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攫う黄金の月と夢の路

作者: 瀬戸田

序盤はポエムくさいので、苦手な方は流し読みをお願いします。


夢路ゆめじ

 ゆめぢ、夢の中の道。特に夢の中で恋しい人のもとに通う道。また、夢に見ること。夢のみち。夢の通い路。『精選版 日本国語大辞典』



 朧月夜の時、彼女は夢を見ていた。

 見覚えのない、現実では春だというのに真夏の青空、自然の多い道路。乾いた土。

 見事な田舎。人は全く居ない。照りつく陽射しが眩しい。

 アスファルトの道路に、彼女は居る。足元にある不自然なものに気付いた。

 水溜り。

 乾いたアスファルトにぽつんと一つ。逃げ水にしては近過ぎる。

 しゃがみ込み、水溜りを覗き込む。水色なのかと思ったら、深い青が顔を覗かせる。深い、深い。

 気付いたら水溜りに落ちていた。頭上には水溜りの形をした光がある。下は色濃い青が、水草が揺らいでいる。魚の気配はなかった。

 小さな泡が列をなして下から上へと逃げていく。反対に身体はどんどん沈む。息は苦しくない。

 何十メートル沈んだのか。ぼんやりと水底が見えた気がした。もう光が通らなくなりつつある。

 足が地面についた。

 その時には、水中に居た筈なのに、地表に突っ立っている。身体も濡れていない。

 山深い場所、見覚えのない場所。そこにぽつんと彼女は居る。山の僅かにひらけた場所に一人。


 夢から夢へと移ってしまった。


 頭上には見事な黄金の月。夜の景色だというのにちっとも暗くない。

 しんとした世界に立ち尽くす。途方に暮れて、大きな満月を見上げる。


「嗚呼、なんということだ」


 低い声がその場に響いた。男の声。動揺した、掠れた音。彼女は驚いて振り返る。

 一人の男がいた。黒い髪、金色の瞳、端正な顔立ちが驚愕に染められている。


「黄金の月よ、路を繋げて夢見る娘を攫ったか」


 輝く金の瞳は瞠目して、男は恐る恐る彼女へ近づく。


「貴方は……?」

「貴女は……」


 距離が縮み、男は目の前に。ゆっくりと筋張った腕が伸びて来る。彼女は逃げなかった。

 現実感のない、夢だから。

 かさついた掌がそっと彼女の頬を包んだ。夢なのに、暖かい。


「俺はヴラディア。娘よ、貴女の名を知りたい」

「……私は小夜子」


 縁が繋がった。



* * *



 現代日本の何の変哲もない日常を終え、小夜子が夢見ると深くへ引き摺り込まれる。夢のそれは海であったり、湖であったり、水辺が多い。あっと思った時にはもう遅く、溺れるように沈んで行き、彼女は夢から攫われ、夢の大地に降り立つのだ。

 そして黄金の月の下にヴラディアという男が待ち受けている。艶やかな黒髪の、暗闇でも輝く金の瞳の男は、一目から小夜子に心奪われたらしい。真夜中の邂逅をするべく、まめまめしく町から山へ登ってきていた。

