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新たな攻略対象者の元へ…って辿り着ける自信がありません

「しらばっくれても無駄だよ。そんな重要なこと、何故黙っていたのかな?」


にこりと微笑んで背筋の凍るような声音でお父様が言った。

普段は穏やかで少し気弱な感じなのに、なんなの!?この覇気は?

そこまで私、問題行動を起こしていただろうか……?

確かに、突然婚約を突きつけられるのは驚きでしょうけれど!私は何もしていないのに……


「私でも何が何だか。一度お会いして話しただけなのですが、婚約を申し出ていただいて、困惑しているのです。」


本当に事実しか述べていない。

婚約だなんて逆ハーレムに邪魔なものだし、そもそも攻略対象者でもないイケメンに興味は……ないとはいえないけれど、私は一人の人に絞るつもりはない。

当の本人が当惑していることを、問い詰められてもなにも言えない。


「そうか…まぁ、その件は自分で対処しなさい。私は関与しないよ。」


まるで私が原因だとでも言いたいようにやれやれと肩をすくめるお父様。

理不尽すぎやしませんか……


「それは置いておいて、ここに訪問した節を述べても?」


そんな事情聴取の間に適当な訪問理由を思いつき尋ねてみることに。

返事の代わりに首肯が返ってきたので、続きを話す。


「王城の外に出かけたいのですが、外出許可をいただけますか?」


王城の外に出る、それは一見私の目的に無関係に思えて、実は無関係ではない。

けれども王城の外に出るのは父の庇護から一時的に離れるということ。

そこは貴族令嬢。そう簡単に、ましてや単独、無許可で外出することはできない。しかも公爵令嬢にもなれば、身分も高いので色々と危険がつきまとう。そのため、許可を得ることが必要だったのだ。

幸い、お父様は快諾してくださり、無事次の日の外出許可が降りたのだった。


向かう先は城下町。

イベントを起こしに行こう!


「こんにちはお嬢ちゃん。串焼き、焼きたてで美味いよ!買っていかないかい?」


「そこのお方、占いに興味は…」


「あらまあ可愛いお方、この装飾品が似合うんじゃないかしら!どう?買っていかない?」


だめだ。これは攻略どころではない。

3人目の攻略対象者に会いに出かけた城下町。

あることをしてイベントを起こさなくてはいけないのだけれど……

ろくに庶民に見えなくもないような、質素な服を持っていなかったからか、手持ちの中でもシンプルなものを選んだものの、貴族令嬢然とした見た目の私に人が……


いいカモだとか、思っていらっしゃいます?

残念ながら、世間知らずなお嬢様なんかじゃありませんから!こっちは社会に揉まれて生きてきた前世持ってるんですよ!


串焼きはあきらかに焦げてるし


占いは、見てみるとくじを引かせているだけ



装飾品といっても安っぽい宝石もどきを売っている


これで騙せるとお思いですか?

あぁ……城下町、ここまで治安が酷いとは思いもしていなかった。

そもそも、攻略どころか、攻略対象者の元へ辿り着けるんだろうか……

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