39.事件の調査②sideレオニール
「質問が多すぎて何から話せばいいか分かりません」
「ホワイト男爵令嬢と接点を持った経緯は」
「学園でお姉様に絡んでいるルーシーを見かけて声をかけました」
「メアリー、全て包み隠さず話すんだ。お前を見捨てると言ったのは脅しではないぞ」
泣き真似をしても無駄だ。むしろ俺は今まで何故この嘘泣きに騙されてしまっていたのだろうか。今となってはメアリーを溺愛していた自分が理解できない。リリーナの方がちゃんと会話ができるし、公爵令嬢としての立ち振る舞いも完璧で、周りの人間に愛されているというのに。
「お、お兄様……今日はいつも以上に怖いのはお姉様のせいですか?」
「何度も言わせるな。質問に答えろ。何故リリーナに絡んでいるからと声をかけたんだ」
「……つ、使えると思ったからです。お、お母様に相談したらルーシーが利用するに値するか調べてあげると……言ってくださって……」
それで母上は男爵家を調べたのか。しかも俺や父上にバレないよう実家の人間を使って。まぁ、すぐに連絡がきたけどな。
「それで?」
「昔、男爵夫人が違法薬草を購入した履歴が出てきたと……それでお母様が、平民出身の夫人が男爵家に嫁入りできたのは、その薬草の媚薬効果を使ったはずだって……だからルーシーを手駒にして調べさせようって」
「薬草を殿下に使えば結婚できると思ったのか」
「そ、それはルーシーに言われました」
なら母上は調べてどうするつもりだったんだ?
「母上はご存知なのか」
「アルフレッド様に……ルーシーが使おうって言ったことは話していません」
さっきから人のせいにばかりしているな。やはり母上の考えも聞いておこう。メアリーと話の途中ではあったが、母上もこちらへ来てもらうよう手配した。
「よく話題にしていた話は?」
「基本的にお姉様とアルフレッド様の話ばかりです」
「例えば?」
「えっと……あっ! ルーシーはよくアルフレッド様をお姉様から助ける。と、言っていました」
助ける? そう言えばリリーナも同じ事を言っていたな。
「リリーナの誕生日パーティーでの件は誰が考えた?」
「ルーシーです。私はお金を渡したのと、使用人の服を用意しただけです……お、脅されたので」
「それで殿下に媚薬を盛り、襲うつもりだったのか」
「わ、私は部屋で休んでいただけです」
「客室でか」
「……は、はい」
追求したところでもう罪には問えないし、リリーナのためにも、公爵家のためにも、妹は男爵令嬢に脅されたということにしておこう。
「人攫いの件は?」
「本当に何も知りません。昼間に話した内容が全てです。……知らなかったので学園で確認するつもりでした」
ホワイト嬢がまだ自分の手駒だと思っているのか。
「他にはどんな計画を立てた」
「たっ、大したものはないです。同じ制服を用意したり、お姉様の予定と合わせてタウンハウスにルーシーを招待したり……でっ、でも! 全部ルーシーが計画してっ、わ、私は脅されただけです!」
「なるほど。母上が男爵家を調べたことを怒ったホワイト嬢が、メアリーを脅していたんだな?」
はい、としか言えない空気を出しメアリーに問いただす。
「そ、そうです」
「分かった」
だが、メアリーはまだ事の重大さを分かっていない。リリーナに会わせてみるか? それでも何も分からなければ、考えを変えよう。