 小夜子は夢から夢へ、黄金の月が攫ってきたのだという。理由は分からないが、時折そのような事態が起きるらしい。ヴラディアはぼんやりと夢見心地の小夜子に説明する。


「夢の路を繋げた月……?」

「そう、この月の光が色濃い真夜中だけ、貴女は来てくれる」

「私は毎日のようにこの夢を見ているのに」

「夢だから、曖昧に時が過ぎる。貴女の夢の総ては朧だから」

「そんな中待つヴラディアは大変ではないの? 此処は、貴方には現実なんでしょう?」

「俺は多くの暇を持つ身だから苦ではない。サヨに逢えない方がつらい」


 男の掌はずっと彼女の手を握っている。逃さぬように、夢から醒めぬように。ぼんやりとした彼女が消えぬように。

 夢の中の小夜子は、その暖かな男の掌を受け入れていた。


「サヨの世界の月は大人しい」

「ヴラディアの月は惑わすのね」

「太陽は?」

「この世界の太陽を見たことがないから分からない……」

「……そうだったね」


 山の野辺と月しかない、しんとした世界で二人は語らう。何度も夢見て、何度も出逢う。

 ひたむきな男の態度に小夜子は絆されて、惹かれてゆく。真夜中の山深い場所へ何度も通い、小夜子を待つ男の姿に。求めるように手を握る愚直さに。


「サヨ、もっと長く此処にいて。もっと夢の路を辿って、私の元に来て欲しい」

「ヴラディアの世界をもっと知りたいのに、すぐ目が醒めて、むつかしくて、悲しませて、ごめんね」


 黒髪が揺れる。僅かな逢瀬を何度重ねても足りないと金の瞳は語っていた。

 手を握るだけ、語らうだけ。


「……少しでも、此処に居たい?」

「居たいよ」

「なら、俺のことを信じて。サヨは月の光を浴びた甘露を呑むんだ」


 躊躇して、それでも長く傍に居たいヴラディアは方法を伝える。山に自生する月乃草に、夜露が降りたものを少しずつ口にするのだという。夢の季節は秋口になっていた。

 ヴラディアは月乃草を摘み取り、まるで花束のように纏める。そして瑞々しいその緑を小夜子に差し出した。


「受け取って、サヨ」


 金色の瞳は雄弁だった。抑え込んだ情熱が浮かび、焦がれるように、期待するように、懇願するように小夜子を見つめている。

 男の希求に小夜子は弱くなっていた。そっと夜露を浴びた月乃草を受け取り、葉にある小さな雫を唇と舌で吸っていく。

 その動きをじっと見て、ヴラディアはうっとりと呟いた。


「好きだ」


 しんとした山でも聞き取れぬ程の小さな声に、小夜子は草の束から顔を上げた。ぼんやりと、けれども不思議そうな顔の小夜子に、ヴラディアは微笑む。


「これで、少しずつこの世界に居る時間が延びる筈だ」



* * *



「小夜子ー、何か雰囲気変わった?」

「うん? 何もしてないし……分からないや」

「なんだろう、何か変わったよ」

「そうかなあ」

「そうだよ」



* * *



「最近付き合いが悪過ぎるぞ、ヴラディア」

「飲みにも来ない、家にも居ない、山ばっかりだ」

「悪いな。なあ友よ、少し頼みたい事がある」

「まあ、良いさ。何が欲しい?」

「山小屋を建てたい」

「……山ばっかりだな。まあ冬も近くなるし、山籠りするつもりなら必要だな」



* * *



 あちらの世界は時の巡りが早いらしい。小夜子はこの夢を見ている時、何時も同一の白い衣服を纏っていたが、ヴラディアの服装はどんどん着込んで行くのだった。

 夢の世界の秋の終わり、季節最後の夜露を呑んだ小夜子を男はじっと見詰めていた。


「近くに小屋を建てた。これから寒くなるから、そこで過ごそう」


 山を降りたら町があるという。しかし軽装の小夜子を夜の山歩きをさせる訳にはいかず、そして移動にも時間がかかる。

 その妥協が山小屋だった。ヴラディアの財力と行動力に驚いた小夜子だったが、手を引かれ、彼に導かれるままに小屋へと入って行く。


「そんな薄い格好で寒くないのか?」

「寒さは感じないよ。何も」


 薄着の小夜子はヴラディアの手を見やった。


「だけど、ヴラディアの手の温かさだけは分かる。夢だからかな」


 小屋の扉を閉めた男の動きが止まる。何拍か経ってから、ヴラディアは息を吐いた。


「そんなことを言われると、抱き締めたくなる」

「そうかな」

「そうだよ」


 何かを誤魔化すように、さっとランプに火を着けたヴラディアの瞳が光っていた。

 小屋は真新しい木の匂いが充満する慎ましやかな作りのものだった。戸棚と机と四脚の椅子、小さな暖炉、そして寝台だけ。調理など作業が必要なものは外で行うようだった。

 新品の小屋の内部や設備を説明してもらった小夜子は、ヴラディアと並んで椅子に腰掛けた。


「サヨがこの世界に居る時間が少し長くなった」

「そうなの?」

「少しだけだけど、それでも俺は嬉しい」

「そっか。もっと夜露を呑んだ方が良いの?」

「それは季節的にもう無理なんだ。あとはこの世界の食べ物を食べることでやるしか無い。月乃草に着く夜露程効果は無いらしいから、あまり期待は出来ないけど」

「食べ物。どんなものがあるんだろう。楽しみ」

「食べることは好きかい?」

「うん、好きだよ」

「……そうか、好きか」


 小夜子が微笑むと、ヴラディアもつられるように微笑んだ。そして彼女の手を握る。


「もっと、此処に居て。美味しいものを持って行くから」

「うん、大変なのに、ありがとう」



* * *



「小夜子、やっぱり雰囲気変わったよ」

「そう?」

「なんか、消えそう」

「えー、消えるの?」

「あれだ、儚い感じ、薄っぺらい感じ」

「ぺらぺら?」

「紙ほどじゃないけど、なんか消えそうだよ」

「怖いこと言うなあ、もう」



* * *



 小夜子の世界で漸く立夏を迎えた頃、夢の世界では真冬となっていた。山深いこの場所は雪が良く積もる。ヴラディアは毛皮を使った外套でもこもこに着込み、小夜子を何時も待っている。

