後ろに着地する。


「あぺ!?」


「あははは、人間っていうのはそこで体重移動をごまかす技術を磨いてきた。そういうこともある。」


「ええ〜!ずるい〜!」


地面に突っ込もながらもニコニコと笑う俺と彼女は四十層目に降りて行った。



四十層目の特徴は今の所不明だ。しかしデイン達から聞いた話によると迷宮内に於いて初めての天候の観測や、一週間毎に変動する不定形の地形、そして何より・・・


「これか・・・」


「うわァ〜!海って奴だね!」


そう、階層のほとんどが水で構成され、しかも地上部分の探索がほぼ終了しているため確実に水中に、次の階層への道とボス戦の部屋が水没しているだろうというのが確定しており、多くの冒険者が苦戦しているのだ。


真夏のような日差しと白い砂浜、打ち寄せる波、そして巨大なカニとココナッツの化け物、遠くに水上で巨大な魚や蛇のような水竜と闘う魔法使いが見える。


不定形の地形というのはここではなく、水中にある迷路の様な構造体の中らしい、だが、それ以前にそこまでたどり着くのに様々な装備や高位の魔法などが必要だ。それに人間には酸素が必要不可欠だ。この階層では酸素切れによる窒息死が最も多い、


「ま、今日はここに水竜狩りに来たんだけどね〜」


俺は水の上に単純な魔力操作の応用で足元の水だけを固めてゆらゆらと波打つ水面にアメンボのようにふわりと立っている。


「ずるい!ずるい!楽しそう!」


「ふははは!ここまで来てみるがいい!」


「ふしゃー!」


残念ながら魔力操作はまだまだ未熟で水に突っ込んで行っては濡れ、突っ込んでは濡れを繰り返している。


「あははは!」


「ふしゃー!」


そろそろ野生に帰りそうなのでアリスに近づき彼女の全身を覆うように魔力の膜を張って水の上に放り投げる。するとまるで水に弾かれたように水上を滑り、波によって打ち上げられたり流されたりしている。


「あはははっ!たーのーしー!」


最初はなかなか立てずにいたがなんとか立ったのを見計らって俺は水中に魔物の肉をぶん投げ敵を誘き寄せる。


「んじゃ、行くかね。」


「うん!」

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