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孤児の俺と魔術学院生活~人生逆転計画~  作者: 神堂皐月
色欲の魔女編
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第76話 飛鳥の活躍

全然筆がのりませんでした、、、

あまり進まずすみませんm(__)m

「……なぁ、アリス」


 アルヴィスは、眼前でどうだと言わんばかりのドヤ顔笑いをしている幼女に声を掛ける。


「なんじゃ?」


 その幼女ことアリスは、親に褒められ待ちの子供みたくキラキラとした瞳で応えた。


「これ……どうすんだよ? 俺たちじゃあ火事は消せないぜ?」


「……」


「それに今さらだけどよ、中にいた奴らって本当に俺たちのターゲットだったのか? 殺してよかったのか?」


「……」


「それに――」


「ダァーもううるさいのうッ! それ以上言うでないわ! やってしまったことはしょうがないじゃろうが!」


 アルヴィスの質問攻めで己への罪悪感に耐えきれなくなったアリスは、半分逆ギレ気味に応えた。


 両手を上げて叫ぶその姿からは、とても先程までの美女と同じ者だとは思えない。


 この時、エリザベスはどこかホッとした気持ちになっていた。また飛鳥も、同じくアリスの一部分を見て安心感を感じていた。


 見た目が――

 胸が――


 ――幼女でよかった、と。


「儂がこれを消せばよいのじゃろ!? ならさっさと首を差し出さぬか主人さまよ!」


 両手を上げながら地団駄を踏むアリス。


 その姿だけを見ていると駄々をこねている子供にしか見えず、微笑ましさすら感じてしまうが、地面を踏みつける度に地面が揺れているので、アルヴィスは内心ひやひやとしていた。


 だが――


「いや出さねェよ!?」


 即答で拒絶した。


「なぜじゃ!? お前さんが消せと言うから言っておるのじゃぞ!?」


「けど主人に首を差し出せとか言うか普通!?」


「うぐ……っ!」


「それに吸われるとけっこう怠くなるんだぜ? そう何度も吸われてたまるかよ」


「ならどうするのじゃ?」


 アリスの問いに、アルヴィスは顎に手を当て暫し思案する。


 そして何やら思い付いたのか、アルヴィスはすぐ傍で2人の様子を見守っていた飛鳥の方を向いた。


「飛鳥! 風神って風そのものを操れるんだよな? なら上昇気流をつくって火の向きを変えられないか?」


「そういう使い方はしたことありませんが、わかりました。やってみます!」


 飛鳥の返事にアルヴィスは頼んだぞという風に力強く頷き、飛鳥も頷き返す。そして血文字が書かれている5枚の呪符を袖の中から取り出すと、呪文を唱える。


「――おいでくださいませ、風神!」


 5つの呪符によって形作られた五芒星ごぼうせいから風神がその姿を現した。


 飛鳥が風神に命令を下すと、風神は唸りながら飛翔していき、肩に背負うように持つ風袋を動かし始めた。


 すると、風神を中心とするように周囲の風が渦巻き出す。それは次第に範囲を拡げていき、勢力を増していく。


 1分程すると、風神を中心とした竜巻が生まれ、地上で燃え盛る火炎を吸い上げ出す。


 さらに十数分程経つと、山火事は鎮火の時を迎えた。


「おー、さすが飛鳥!」


「いえいえ、風神様のお陰ですから」


 アルヴィスに褒められ、飛鳥は嬉し恥ずかしそうな表情で応えながら風神を戻した。


「さて、これで一件落着だな」


「待て待てお前さん。なに晴れやかな顔しとるんじゃ。火が消えただけで、まだ任務自体何も解決してはおらぬぞ?」


「そうだよアルくん。アリスちゃんが倒してくれたのは恐らく戦力の一部で、まだ倍はいると思った方がいいわ」


 自身の一言にアリスとエリザベスからここまで言われると思わなかったアルヴィスは「うっ……」と小さく漏らす。


 アルヴィスは火事のことのみで、任務そのものを言ったつもりではなかったからだ。


 だがここで自身を弁護しても良い方に進むとは思わなかったアルヴィスは、言いたいことを抑え話の流れに合わせることにした。


「エリザの言うようにまだ半分以上の戦力が残ってるのなら、そっちに主力がいると見た方がいいよな。いくらアリスの魔法といえど、街を壊滅させるほどの戦力をこんな簡単に殺れるはずないからな」


「そうじゃな」「そうね」「そうですね」


 アルヴィスの予想に、アリス・エリザベス・飛鳥がそれぞれ頷き応える。


「残りは他の山かな?」


 アルヴィスは誰にともなく質問する。


「それはないと思うわ」


 応えたのはエリザベスだ。


 アルヴィスは頭に疑問符を浮かべる。


「あれほどの衝撃音よ。近場にいるのならこちらに向かっていてもおかしくないはずなのに、一向にその気配がないわ」


「そうですね。それに別々の山に潜伏するメリットがありません」


 エリザベスの説明に賛同するように飛鳥も考えを伝えた。


「ならどこにいると思う?」


 アルヴィスは純粋な疑問を投げ掛けた。


 だがその解答を知らないからこうして調べに来ているわけだ。つまり誰も答えられる者はいなかった。


 一同は顔を見合わせ、軽く溜め息を吐いた。


「街に戻って情報収集のやり直しだな。今日は戦力を削れただけでも良しとしようぜ」


「そうね。ここで考えていてもしょうがないし、一度戻りましょう」


「うむ」


「わかりました」


 女性陣から同意を得たアルヴィスは、下山する道を先導するように歩き始めた。


 一行は山を破壊するだけ破壊して、何事もなかったかのように街へと戻るのであった。

もうすぐこの章の主役が登場する予定です!

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