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さては…?

「おかえり!シア!」


あらすじ、レイが満面の笑みで出迎えてくれました。


……どういうことですか?


転移したならどこかの王国だとかに飛ばされる…だとか、とりあえず元の居場所に戻されるだなんてことはないと思ってたんですよ。

それなのに、元の場所に戻ってきているとはこれは一体。

これじゃあ、ただ謎の空間を介しただけで、ただの散歩じゃないか。


レイの笑顔などそっちのけで考えに耽る。考えというかはただ怒りに呑まれているといったほうが正しいかもしれない。


ここまでレイから離れられないとは……


と、いくら経っても反応を示さない私に痺れを切らしたのか、レイがばっと腕を掴んでくる。


「おかえり?アリシア。」


それはそれはいい笑顔で私の顔を覗き込んでくるレイ。

その目は暗く、光がない。

笑顔なはずなのに、なぜか背筋が凍るんですが。


「ただいま帰りました…?」


私が返した言葉がなぜか疑問形になる。それも仕方なし。

レイが無言の威圧をかけてくるせいなのだ!


腕を掴まれ連行された先は先ほどの牢…じゃなくて普通の客室だった。

というか、ここは森ではない気がするのだが。

ドアの前には護衛?のような大男が待機していて、監禁状態には変わりはないんだけれど、窓から見える景色は森ではなく、高い高い塀に囲まれた庭が見えた。


花々が咲き乱れ、低木が綺麗に整えられた様はまるであの場所で見た幻想的な雰囲気の景色を思わせる。というか、あの場所で見た花とここにある花は限りなく似ていた。なぜだろうか。

この監禁状態の身ではそれを突き止めることなどできないので、頭を振って考えをかき消した。


コンコンッと小気味良い音を立てて扉をノックする。

すると、キィと扉が軽く軋む音を立てながら開き、目から鼻にかけて斜めにつけられた傷痕の目立つ大男が顔を覗かせた。


「…しょうか。」


「はい?」


「…なんでしょうか。アリシア様。」


さてはこの男、人見知りだな!

外見とのギャップに内心ニヤニヤと嫌な笑みを浮かべながら口を開く。


「ここってどこなのか聞いてもよろしいかしら。」


また監禁されてしまったのに加え、何をすれば良いかもわからない以上、ここは現状把握あるのみ!

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