 そして小夜子を迎えたら手袋を脱ぎ、素手で手を握るのだ。相変わらず寒さは感じないが、ヴラディアの体温だけは分かる。

 山小屋は暖炉で暖かく、男は外套を脱ぎ薄着になった。静かな空間は薪がパチパチと爆ぜる音が良く響いた。


「暖炉の余熱で水とか料理を温めるんだね」

「そうだ。サヨは暖炉が身近じゃないんだな」

「うん、火も身近じゃないかも」


 電気コンロ、エアコン、電気ストーブ、それらを思い返して小夜子は頷いた。そんな彼女に男の黒髪ぎ揺れる。


「貴女は何処のお嬢様?」

「庶民なんだよ。ただ、生活自体、便利が過ぎて……」

「サヨの世界は時々、高度過ぎて神の世のように思えるな」


 金色の瞳が切なそうに細まった。


「俺の世界を俺から知って、野蛮だと思ってしまわないか?」

「そうは思わない。ヴラディアが野蛮なら、どうして私は今もずっと一緒に居るの? 野蛮だったら無理でしょう?」

「……なら、良かった」

「それに、この料理も美味しそうな匂いがする。良い文化だと思うよ」


 乾燥した野菜を戻してミルクを多く入れ、スープにしたもの。塩と香辛料で味を整え、そこにチーズも入れて、具沢山だ。それは食欲を唆る匂いを漂わせていた。


「ああ、あともう少し煮込んだら完成だ」

「私の世界だと、これはシチューって呼んでるよ」

「そうか。こっちだと、冬のミルク煮込みスープだな」

「なるほど、名称の適切さはそっちの方だね」

「そのまま過ぎるだけだろう」


 食器を戸棚から出して机に置き、用意をする。冷えるから、と食中酒もホットワインに決めている。

 穏やかな雰囲気の中、出来上がったスープを二人で頂く。


「美味しい」

「良かった」


 暖炉の熱と料理の熱で暑くなったヴラディアが更に薄着になる。シャツ一枚になった男は身軽になる。

 食後のホットワインにはシナモンを入れて更に身体が温かくなるように、冷えないようにしていく。


「私も暑いような気がする」

「そうか」

「靴脱いでも良い?」

「……駄目。家族以外の者に素足を見せてはならないからな。恋人で、ギリギリだ」

「そうなの? 不思議」

「そうだ」


 ホットワインを飲み干した小夜子に、ヴラディアはそっと近付いて手を握る。挑発するような乞うような眼差しを彼女へ向けた。


「俺に素足を見せてくれるのか?」

「……まだ駄目かな」

「……そ、そうだよな」

「だってまだキスすらしてないし」


 小夜子の手を握る力が強くなった。息を呑んだ男が目を瞠っている。夢見心地の小夜子がするりと言った言葉に、ヴラディアは撃ち抜かれて動悸が激しくなる。

 じっと耐えて待っていた機会だった。


「……して良いのか?」

「あー、して良いんじゃないかな」

「曖昧に言うな」


 文句を言ってから、男は照れて誤魔化す彼女へ顔を近付けた。

 唇が重なり、ワインとスパイスの味がした。



* * *



「弟よ、お前は最近山籠りしていると噂で聞いたぞ」

「間違いじゃない」

「そして山から降りたと思ったら、国立図書館に籠るし、何をしているんだ?」

「……楽しいことがあの山にはあるんだ」

「黄金の月が攫ってくる夢見る者について……お前が興味を持つ分野とは思えんがなあ」

「借り出し記録を見たな」

