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小説主人公の悪役令嬢の姉に転生しました〜モブのはずが第一王子に一途に愛されています〜  作者: みかん桜
本編

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51.事件の結末②

 前世からずっと酷いことを繰り返しているのに、悪い事をしている自覚がないなんてたちが悪すぎる。開放とか言っていたけど、ただ好みの男性と付き合っている女性に嫉妬しているだけじゃない。


 どこで間違えたかって? そんなの前世の中学時代に最初の被害者を脅迫しようとした時よ。それからずっと続けていたなんて……誰にも咎められてないってことよね? 自分の痕跡は一切残さずに犯罪を犯してきたなんて恐ろしすぎる。人を不幸にすることを楽しんでる気がしてならないわ。


「そもそも同じ転生者なのに私は男爵令嬢で、あんたは公爵令嬢とかムカつくのよね。リリーナなんて公爵令嬢じゃなければアルフレッドと結婚できないのに」

「私が公爵令嬢じゃなければ、なんて?」

「だから、公爵令嬢じゃなければアルフレッドと結婚できないって言ったの」 


 これって侮辱罪、よね? 今まで散々酷いことを言われてきたんだもの。ちゃんと罪状にいれたいわ。


「だから私を狙って人攫いや馬車を襲う人間を雇ったの?」

「それはアルフレッドを解放するのが目的よ」

「違法薬草で私の意識を……違うわね。致死量を摂取させたのは私がムカつくから?」

「それはそうね。リリーナが公爵家じゃなければそこまでしなかったかもしれないわ」


 人攫罪と殺人未遂罪。私に対してはこれくらいかしら? 公爵家ってあなたが思っているほどいいものでもないのに、たったそれだけの理由で私は命の危険に(さら)されたなんて。


「でもだからってわざわざ薬草を手に入れるなんて……私のために労力を使ったのね」

「言ったでしょ、森に入れば悪いやつなんて簡単に見つかるって。どの世界にも、お金さえ手に入れば何でもする人間なんてたくさんいるのよ」


 そこは男爵の手を借りなかったのね。基本的に人を使うのに、前世の同期の方やアルフレッド様相手には自分で動いたのは、それだけ執心していたってことかもしれないわ。


「だから闇市であの薬草を使った媚薬を売っていたのね。人を雇うのにはお金が必要だから」

「そうよ。貴族令嬢がバイトするわけにはいかないでしょっ」


 あなたなら平民って言ってもバレない気がするけど。あの元娼館は無管理者だから不法侵入にはならないし、後は違法薬草の取引と所持を罪にするくらいかしら?


「そういえば……メアリーは利用するために近づいたの?」

「当たり前でしょ。声をかけてきたのは向こうだけどね」

「制服とか私の誕生日パーティーの日のこととか、上手くメアリーを誘導したのね」

「メアリーを動かすのは簡単だったわ。ちょっとビビらせればいいだけだったから」


 この件はあまり突っ込まない方がよさそう。お兄様はメアリーは脅されていただけだってことにしたいみたいだし。


「最後にもう1つだけ。入学式の日に私にぶつかってきたのはなぜ?」

「あぁ、あれ? 式でアルフレッドが生徒会長として挨拶してたから、生徒会室に行けば会えると思ってウロウロしてたのよ。そしたら出てくるのが見えて……ぶつかるって王道でしょ? ミスってリリーナにぶつかっちゃったけど。でもいかにも悪役令嬢なあなたを見て、私が主人公の世界だって確信できて嬉しかったわ」


 リリーナからアルフレッドを守りたかっただけなのに。次の作戦を考えなきゃ。ってブツブツと言っているけれど、あなたに次はないわよ? それに守りたかったんじゃなくて、奪いたかったの間違いでしょ。


 しっかり反省してもらうから。


 警察騎士達にアイコンタクトを送り、そろそろ出てきてもらいましょう。


「ウィリアムズ公爵令嬢、ありがとうございます。あとは私達が引き継ぎます」

「えぇ。お願いするわ」

「は? あんた騙したのねっ!!!」


 警察騎士がいた事に気付いたルーシーに掴みかかられそうになったけど、騎士達のおかげで問題無く部屋を出ることができた。転生あたりの話は、何を言っていたのかよく分からなかったと後で伝えておきましょう。


 にしても、本当に理解できなかったら良かったのにって思うくらい、前世の話が重すぎるわよ。生きてあっちで捕まってほしかったわ。


 その後騎士達の尋問で薬草の購入や媚薬の売買、私達への罪に関して男爵夫妻は一切関与していないことが分かった。人身売買については男爵が王城に着き次第尋問するそう。ただ、本人が認めたとしても相手が平民だし、お取り潰しからの平民落ちが一番重い罰みたい。



「ルーシー・ホワイトは、北地の修道院に送られることになった。本当にそれでよかったのか?」

「はい。私は死ぬよりも生きて罪を償ってほしいので。それにその修道院はこの国で一番寒い場所で、外出も本当に更生しなければできないようなところなんですよね?」

「そう聞いている」

「ならそこで反省してほしいです」



 ルーシーが修道院に送られるのは小説通り。ちゃんと更生して、これからの人生、もしくは来世ではまともな人生を歩んでほしい。


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