28.対ルーシー
パーティーが無事に終わり招待客を見送ってから会場に戻ると、お兄様とアルフレッド様、アマンダとアンナ、そしてルーシーが残っていた。
「彼女と話をしてきます」
「私も行こう」
「いえ。私にお任せください」
ルーシーは男性、特にアルフレッド様の前では絶対に本性を出さないから、何を言われようと待っていただかなければならない。
話し合いの結果、アルフレッド様もお兄様もルーシーと二人きりになることは許してくださらず、私も彼女の本性を知っているアマンダとアンナには付いてきてもらいたかったので、4人で話をすることに。
それに、ルーシーは私が転生者だと気付いている。ボロを出さない為にも二人には側にいてもらいたい。
「では、私は使用人の話を聞いているダニエル達の元へ行こう。メアリー嬢はレオニールに任せた方がよさそうだしな」
「承知しました」
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こうして3箇所に分かれて話を聞くことになった私達は、ルーシーと共に客室へ移動した。
ルーシーと対面のソファーに、私を真ん中にして3人並んで腰を掛ける。
「まず聞きたいのですが、どのようにして邸内に入ったのですか?」
「メアリーよ」
「私はどのようにしてと、お伺いしました」
「メアリーに頼んだの」
ムカつくわね。メアリーが絡んでることなんて聞かなくても分かってるわよ。
だめだめ、冷静に話さないと。
「今回は多くの貴族の方が来られましたし、通常より警備を強化していました。招待状もなく、身元の分からない者は中に入れないはずですが」
「だからメアリーに頼んだって言ってるでしょ」
「そうですか」
違う切り口から攻めてみましょうか。
「そう言えば、うちのメイド服を着ている姿を見たのですが」
「あぁ。見てたのね」
「なぜメイド服を?」
「さぁ? どうしてだと思う?」
「メアリーの雇ったメイド、に扮していたとか」
ルーシーは何も答えず、鼻で笑ってきた。当たりね。
「それで、なぜ私のドレスを着ているのかしら」
「ドレスを持ってきてないからよ」
いやいや、答えになってないから。
「メアリーに借りればよかったのでは?」
「だってメアリーの服だとさすがにアルフレッドが気付いちゃうじゃない。あなた達姉妹、匂いが違うんだから」
どういうこと?
「例え私のドレスを着ていたとしても、アルフレッド様が私とあなたを間違えるわけないわ」
「ふっ、何も分かってないのね」
メアリーが薬草をアルフレッド様に使おうとしていた、それ以外にも何かあるの? もしかして、ルーシーはメアリーを裏切るつもりでいる?
「メアリーと協力関係だと思っていたのは私の勘違いでしたか」
「好きに取ればいいわ」
*
*
「あまり有益な情報は手に入らなかったわね」
いいえアマンダ。結構な情報が手に入ったわよ。
「とりあえず皆様と合流しましょう」
夜も遅かったため、もちろんしっかりと監視をつけた上ルーシーにはそのまま客室を使ってもらうことにし、私達はみんなの待つ談話室に移動した。