「心配なんだ。ヴラディア、そんな何の金にもならん、曖昧な言い伝えに固執しないようにな」

「…………」



* * *



 小夜子が目醒める時、それは夜明けの気配がする頃だ。ヴラディアが言うには、空が白み始めたら小夜子は熔けるように消えてゆくのだという。

 その瞬間が悲しくて辛くて苦しくなると男は語った。手に小夜子の感触を残して、掌には何も無くなるのだと。


「春が始まったよ。山の花を観に行こう」

「どんな花があるだろう。蕗の薹は、もう終わってるだろうから、福寿草かな、それも終わったかな、木五倍子きぶしかな、木瓜ぼけかな、木蓮かな、金瘡小草きらんそうかな」

「そんな一気に言われても分からない。もしかしたら名前だけ違う同じ花かもしれないけど」


 毛皮の外套はもう着ていないが、山の中はまだ肌寒く、ヴラディアは厚着をしていた。

 軽装の小夜子が山歩きしても大丈夫なほど近場に、春の野花の群生地があるのだという。男に導かれて山道を進む。


「私の世界だとやっと真夏になった頃だというのに、此処はもう春なんだね」

「時の流れは此方の方が早いみたいだな」

「ヴラディアが先にお爺ちゃんになってしまうね」

「それは嫌だな。サヨがずっと長生きで、綺麗なままなのは嬉しいけど」


 繋がれた手に力が入る。十五分程度歩いた先に、小さな沢があった。水が流れる音がサラサラと聞こえる。

 満月の光に照らされた沢は色もきちんと見える。沢に沿うように、覆うように小さな白い花を多数咲かせていた。


「群生した花があるのは近い場所だと此処だけ。町に近い所には紫の花が沢山咲いている場所もあるが、流石に遠い」

「見せてくれてありがとう」


 慎重に足を運ぶ小夜子に心配しながらヴラディアも付いて行く。好奇心のままに行動している小夜子は、ある種の期待をその花に寄せていた。

 花弁と葉を採り、恐る恐る口にしようとすると、男が焦りながら止めようとした。


「待て、其れは多分毒がある。地元民の間じゃ、悪魔の悪戯という渾名があるみたいなんだ」

「……舌に乗せるだけ」

「サヨ!」


 結局花弁を舌に乗せた小夜子にヴラディアは彼女の両頬を包んだ。耐えるように眉根を寄せた彼女の様子に男は更に焦る。


「何てことを」

「多分、知ってる草花なんだもの」

「……知ってる?」


 涙目で見上げられたヴラディアはぐっと唾を呑み込んだ。口付けてしまいたいと顔を寄せる男に、小夜子は嬉しそうに微笑んだ。


「これ、清流だけに生える山葵わさびだよ。花も葉も根も刺激的な香味野菜で、私の国ではよく食べるものだよ。根っこは勿体ないから取らないでおいた方が良いね」

「……そうか」


 ヴラディアはそれだけ返事して、そのまま口付けた。確かに舌が痺れる感覚がある。しかし爽やかな風味を味わった。



* * *



「小夜子、最近ぼーっとし過ぎ」

「えっ、そう? ごめんね」

「……病気じゃないよね? 何か存在が薄いし、消えそうだよ。儚くなるなんて文字通りにしないでよ」

「病気は全然ないよ。大丈夫だよ」

「じゃあ何? そんなに雰囲気変わってぼーっとする理由は?」

「えー、何もない筈だよー」

「普通なら男なんだけどねえ、行動を見てるとどうやっても男が居るようには見えないのに」

「……あの、好きな人は、居るよ」

「えっ! ちょっと教えて! 大事件じゃん!」

