18:命溢るる逆月の泉-02
罠も張り終え、ヴィゴさんの手傷の応急処置も終わると、後はもう私達にできることはない。ぴりぴりとした空気の中、ひたすらに待つだけの時間が続いた。
泉の近辺に限っては、まだ静寂が続いている。その一方で、いよいよエルフと人形の軍勢の戦いも激しさを増してきたのか、凄まじい爆発音やら地鳴りが遠くから断続的に聞こえ始めていた。聞いている感じでは、それらが近付いてきている気配はない。少なくとも圧倒的に攻め込まれている訳ではなさそうだけれど、それでも落ち着かないことに変わりもなかった。
少し身体でも動かして気分転換を図りたい気はするものの、敵の出方を読み切れない以上、散歩気分で下手にうろつくのも躊躇われる。ヴィゴさんから離れた隙に飛んできた矢がグッサリ、なんて御免蒙りたい。そう思うと動き回る気も失せ、私は泉の傍らに佇むヴィゴさんの、更にその隣に黙然と立ち尽くしていた。とは言え、ただ黙って立っているというのも、それはそれでプレッシャーになる。
「こういうのを、背水の陣て言うんですかね」
このまま黙っていたら頭がどうにかなってしまいそうな危機感に駆られて、つい緊張感の欠片もない言葉が口を突いて出た。
「文字通り、ってか。確かに後ろは泉だあな」
返ってきたのは軽く笑って応じてくれる声で、ひそりと安堵の息が漏れる。
どうしようもない軽口にも関わらず、咎めずに付き合ってくれる。その寛容さ、或いは柔軟さは、今の私にとって一つの救いに近かった。これで大人しく待機してろとか言われていたら、緊張と恐怖を持て余しておかしくなっていたに違いない。
「ところでお前、さっき自分にゃ自分の目的があるようなこと言ってたろ。ありゃどういうこった?」
かと思えば、急な話題転換。眼を瞬かせる私を見下ろすと、ヴィゴさんはもどかしそうに「さっき、鳥の上で言ってたろうが」と畳み掛けてきた。さっき、鳥の上……ああ、アクィラの背中での話かな。
私の目的とは、すなわちヴィゴさんを助けることだ。助けるというか、生き延びさせる? 要するに、生きてこの戦いから帰ってもらうこと。――なんて言えば、きっと怪訝そうな顔とかされて「人のことより自分の心配をしろよ」とか言われるに決まっている。別に隠したい訳でもないけれど、今ここで話すにはちょっと厄介な話題だ。何と言うか、エネルギーを使いそう。
よって、ここは三十六計ナントヤラ。
「まあ、それはまだ秘密って奴ですね。私にも色々と事情があるんですよ」
そう言うと、ヴィゴさんは眉間に皺を寄せた、露骨に不機嫌そうな表情で私を見下ろした。ものすっごく不満そうで、不服そうに。
「教える気はねえってことか?」
「ない訳じゃないですけど、今は話すに不適って感じですかね」
肩をすくめてみせると、ヴィゴさんは唇をへの字に曲げた後、ふいと顔逸らした。ああそうかい、と不貞腐れたような返事はあったけれど、それ以上の追及はない。こうやって何だかんだでこっちの意向を酌んでくれてしまう辺り、本当に人がいいよなあと思う。
そうだ、人がいいと言えば――
「そう言えば、聞きましたよ。王都を発つ時、ラファエルさんに約束させたんですってね。わざわざ北の約定術式とかいうの使って」
何でもない風を装って切り出すと、寸前までの渋い反応が嘘のような速さでヴィゴさんが背けた顔をこちらへと戻した。ぐわっと擬音語でもつきそうなくらいの、軽く仰け反ってしまうような剣幕で。そうして、苦々しげな顔をして「あんにゃろう」と呟く。
「喋っちまったのかよ、口軽過ぎだろ」
