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放浪系騎士の様なナニカの冒険記的なサムシング  作者: 名状し難い魔王
天災剣士と化け物と暗殺幼女と迷宮と…
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一週間て結構長い。2


「山田少女よ、なんで俺を師匠と呼ぶんだ?」


「それは勿論私より強いですし、今も斬りつけようとしても簡単に対処できそうな涼しい顔してますし、何より私より元の世界に未練はないんです。むしろ人を斬り斬られるこの世界に居たいくらいです。なのでその後見人というか、剣の師匠兼私の身寄りになってくれそうな強い男性ということでヒミツさんを師匠と呼び、夜の間に既成事実「もういい、しばし黙れ。」・・・」


さて、この頭が沸いてる系大和撫子風人斬り抜刀斎をどうしてやろうか・・・魔法少女君は危険物を見る目でおそらく友達であろう山田君を見てるし、遠巻きだけど昨日の神凪君や狸川君の気配もある。

・・・よし。


「『引き寄せ(アポート)』」


保護者3人に話を聞いてみよう。

ヒミツは高位魔法のうちの一つ多少の引き寄せを実行、左腕のタヌキチに少々魔力操作の負荷がかかったが問題なく発動し柱の影と、店の前から高校生勇者二人を引き摺り出す。


「ゲッ!?」


「なっ!?」


案の定驚く二人、山田はニコニコしているが横の魔法少女は口を開けてほうけているし幼女はなんだか面白そうにこっちを見ている。俺は同じ魔法で椅子を並べ二人を座らせる。


「さて、面談だ。取り敢えず言い訳だけさせてやろう。」


俺が某司令官スタイルでどこからともなく出した度の無いメガネをかけテーブルに肘をつき手を組みそこから覗き込むような格好で山田の保護者(仮)である魔法少女、神凪、狸川3名を眺める。

無論、背景は幻影魔法でネ○フ司令室風に見せている。

狸川がおぉ…とか言って感動している中、無表情系高校生勇者神凪君が口を開く。


「・・・なんと言うか、別段リーダーという身では無いためこの謝罪にどれほど意味があるかはわからないが、まず心より謝罪を、バカ剣士を止めることができなかったことや、不法侵入、器物破損などについて対策ができなかったことについては・・・言い訳もできないな。」


なんというか言い回しは大仰だし、ちょっと偉そうだが、これも彼らの処世術なのだろう。主になめられない為の、それはいいのだが・・・


「言い方的にそれ以外のことについての対策はして居たってことかい?」


「まあ、こう言ってはなんだが彼女ら女子生徒はそれなりに美人だ。襲われたことも少ない、そのために防具や武器に細工をしてあるんだが・・・今回はそれが運良く逆に働いて貴方の貞操を守るに至った。」


「あーーー!そんなことしてたんですか!?」


頭痛い…まあほんとよかった。そこはマジで。というか・・・いやまあいいか、こいつらのことについて俺が突っ込んでもいい事ないし、


「まぁ、というかあんさんにも一応非はあるんやで?」


ここで狸川乱入、うーむちょっとからかって見るか。


「ほう、言って見るといい似非関西弁。」


「ひどい!見た目が関西人ぽいと言われたからやってるのに!?」


やっぱり関西人ではなかったか、真の関西人ならもっとツッコミが激しいはずだからな。


「まあええ、結構どうでもいいし、で、昨日あんさんがウチのクラスメイトの心折りまくったおかげでうちら陰陽師やら魔法使いは健康なやつにまで手が回らなかったんや、その健康の塊みたいな山田とかに監視をつけたりする余裕は「でも、監視がいるような状態だったのを放置したんだろう?」うぐっ!ま、まあなぁ。」


まあ、悪いとは思っているがそれだったら最初から少数精鋭でかかってくるようにしたり、一対一づつの模擬戦にするとか色々策の講じようがあったと思うのだけれど・・・

ていうか根本的にこの似非大和撫子のようなバーサーカーはマジでどうしてよりにもよって昨日の今日で俺を選んだんだ。言っとくが昨日彼らに会った時・・・あ、フルフェイスじゃ無かったわ、一応整っている顔が見えて居たかーワーコレハホレチャウワー(棒)


「あ、顔は好みじゃないですよ?師匠。」


「ちょっとは幻想に浸らせてくれ・・・」


さて、どう判断したものか、ぶっちゃけこの手の話は苦手だ。こっちの世界に来て早15年ほどだが、無駄にある戦闘力と口先八丁で大体全部を乗り越えて来たこの身をもってしても、かなりの未知だ。

何せ相手は脳みその中が一番よくわからないもので構成されてる思春期のボーイズアンドガールズだ。

おおよそ青春というものに縁が無かった俺としては勇者とは出来るだけ一瞬で終わるビジネスライクな関係で痛いのだ。それをわざわざでしという形で手元に置いておく必要なんてないしい、それになんか全体的に不穏だからなできれば早急にこの山田の行動制限系の契約魔法を結んでしまい鬱陶しいで済んでいるうちに何処かに、もっと言えば元の世界に送り返してしまいたい。

いや、もっと率直に行こう。


「ぶっちゃけ面倒臭い、ってとこかな、別に戦い方を教えるのもいいし、生き残る為の力を伸ばすっていうんなら協力しなくはないが、結局のところ山田少女は『剣士として』強くなりたいんだろう?」


「面倒って、ていうかそんなの当たり前じゃないですか?」


魔法少女ちゃんがそういうが結構違うんだなぁこれが。

神凪君が口を開く。


「・・・なるほど、つまり、『生きることよりも剣に執着』する彼女に何を教えても意味がないから弟子とするのを拒んでいるんですね。」


「なっ!?」


驚きの声をあげたのは魔法少女ちゃん、そしてそれを聞いた山田本人はいたって普通そうにこう嘯く。


「え?それって何かいけないことなんですか?私はコレで生きていくって決めましたし、コレを捨てるくらいなら死んでしまう方がいいと思うのはおかしいですか?」


「あっはーこれは重症やなぁ。」


狸川も渋い顔、そう、こいつは究極的には自分以外、いや剣以外のことを全て券を高める為の道具としか見て居ない、それこそ自分自身ですら、いや、もはや彼女と剣は一心同体なのかもしれん、だがそれは人としてあまりに破滅的な才能と考え方だ。


「予想外だったな…いや、範囲内か。」


「おーいしー!お代わりー!」


あの筋肉は生きるためそして何より自身の体を技術を練り上げるのが好きなタイプのより自分を高めようとするタイプの戦士だが、こいつは対照的に剣のために死ねるタイプの戦士だ。

そしてそれを他人に気取られない一番面倒臭いタイプだ。

俺はため息を吐きつつ幼女の口を布で拭くのだった。

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