「大事件じゃないよ。だけど、うーん……好きなんだけど、その人、夢に出て来る人なんだよね」

「……ごめん、聞いちゃいけない次元の人だね」



* * *



 夢を見たら、必ずのように水辺で攫われ、夢の路を通る。黄金の月の夢に降り立ち、男と逢瀬を重ねる。

 それは彼女の日常になり、何の疑問も持たない程馴染んだものになっていた。

 それは尋常でない現象だと、忘れてしまっていた。


 小夜子が現実でも夢でもぼんやりと過ごしている内に、夢の世界は二度目の秋を迎えていた。ヴラディアに促されるままに月乃草の夜露を啜る習慣がまた始まった。


「サヨが此処に居る時間が延びたな。こんなに早く、夜明けを共に眺められる日が来るとは……」

「うん、此処の世界の太陽は優しそうだったね」

「太陽は恥ずかしがり屋でね。横顔ばかり見せて、なかなか光の華を与えて下さらない」

「そう聞くと、私の世界の太陽はとても強く在るみたい。そちらは人が太陽の熱に犯されて、死にゆくことも早々ないの?」

「そんな恐ろしい話など聞いたことがない。月の光に凍える方がずっと多い」


 夜露を喉干した小夜子は息を吐く。そんな様子を眺めていた男は、彼女が持っていた月乃草を地面に置くと、その空いた手をすかさず握った。


「本当に世界が違うな」

「本当に」

「……嗚呼、サヨの手が冷たくなってる」

「その分、ヴラディアの手が温かく感じるね」


 男の身体が小夜子を包んだ。筋張った男の身体の感触。じんわりと伝わるヴラディアの体温に、彼女はそっと息を吐いた。

 心地好いと小夜子もヴラディアに擦り寄り、その肩口に顔を埋める。彼女の腕が男の背中に周った。


「こんなに冷えて、寒くないのか?」

「寒さは感じないよ。だけど、こうして抱き締められるとあったかい」

「……嗚呼」


 ヴラディアは彼女に気付かれぬように、小夜子の側頭部へそっと唇を寄せた。溢れる愛おしさが止まらない。

 秋口の涼しい風に小夜子を触れさせぬよう身体を覆い、ヴラディアは自身よりも小さく柔らかな彼女に浸った。



* * *



「まだ御伽噺に夢中なのか」

「……兄様あにさま、親父様に連絡を取りたい。頼めるか?」

「何だ親父様に頼み事か? 馬鹿馬鹿しい内容ではない事を祈るよ」

「一応の連絡さ」

「なら、私に言わなくても別に親父様へ直接でも構わんだろう?」

「次代を継ぐ兄様には、言っておいた方が良いかと思ってな」

「何だ? 穏やかじゃ無さそうだぞ」

「……女物の指輪を、何処に頼めば良い?」

「…………。な、……そ、そういうことか! ヴラディア! 今まで御伽噺に夢中ではなく、女にかまけていたのか! どんな女なんだ、変な奴ではないだろうな。いやしかし、めでたいな! 恋路にはからっきしだった弟が!」

「ま、まだ、決まった訳じゃない。彼女に何もまだ、告げていない」

「……何だ。さっさと決めて来い。話はそれからだ。親父様には私が先にそれとなく告げておくから、お前は私が勧める店で指輪を見繕えよ」



* * *



「最近、ぼんやりし過ぎだって良く言われるんだよね」

「…………」


 ある夢の真冬のこと。椅子に座り、山小屋の暖炉に暖まりながら、何となく言った小夜子の一言にヴラディアは黙り込んだ。相変わらず真っ白い軽装を身に纏い、彼女は黒髪の男に寄り添う。