「口止めしなかったなら、まあ、仕方ないんじゃないですか。それより、なんでまた自分に利益のない見返りばっかり要求しますかね。あれじゃあ全然働かされ損でしょう」
ラファエルさんの要求を呑んで、ギルド経由で結んでいた私との契約を一方的に破棄。その上、一国を相手取って事を起こすような相手へと単身挑みに行く。その報酬が私の保護では、全然吊り合いが取れない。ギルドからの心証は間違いなく悪くなるだろうし、それ以前に命の保障だってないのだ。
思わず、ため息が漏れる。ヴィゴさんはそんな私を一瞥すると、まるで仕返しのようにこれ見よがしのため息を吐いてみせた。
「……なんです、その反応」
「お前がそれ言うか、って呆れてるだけだよ。お前だって同じことしてたろうが、前に」
「ええ? そんなことありましたっけ」
「あった。俺あ、しっかり覚えてんぞ。折角あのデュランベルジェの三男に言うこと聞かせられるってなったのに、あっさり他人の為に使いやがってよ。呆れるどこの話じゃねえやな」
あ、なんかぼんやり思い出してきた気がする……。ラファエルさんが相手となると、そもそも会談の機会すら数えられるくらいだし。たぶん、ラファエルさんが清風亭に来た時で、アルドワン家の騎士がどーのこーのって奴だ。
ああ、と私が納得の声を上げると、ヴィゴさんは更に不満そうな顔をして続けた。
「普通に忘れてんじゃねえよ」
「思い出すのにちょっと手間取っただけですって。――で、私にそうやって言っておいて、自分もやるとかどういう了見なんです? あの後に私がお説教された意味ないじゃないですか」
「あ? 前にお前がやって俺が文句言って、今回は俺がやってお前が文句言った。これで同じじゃねえか、別におかしかねえだろ」
……なんでこう、さも当然みたいな顔して言うんだろう、この人。
「一つ言えるのは、その理屈はおかしい」
「俺からすりゃ、お前のがおかしい」
「……」
「……」
「……この話、結論が見える気がしないんで、止めときましょう」
仕方がなしに軽く睨みあっていた視線を逸らし、息を吐く。
気付けば、意外に雑談に花を咲かせてしまっていた。警戒を怠っていたつもりはないけれど、そろそろ気を引き締め直した方がいいかもしれない。今のところ探索領域に足を踏み入れた敵の気配はないものの、どうせ時間の問題だろう。
「鬼が出るか蛇が出るか……誰が来ると思います?」
軽く深呼吸をして気を静めながら、話を変えるついでに問い掛ける。対するヴィゴさんは、未だ少しご機嫌斜めそうな表情ではあったものの、軽く辺りに視線を巡らせると、
「鎧騎士共のどっちかだろ。連中の飼い主は、一人で出てくるようなタマじゃねえ」
「どっちか、っていうと、エレメイさんの他にもいるんですか? ああいう人」
「あー、そうか、お前まだ知らねえんだったか。敵の本隊っつーか、死体の群れを率いてた奴がいんだよ。エレメイの奴と似たような鎧の、灰色の奴」
「へえ、やっぱり強いんですか」
「エレメイに比べりゃ格落ちって飼い主は判断してんだから、まあ、あいつほどの腕じゃねえんじゃねえの。それよか、問題はあの野郎が――」
突然ヴィゴさんが言葉を切り、一歩前に出る。右手に槍を握り直し、左手は私に背後へ動くよう促す。――その行動の示すところは、一つきり。
私の探索の術には、まだ何も引っ掛かっていない。ただ、ヴィゴさんは人並み外れて鼻が利くという。それで何らかの事態を察知したのかもしれなかった。
「……敵が?」
