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短い旅行

投稿が遅れてしまい申し訳ありません。

投稿日をてっきり今日と勘違いしてしまい…申し訳ありません!次回の投稿は来週、金曜日になります。

青い空、青い海、青い花!

夏を涼しげに彩る青。

そんな色に塗れたここは、夏の避暑地のようだ。

事実、気温こそ変わらないものの、涼しげな雰囲気漂うこの場所は貴族…特に資産を多く所有する者たちに人気な避暑地だそうだ。暑いは暑いけど、気分というものも大切だろう。


なのに……


「なーんで来ちゃったかな……レイ」


ひょこっとテラスの柵から顔を覗かせたレイは、景色を楽しみたい私にとって邪魔以外の何者でもない。やめてほしい。


「早いよ。まだ時間あると思っていたのに、ここにきてから一週間で捕まるなんて。」 


やめてほしい。こんな早く来るのもそうだが、景色を楽しんでいるところに不意打ちでこう登場されては、心臓に悪い。油断し切っている時は驚きも何倍にも膨れ上がるのだ。やめてほしいな。


「逃げたいところなんだけど、どうせ逃がしてくれないんでしょうね。」


未だ無言で見つめてくるレイ。そろそろ、このバカンスも終わりなのだろうか。無言の圧を送るレイを呆然と眺めながらそんなことを思う。そろそろ発言してはくれないだろうか?前世、どちらかというと陽キャではなく陰キャに限りなく近い存在であった私にとって、こうやって沈黙の時間を過ごすのはすごく気力を使うのだ。


「そうだね、そろそろ捕まえたいところだけど……」


二階建ての建物の一階の庭園を眺める形で設置されたテラスの柵をよじ登り、こちらへレイがやってくる。


「君は逃げるんでしょ?」


何回捕まえても。


そういった瞳はぼんやりと薄暗く、濁っているように見えた。メンタル強そうなレイのことだから、冷たく接してもいいかなと無意識のうちに思ってしまっていたけれど、これ、かなりこたえていたんだろうか。今まで起こったことの大半はレイが悪いとはいえ、そこは…そう、そこだけは申し訳なく思うような。いや、思わないような。


「はぁ」


しかし、何と返せばいいかなどわからず、変な返事になってしまう。

そんな様子を気にもせずレイは続ける。


「じゃあさ、君の故郷の国に帰ろうか。」


そして、思っても見ないことをレイは告げたのだった。



「え?」


「婚約者としてなら連れて行ってあげるよ。」


一瞬、無条件に帰してくれるのかと思った期待を返してほしい。だろうな……レイがそんな簡単に離れることを許してくれるわけがない。

だが……これはかなり良い条件なのではないだろうか。レイのいる国も私のいた国も、一夫一妻制。

婚約者がいる者は普通は異性とあまり交流を深めることはよしとされない。だが、ここは乙女ゲームだ。

逆ハーレムなんて言葉が前世に存在していたぐらいなのだから、少しぐらい許されるだろう。きっとそうだ。うん、そうということにしておこう。


「いいですよ。国に帰ります。」


そうして、逆ハーレムルートへと軌道を戻すことに成功したのだった。

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