 背中から腰へ回った男の腕が小夜子を捕らえている。その腕に力が籠った。


「ヴラディア? どうしたの?」

「……彼方あちらの世界でぼんやりする理由は、夢見る貴女が此処の世界に馴染み始めたからだ」

「そうなんだね」

「サヨは他に何か言われてない?」

「うーん。消えそうだとか、存在感が薄くなってるとか、それくらいかな」

「そうか……」


 金色の瞳が小夜子を見詰めた。隣に寄り添う体勢から、向き合って抱き締めるものへと男は身動ぎする。その動きに素直に従った小夜子を、しっかりと腕の中に閉じ込めた。

 そして何度も息を吐き、落ち着きなく小夜子の身体をさする。緊張しているようだった。


「なあ、サヨ。……俺と恋人になって、そして、つ、つつ妻となってくれない、か?」

「……うん?」


 急の告白に小夜子の目が丸くなる。

 ヴラディアは何とかプロポーズが言えたと安堵の溜息を漏らし、それから感情が止め処なく溢れていった。


「サヨ、好きだ。ずっと此処に居て欲しい。俺の隣に、ずっと。だから頷いてくれ」

「え、ヴラディア、待って、ぁ、んっ……ちょっ、か、考えさせてよ」


 悪戯のように軽いキスを小夜子の唇に何度も落とし、ヴラディアは己の恋情を何度も伝えて来る。柔らかく思考を妨害してくる男に、小夜子は静止を求めるもののヴラディアは止まらない。

 流石に憤慨した小夜子が金の瞳を睨み付けながら自分の掌で口元を覆うと、男は困ったように微笑んだ。


「すまない。だけど、余裕がないんだ」

「もう、ヴラディアのこと好きだけど、強引は駄目だよ」

「すまない」


 謝ってもヴラディアの腕の拘束は解かれなかった。抱き締められたまま、言葉を交わしていくとヴラディアの思惑が知れた。


 黄金の月が他の世界の夢見る者を、己の世界へ攫う——という伝説は、古くからこの世界で存在し、認知されていた。伝説、御伽噺にしては、前例が多く有るオカルト染みた現象だ。

 そして攫われた夢見る者に、他者と縁が繋がると幾度も攫われる確率が上がるのだという。小夜子にとってのヴラディアだ。

 更に月の世界の食物を食べると、緩やかに縁が太くなり、夢見る者の滞在時間が延びるようになる。それを根気よく繰り返していくと、夢見る者が生まれ育った世界の縁が細くなり、存在が希薄となっていく。そして意識もまた夢見心地でぼんやりと薄くなって、生まれ育った世界の日常にも支障が出るようになる。現在の小夜子がそうだ。

 更に月の世界の縁が太くなると、攫われた夢見る者は生まれ育った世界の縁が切れて、その世界での彼女達の存在が消えてしまうのだという。

 消えてしまう夢見る者は何処へ行くのかというと、月の世界だ。縁が繋がり太くなり、攫われて元の世界に戻されることなく、月の世界で生きてゆくのだ。


 そこまで説明したヴラディアは、腕の中の小夜子にこいねがう。

 話を聞いて、驚き戸惑う小夜子を求めてやまない男は、想いが通じ合った彼女を逃したくないのだ。


「結婚……、結婚したら私は私の世界との縁が切れて、もう戻れなくなるということ?」

「もしかしたら、結婚前に縁が消えてしまうかもしれない。だけど、俺を選ぶということは、そういうことだ」

「そうなの……」


 困ったように小夜子の眉が下がった。


「ヴラディア、夢と現実どちらかを選ぶだなんて、急には難しいよ」

「そうだと思う。だけど、選んで欲しいんだ」

「じゃあ、もしも私の世界を選んだらどうなるんだろう」

「凄く悲しいことだけど、此方の世界の縁を細くしていかなきゃいけないから、大変だよ。この世界の食物を食べないように、そして俺ともう二度と会ってはいけない。俺とサヨの縁を切らないと、サヨの世界で起きている存在感の希薄さが無くならない。そうして、俺の世界の夢が徐々に見なくなってゆけば……そうしたら黄金の月に攫われる以前に、サヨは戻れる」

「……私の世界を選んだら、この山で一人、目醒めるまで無為に佇むようになるんだね」

「そうさせたくないけど、そうなるよ」


 ヴラディアが辛そうに眉を寄せて俯いた。小夜子の頭に頬を寄せて息を吐く。小夜子は男の体温を感じながら、未来を想像した。

 自分の世界で変わらず生きてゆく。侘しい夢を何度も見ることになるだろう。けれども慣れた生活が彼女を待っている。何の不安もない。

 ヴラディアの世界で生きてゆく。きっとこの男は全身全霊を持って、小夜子を迎え入れてくれるだろう。世界のことわりが全く違う世界は慣れるまで大変なことだろう、ヴラディアを心配させ煩わせるに違いない。

