表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/14

第一章 会話不能

遅くなりましてすみません。

「ほう、これは珍しい……」

「いや、災いの象徴では……」


周りがなんだかうるさい。なんでゆっくり寝させてくれないの?それになんだか狭いし、布団は?


「ん……」

「っ!!起きたぞ!!」

「目も黒いとは……」


何だか騒がしい。

目を開けてみるとそこには広い広間だった。左右に段差の低い階段みたいになっていてそこにたくさんの人が座ってる。

そして真正面には同じような階段の先に立派な椅子に座っているおじさんがいる。左右にはインテリっぽい人と鎧を着た

でも、全部すこしぼやけて見えるのはなぜ?ん?壁?


「え?なにこれ!?」


私は今金魚鉢の大きいバージョンに入れられている。もちろん水も溢れんばかりに入ってる。

この扱いはなに?それにみんな周りの人の服、ひらひらしてて昔らくがきした中世の貴族っぽいような格好な気が……。


「ほう、目が覚めたか」


立派な椅子に座ったおじさんが話し出した途端、水打ったように広間が静かになった。


「あなた誰?えらい人?ここどこ?」

「お前は本当に人魚族のものか?」

「すべて無視ですかー?人魚族ってなに!?他に人魚がいたりするの!?」

「お主、レディという名だそうだな」

「いや、ちがうし!!人の話を聞け!!」


全く噛み合ってない会話が続き、もはや会話の成立は不可能だと判断してそうそうにあきらめた。

何やらまだ一人で会話を続けようとしているが、全て無視。仕返しだ、コノヤロ!!

それにしてもここ、日本じゃないっぽいよね?夢とか?でもさっきふつうに寝て起きたけど。異世界トリップってやつかな?それにしてもなんで人魚になる必要はないでしょ……。


「では、レディは王族の管理下とおくものとする」

「ん?」


どうやら話はまとまったらしい。何話してたんだろ?考えこむと周りのこと忘れちゃうくせ直した方がいいかな。

しかし、あんな会話無視の上司を持つと部下がつらいだろうな……。


「では、我の宮に……」

「お待ちください。陛下」


いつの間にか金魚鉢のそばに人がいた。

長い金髪の人。上から見下ろしてるから顔が見えない。またわけわかんない人が増えた。


「僕がレディを管理しますよ」


金髪は顔を見上げ、私の目を見てそう言った。

……もう展開についていけないのですが。誰か解説者を私に紹介してください。

王様は人の話は聞かない人ですが、宰相とはきちんと会話のキャッチボールができるみたいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