プロローグ
この物語は、現在投稿している作品「どうやら、逆ハーレムは無理なようです。腹黒ヒロインは逆ハーレムを目指していました。」の訂正・作品内容を見直し再投稿したものです。改めて連載していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。次回は2/26投稿予定です。
「お待ちください、オルデア様!」
空一面に広がった宵を燦然と輝く星々が飾る。
涼やかな風が開け放たれたテラスからそよぎ、ふわりとした髪をさらっていく。
そんなどこか幻想的な光景が広がる空のもと。
まるで人々の喧騒などはじめからなかったかのような苦しいほどの静寂が二人を包む。
「あなたがそんな人だなんて思わなかったよ。」
静寂を破って放たれた言葉。
それは、ひどく凍え切っていて……
どうして……
何故乙女ゲームのヒロインである私が攻略対象者に拒まれているわけ!?
その言葉を受け少女は、拳を固く握りしめる。
その愛らしい顔立ちとは裏腹に、今はその顔は悔しさに歪んでいた。
冷え切った視線を向けてくる目の前の青年は乙女ゲームの攻略対象者のひとり。
今、ヒロインである私はその攻略対象者に完全な拒絶の態度を取られていた。
意味がわからない。私はなにもしていないっていうのに……!
これも全て、規格外な人からの横槍が入ったせいだ!