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17.兄は味方?

 アルフレッド様に気持ちを伝え、アルフレッド様からも伝えてもらい、幸せな気持ちで公爵家のタウンハウスに帰ると、メアリーが友人を家に招いていた。


「あの子と友人になってくれる令嬢がいたのね。どんな方か、アンナは見た?」

「いえ。私はお見かけしていないのですが、確かホワイト男爵家のルーシー様と言う方だそうです」

「えっ!?」

「ご存知なのですか?」

「ええ。まぁ、ね……」


 メアリーとルーシー。あの二人が友人?


 同じ学園ではあるけれど、クラスは……あら? ルーシーは首席だと知っているけれど、メアリーってどれくらい勉強できるのかしら?

 仮にクラスが同じだとしても、あのプライドの高いメアリーが、首席の男爵令嬢と友達になるなんて絶対におかしい。何か企んでいそうね。


 でもアルフレッド様の手は煩わせたくない。アマンダに話したら殿下に報告って絶対言われるわよね……。


 レオニールお兄様に相談しようかしら? 男爵家なんて眼中にないだろうけど、侯爵家のアマンダの家ですら調べていたお兄様のことだ。メアリーの友人となれば彼女の家を徹底的に調べるでしょうし。


 なにか有益な情報が出てくるかもしれないし、早々に調べてもらいましょう。



 コンコン


「お兄様。少しよろしいでしょうか」


 側近の仕事を終え、タウンハウスに戻られたお兄様の執務室に早速出向いた。


「リリーナか。入れ」

「失礼します」


 執務室のソファーに対面で座り、メアリーとルーシーの事を報告すれば早速調べるとおっしゃってくださった。結果が出たら共有してもらおう。


「そういえば、今日学園で何かあったのか?」

「っ! お兄様の耳にも入っていたんですね」

「詳しくは知らないが。聞かせてくれ」


 ルーシーに絡まれたこと、お兄様にまで報告が行くと思っていなかったわ。


「……それは、今メアリーの友人としてこの家に来ている令嬢と同一人物か?」

「はい」

「なぜそれを早く言わない」

「申し訳ありません」

「まさか……はぁ。私は学園から戻られたアルフレッド様の機嫌が物凄く良くて、いつもの倍以上の速さで執務をこなされていたから、リリーナと何かあったのではないかと思っただけなのだが」


 あっ、そっちか。報告すべきなんだろうか。


「あの実は……」


 アルフレッド様に気持ちをお伝えしたと報告すれば、まだ伝えていなかったのか、とほんの少し目を見開いたお兄様。私の気持ちは隠しきれていなかったのね。


「私が男爵家と令嬢のことを調べ終えるまで、その令嬢とは接触しないよう気をつけておくんだ」

「承知しました」

「念の為、メアリーにも気を付けておけ」

「……は、はい」


 まさかお兄様にそう言われるなんて思いもしなかった。


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