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孤児の俺と魔術学院生活~人生逆転計画~  作者: 神堂皐月
七つの大罪編
89/143

第89話 布陣

日間ランキング11位!

これもみなさんのおかげです!

ありがとうございますm(__)m

 ――ローランの号令の後、編成内容通りの隊列となって行軍したローラン軍。


 最前列をローラン率いる騎馬隊5000の兵が先導し、後方を第一隊から順に馬車で追っていた。馬車の数は優に600を超え、騎馬隊と合わせると国家間の戦と変わらぬ規模となっていた。


 そのせいか、王都・大通りを通過最中、都の住民はよくわかっていなくとも大盛り上がりで見送ってくれていた。


 そんなローラン軍の位置は、すでに今回の敵である【七つの大罪】軍と衝突するであろう予測ポイント――雷平野が見える所にまで進んでいた。


 道中、アルヴィスは馬車が同じであったアンヴィエッタに、今回の総大将――ローラン・イェーガーとは一体何者なのかと問いた。


 ローラン・イェーガーは、ラザフォード魔術学院の6年生であると同時に、ラザフォード国軍の兵でもあり、その階級はすでに少将となっている。


 魔法師としても15歳でSランクとなった最年少記録を持ち、その武力から学生ながらにして、いきなり将軍の位をエドワードに与えられたのだ。


 国内に数人しかいないSランク魔法師の中でも1・2を争う武力を持つ彼は雷を操り、ついた二つ名は〈雷神〉である。


 もちろん規格外のローランは、学院序列からは外されている。他生徒達の上を目指す意欲が消え失せてしまうからだ。


 そんな彼も、将としては護りが甘く、5年間階級を上げることが出来ずにいた。けれど、1度攻め込めば止めることができないほどの破壊力で勝ちを取り続けているそうだ。


 アンヴィエッタがアルヴィスにそう教えると、「だが」と付け足し、彼女は言葉を続けた。


 ――この戦で見るべき将は他にいる、と。


 アルヴィスはその言葉に少々驚き、言葉の続きを待った。


 その将とは、第六隊のクリストフ・シルヴァだと言う。


 彼も学生ながら軍に身をおき、階級は中佐ではあるが、軍を指揮するその実力はすでに将軍級だと噂されている。


 アンヴィエッタもクリストフの指揮した戦場は見たことがなく、彼女自身も、今回の戦で彼に注目を寄せている。


 ――と、ここまでを聞いたアルヴィスは、軍のことまで知っているアンヴィエッタの正体が気になり出した。だが、そんなことを聞いたところで、彼女が素直に応えるわけがないことをアルヴィスは知っている。


(今回の戦で判断させてもらうぜ、あんたの実力をな……!)


 アルヴィスはアンヴィエッタの話を聞きつつ、心中で思うのであった。


 ローラン軍が雷平野の丘に辿り着くと、野原を挟んだ十数キロ先に位置する山々の一角に砂煙を発見した。


 それが【七つの大罪】軍だと判断したローランは、広大な土地全体を流すようにさらっと見渡すと、軍を4つに分けてそれぞれの布陣ポイントを指示した。


 ローランは、自身が保有する5000騎からなる本陣をこのまま丘に残した。


 第一・第二隊による2000の兵を中央軍とし、本陣が布陣する丘の正面に広がる平地に布陣させる。


 第三・第四隊による2000の兵を右翼とし、平野の右側に広がる山林の中に布陣させた。


 残りの第五・第六隊による2000+サーヴァントの隊を左翼とし、中央の起伏の少ない土地に対し、起伏の激しい平野の左に布陣させた。


 そして馬車として使った馬――一台に2頭の馬が使われている――を各隊に200頭ずつ振り分けられた。


 騎馬する者は各隊長達が選んでよいという指示により、第一隊では【EGOIST】のメンバーも選ばれた。


 貴族であるロベルトや、元王族であるエリザベスが馬を扱えたことに驚きはないが、飛鳥までが難なく騎馬することが出来たことに、アルヴィスは驚いていた。エリザベスが元王女だということをアルヴィスは未だ知らないが、勝手に伯爵以上だと決め付けているので騎馬することに特に驚きはない。


 唯一乗ることが出来ないアルヴィスだったが、なんとアリスが扱えると言うので、アリスの背に掴まる形で騎乗していた。ルナは走って付いていくとの自己申告だ。


 ――そしていよいよ、戦の火蓋が切って落とされる。

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