ヴィゴさんの背後に隠れるように移動しつつ、押し殺した声で問い掛ける。肩越しに浅い首肯が返されると、呑み込む唾もないのに喉が動いた。口の中がカラカラに渇いていることに、今になって気付く。
「いけすかねえ灰色野郎のにおいがする。ろくでもねえ飼い主の忠臣気取りの陰謀屋だ」
敵意の滲む、低い声。
その内容から察するに、接近しているのは先だって挙げられた候補の内の一人。灰色の鎧騎士。しかも、エレメイさんとは逆に人形遣いに組するもの。であれば、これまでのような小細工は通用しない。
「正真正銘、掛け値なしの敵って訳ですか。エレメイさんたちは無視して、直にこっちに来たってことですかね」
「じゃねえか? 何にしろ、来たならぶっ潰すだけだ。敵が奴だけなら俺が必ず止める。そうしたら、お前は逃げ隠れしてろ。もし手駒を連れてんなら、できる限りそいつらの数を減らしてくれ。ただし、無茶はすんな。生き延びることを第一に考えろ」
「……分かりました。お気をつけて」
答えると、それきり返事もなくヴィゴさんは歩き出した。
コツ、コツ、と固い靴底が石畳を叩いて進む。その靴音がいくつも鳴らないうちに、決して広いとは言えない探索領域にも一つ侵入する気配があった。詳しく探ってみれば、全身を甲冑で鎧った大柄な人影だと分かる。そして、それはヴィゴさんの言っていた通り、エレメイさんではなかった。
侵入者の移動速度予想以上には速く、ヴィゴさんがやっと泉から石畳の端までの半分の距離を進もうかというよりも前に、木々の間から姿を現した。実際に相対してみると、エレメイさんよりもいくらか細身であるようにも見える。或いは、陽光を受けて煌めく――いつの間にか、すっかり太陽は昇りきっていた――鈍い灰色の甲冑が、その色彩の分威圧感を軽減させて感じさせているのかもしれなかった。
息を詰めて見守る私の前で、ヴィゴさんは「よう」と場違いなほど陽気な声を上げる。まるで、よく知る友人を相手にでもしているかのように。
「何だ、今度は一人か。陰険なてめえのことだ、手駒でも連れてねえとビビって出張って来れねえかと思ってたぜ」
ただし、その内容は辛辣極まりない。露骨な挑発だ。
甲冑姿の騎士は素振りにこそ感情を表出させなかったものの、甲冑と同じ色合いの兜――その目元に刻まれたスリットの奥からは、爛々とした紫の光がこぼれ出していた。重厚な兜はほぼ完全に主の顔を隠しきっており、唯一その眼光と思しきものだけが内実を測る物差しに等しい。溢れる紫光は、主の憤怒を如実に表していた。
「戯言を。貴様の始末など、私一人で事足りる」
冷たい響きは静かな怒りを孕み、さながら切り捨てるにも似ている。
鈍色の鎧騎士はガシャリと重い音を立てたかと思うと、右手に握った剣を一閃させた。その途端に刃が届いていないはずの石柱が袈裟懸けに斬断され、地鳴りを起こしながら崩れ落ちる。私はギョッとして鎧騎士を見た。石柱を倒壊させた手腕ではなく、切り捨てた剣そのものに、驚かざるを得なかったのだ。
暗闇をそのまま切り出したような、艶のない黒剣。刃には、血のような赤色によって未知の文字が刻印されている。――それは、つまり。
「エレメイさんの剣……」
ぼそりと呟くと、鎧騎士の紫の眼光がこちらへ向いた。思わずギクリとすれば、露骨どころではない、凄まじく不快そうな声音が言う。
「これが奴のものだと? 馬鹿を言え、奴は一時借り受けていたに過ぎん」
とは言え、そんなことを言われたところで「はあ、そうですか」としか返せない。第一、そんな返事をわざわざすることもないだろう。大人しく沈黙していると、
