表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ホラー短編集

わたしのおにいたん

 わたしは毎日お兄さんといっしょです。

 お兄さんはとってもやさしいです。


「おにいたん!」


 わたしは、おにいさん、て、うまく言えないです。

 すこしはずかしいです。

 でも、お兄さんは笑ってなでてくれます。

 とってもやさしくなでてくれます。

 お兄さんの手は、ちょっとつめたいけど、わたしは大すきです。




「おにいたん、あそんで!」


 わたしがお願いしたら、お兄さんは、いつだってあそんでくれます。

 昨日もいっしょに、おままごとをしました。


 お兄さんがパパです。

 わたしがママです。

 赤ちゃんはまだいません。

 しんこんさん、なのです。


 わたしが、おかえりなさい、って言ったら、ただいまって言ってくれました。

 ごはんできてます! って言ったら、君がいいって言われました。

 よく分かりませんでした。


 そのあと、お兄さんは、わたしが作ったおりょ-りを、おいしいって食べてくれました。

 うれしかったです。


 ごはんのあとは、いっしょにお昼ねしました。

 お兄さんの体はとっても大きいです。

 わたしはまだ小さくて、はやく大人になりたいと思いました。


 大人になったら、ほんとにお兄さんと、けっこんしたいです。

 そしたらまいにち、おいしいおりょーりを作ります。




「おにいたん、おしごと、いくの?」


 お兄さんは、おいしゃさん、なのです!


 おしごとの日は、わたしもいっしょにお出かけします。

 わたしは、かんごふさん、なのです。

 いっしょに、かんじゃさんをしんさつします。


 かんじゃさんは、おじいちゃんや、おばあちゃんです。

 とってもくるしそうで、かわいそうです。


 でも、お兄ちゃんがたすけてくれます!

 だいじょうぶだよ。


 なのにみんな、お兄ちゃんのお顔をみると、こわがります。

 じつは、お兄ちゃんは、ちょっとお顔がこわいです。

 だからしかたないです。


 こわがってるかんじゃさんには、わたしがごあいさつします。

 ママにおしえてもらったとーりに、にこにこ笑ってごあいさつします。

 そしたらみんな、あんしんしてくれます。


 わたしが、ごあいさつしている間に、お兄さんはしんさつします。

 お兄さんが、おなかやお顔の上に手をあてると、かんじゃさんはねむってしまいます。

 きっと、とってもきもちよくて、ねむたくなるんだと思います。

 お兄さんの手はまほうの手なのです。


 しんさつがおわったら、お兄さんが、えらかったねって、なでてくれます。

 わたしはとっても、しあわせな気持ちになります。

 やっぱり、お兄さんの手はまほうの手です。




「おにいたん、さみしいの?」


 お兄さんには、おともだちがいません。


 わたしたちが居るびょういんには、たくさん人がいます。

 でも、だれもお兄さんにお話ししてくれません。

 お兄さんも、だれともお話ししません。


 でもたまに、とってもさみしそうなお顔になります。

 お兄さんがかなしいと、わたしもかなしいです。


 だから、そんなときは、お兄さんの手をぎゅってします。

 お兄さんは、ひとりじゃないです。

 わたしがずっといっしょです。

 ないちゃだめです。


 そしたらお兄さんは、なかないでって、わたしをなでてくれます。

 なきそうなのは、お兄さんの方です。

 しつれーです。


 でも、お兄さんの手がきもちよくて、つい、えがおになってしまいます。

 お兄さんも、にこにこえがおになりました。

 いつものやさしいお兄さんです。


 わたしはお兄さんのえがおが大すきです。




「おにいたん、おやすみなさい」


 おやすみするときも、お兄さんといっしょです。

 おんなじベッドでおやすみします。

 ふたりでぎゅってしながら、おやすみします。


 くっつくのは、すこしはずかしいです。

 でもきっと、お兄さんは一人だと、さむくってびょーきになってしまいます。

 だからわたしが、ぽかぽかにしてあげるのです。


 わたしはいいこなので、おやすみのちゅーも、ちゃんとできます。

 お口はまだはずかしいです。

 だからほっぺです。

 それでもやっぱり、どきどきしてしまいます。

 でも、お兄さんも、どきどきしています。

 くっついてるから、わかっちゃうのです。


 そのあと、お兄さんは頭をなでてくれます。

 やさしくやさしく、なでてくれます。

 とってもきもちいいです。

 だからわたしは、すぐにねむたくなってしまいます……。

 

「おにいたん、おやすみなさい……」


「おやすみ、みきちゃん」


 大すきなお兄さん。

 ずっとずっと、いっしょだよ。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] なーんか怖い意味が込められている気がするのですが……気のせいですかね?
[気になる点] そろそろこんなことやめたほうが良いんじゃないですか? 別に強制はしないけど、まず幼齢の少女を創作に使うのをやめなさいと。 何故そこまで拘るのか…。 はっきり言って気持ち悪いんです。 分…
[気になる点] 作者が何故幼齢の少女を題材にしたか? よくよく考えてみると恐ろしい事ですよ。 作者は自分が社会から逸脱してることを思い知るべきです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