「てこたあ、黒いのはてめえがやったのか」
そこはかとなく嫌悪感を滲ませて、ヴィゴさんは言った。対する鎧騎士は、平然として「そうだ」と嘯く。呆気ないほど明快な肯定に、内心で呆気にとられた。
エレメイさんが敵方に戻り、ラファエルさんと先生が劣勢に立たされる可能性は、予め皆が想定していた。けれど、この事態を誰が予想していただろう。まさかの同士討ちなんて。
主に対する忠誠心はともかくも、あの人は元ラビヌの騎士団長なのだ。これまでに何度もヴィゴさんが仕留めきれずにいたように、戦闘能力は折り紙つき。文句は言っていてもエレメイさんに目を掛けている風がなくもないように感じられた人形遣いが、そんなことを許すなんて考えてもみなかった。本当に本当なんだろうか。
……というか、だ。突き詰めて考えると、問題はまるきりそこじゃない。
真実エレメイさんが破壊され、剣を奪われたとして。その現場には、ラファエルさんと先生も居合わせているはずなのだ。それなのに、ここにはエレメイさんを破った人だけがいて、後の二人は影も形もない。何らかの不測の事態が発生して足止めを食らい、合流ができないだけ? それともエレメイさんがどこかへ誘引されて破壊されたから、現状を知らない? そうでもなければ……。
思い付く限り最悪の事態が脳裏に過ると、氷を呑み込んだような寒々しく空恐ろしい気分になった。――いや、後ろ向きなことを考えるのは止めよう。きっと二人は何らかの足止めを喰らっていて、それでまだ来れていないだけなのだ。そうなのだと、信じたい。
「奴をこれ以上戦場に置いたところで、百害あって一利なし。改めて調整を施さねば、今後の運用にも差し支える」
「何が調整だ」
吐き捨てる声に、ひそりと頷く。全くもって同じ心境だ。何が調整だ運用だ、人は機械じゃないんだぞ。
「ったく、てめえは心底気に入らねえ。――おら、とっとと掛かってこいや。エレメイの奴よりも使い出があるって証明してえんだろ? 俺を仕留められりゃあ、もしかしたら飼い主も少しはてめえを評価してくれるかもな」
言いながら、ゆるりとヴィゴさんは槍を構える。鎧騎士の眼光が、苛立ちを表すかのように揺れるのが見えた。
「減らず口を」
「ハッ、どっちがだ」
ヴィゴさんが歯を見せて獰猛に笑い、石畳を蹴る。その背中は銀の髪をなびかせて、一足飛びに鎧騎士との間合いを詰めた。
火の粉を散らし、穂先に炎を灯した朱い槍が奔る。まっすぐに胸を狙う穂先を、黒い剣は一瞬遅れて跳ね上げた。しかし、宙に浮いたかに見えた槍は、すぐさま翻るようにして再び叩きつけられる。歯の浮くような金属音が上がり、槍と剣が真っ向から噛み合った。息の詰まるような膠着――も、一瞬のこと。ヴィゴさんが更に圧し掛かれば、鎧騎士は耐えかねるように一歩足を引いた。それでも何とか踏み留まりながら受け流そうとするも、それでは遅い。
ガァン、と突如上がった派手な音は、鎧騎士の胴に見事命中したヴィゴさんの蹴りによって。ルーンの強化でも施されていたのだろう、鎧騎士の胴鎧は生身の蹴りを受けたにしては大きくへこんでいた。正面から直撃した蹴りの衝撃によって鎧騎士の剣は不安定に宙を掻き、腕が泳ぐ。あれでは反撃も防御も儘ならない。
それは、致命に近い隙だった。
「tyr」
鋭い一声が響き、深く引かれた槍が閃く。
耳を覆いたくなる破砕音に、反射的に目を閉じてしまいそうになった。辛うじて見届けることのできた視界の中に映ったのは、わずかに中心は外したものの、鋭い槍の一撃によって半顔を抉り取られるようにして吹き飛んだ兜。その主もまた無事とはいかず、耳から頬までが大きく削がれていた。炯炯と光る紫の眼だけが、憎々しげにヴィゴさんを睨んでいる。
露わになった面差しは、エレメイさんよりも少しばかり若く見えた。三十前後といったところか、いかにも剣呑な雰囲気で取っ付きづらい。短く刈り整えられた髪は黒みの強い灰色で、槍に灯る炎によるものか、所々が焦げていた。
ヴィゴさんは紫の眼光を真っ向から見返して、再び槍を振るった。首、肩、胸、そして頭。一呼吸で三突き、それが途切れることなく鎧騎士へと向かうのだ。エレメイさんよりもいくらか落ちると評された腕では捌ききるのも辛いのか、上手く剣を合わせて逸らすことで直撃こそ避けているものの、じりじりと鎧の端々が抉られていく。
「……てめえの腕で正面からエレメイの奴を殺すのは無理だな。後ろから刺したか、それとも飼い主の助けがあったか、どっちだ?」
ともすれば一方的にすら見える攻防の中、おもむろにヴィゴさんが口を開いた。その言葉が許しがたかったのだろう、鎧騎士の眼光が一際強さを増す。宿るのはいや増して燃える怒り……いや、憎しみか。
「んにゃ、後ろからってのもねえか。そんなんであの野郎がくたばるなら、俺がここまで苦労してねえ。第一、俺達があいつらと別れてから、そう長えこと経ってねえかんな。てめえの腕でその短時間に始末は着けられねえだろ。てこたあ、飼い主がエレメイも他の連中も相手してて、お前だけ除け者に弾かれて尖兵役ってか」
その言葉がまるきり本音なのか、あくまで敵の感情を乱す為の挑発なのかは分からない。ただ、効果の程は明白だった。眉を吊り上げて、鎧騎士は怒鳴る。
「黙れ、傭兵ごときが!」
怒号の直後、グシャリと嫌な音が上がった。風を裂いて突き出された槍を、鎧騎士は自らの片腕を犠牲にして受け止めたのだ。破損の拡大も厭わず、籠手ごと腕を貫通した槍を掴み取り、剣を振るう。
槍と剣。本来の間合いを考えれば、その刃が届くはずもない。
「ったく、その剣は訳が分からねえな」
なのに、ヴィゴさんは避けた。槍から手を離さないまま、半身に退くことで剣の軌道から身体を逃がす。
本当に、訳が分からなかった。そこまでの回避行動をとったというのに、ヴィゴさんの額と肩には一直線の傷が走り、じわじわと血を滲ませているのだ。出血具合を見る限りでは、掠めるよりも多少深い程度で済んだように見える。けれど、どうしても不安は残った。
何せ、その傷が発生した経緯が読めない。分からない。敷いたままの探索の術式でさえ、捉えることができなかった。かつてエレメイさんはあの剣を媒介に射撃を行った。今の持ち主はそれと異なり、斬撃を伸長させるとでもいうのだろうか。
「まあ、ちったあ骨がなくちゃな」
呟く声には、あるかなきかの昂揚。そう紡ぐ唇は、わずかに口角が上がっている。
悪い癖が顔を出したか、と一抹の懸念も覚えないではないけれど、時と場合はわきまえる人だ。まさか興じ過ぎて本来の目的を忘れるということもないだろう。
「urz!」
低く強く唱える声が聞こえるや、槍が大きく横薙ぎに振り抜かれた。槍を掴んでいた腕が宙を舞い、鎧騎士の表情が歪む。鎧騎士の片腕を斬り飛ばした槍は、相手が反撃に出るよりも早く更なる追撃に出た。赤い炎を纏った穂先は、吸い込まれるように甲冑の胸元を狙い――
『何をぐずぐずしている、エラスト』
聞き覚えのある耳障りな音声が響いたかと思うと、黒い荊に絡め取られた。
ち、と舌打ちをしたのは、果たしてヴィゴさんか。それとも、私だっただろうか。