 ——そしてこの好いた男と共に生きてゆく歓びは、現実の世界には存在していない。


「……ヴラディア」

「なに」

「私ね、ヴラディアが好き、大好き」

「な、……い、いきなり言わないで」


 心臓に悪いから、と男は真っ赤になって呻いた。そんな彼の背中に腕を回した小夜子は、胸板に額を宛てて囁くように想いを告げる。


「私ね、ヴラディアが居ないと嫌だと思ったの」

「う、うん……」

「だから……結婚して?」


 艶やかな黒髪と端正な顔にある黄金の瞳。男を見上げた小夜子は、その輝く瞳が潤んで細まり、唇が戦慄く様子を目撃した。


「……ゆ、夢みたいだ」

「夢だよ?」

「やめて。サヨには夢だけど、俺には現実なんだ。夢にさせないでくれ」

「ヴラディア、私が相手で大丈夫かな」

「俺が貴女を願ったんだ。大丈夫に決まってるだろう。此方での生活は俺が準備するから、嗚呼、早くずっと此処に残って欲しい……」

「ありがとう、ヴラディア」

「ありがとう、サヨ。ずっと、ずっと俺の傍に居て。頷いたからには絶対離さない……逃さないから」


 唇が重なった。角度を何度も変え、深くなって行く口付けは、今までされた事のない激しさで、小夜子は動きに合わせるのに精一杯になった。

 歓喜のまま小夜子の腔内を貪り、その熱情に浮かされ始めた彼女にまた男は歓喜する。彼女を抱き上げると椅子から移動して、寝台に小夜子を横たわらせると、男は覆うように全身で抱き締めた。


「サヨ、愛してる。サヨ……」


 頬を赤く上気させて、男の熱に揺蕩い始めている小夜子に、ヴラディアは止まれなくなった。

 秘め事に慣れておらず、翻弄される彼女を愛おしみ、気をやっているその隙に指輪をはめた。何も気付かない小夜子を何度も舌と手で愛して、ヴラディア自身は耐えた。

 最後の一線だけは越えず、彼女を手中にする為に男は努めて、その夜は終わる。

 気怠く微睡む中、二人で夜明けの空を眺めた。



* * *



「辞めるの? 何で? 小夜子、やっぱり病気なんじゃ……」

「あー、うん、その……事情がありまして……」

「……言いたくないの?」

「ご、ごめんね。私、消えちゃうの。だから辞めておかないといけないんだ」

「もう、とってもツッコミ入れたいけども、……とっくに決めてるんでしょ」

「そうなの」

「何処へ行くつもり? ううん、何処に消えるつもり?」

「ちょっと夢の月のほうへ……」

「ああ、もう。なんなのそれ。その内容はふざけてるのに、小夜子はふざけてる様子じゃないとか何よ」

「ごめんね、決めちゃったんだ」

「ばか。小夜子のばか。消えそうなのに、本当に消える予定とか。元気で居て欲しいのに」

「大丈夫。元気に消えるから」

「なにそれー……」



* * *



「渡せた……とても喜んでくれた」

「お、おお……! 漸く、遂に……っ! この兄は嬉しいぞ。もう、どんな女でも構わん。親父様も相手に何も問うつもりはないと言っていた。弟よ、分かるか? お前に心定めた女が出来ることを、私達一族は諦めかけていた。そんな中、遂に相手が現れ結ばれたという、このっ、喜びがっ!」

兄様あにさま、うるさい。だが、彼女を歓迎してくれることに感謝する。よくしてやって欲しい。彼女は身一つで俺の所に来てくれるんだ」

「何だ? やっぱり事情持ちの女なのか? 私達で解決出来ることなら協力するが」

「もう解決したから大丈夫だ」

「どんな事情だったのだ」

「……彼女は、黄金の月が攫ってきた夢見る娘なんだ」

「…………。は? 御伽噺の冗談は今要らんぞ?」

「嘘じゃない。一年以上掛けて、何とか縁を繋げて太くしたんだ。彼女は今までの人生を、全てを捨てて、俺を選んでくれた人なんだ」

「な、な、ヴラディア、まさか、そんなことが、お前に起きていただと……?」

「彼女は俺しかこの世界の人を知らないから頼む」

「うう、信じられんが、親父様に報告せねば……婚姻式の手筈を……」



* * *



 夢見る小夜子がいつもの様に、夢の水辺から溺れるように攫われ、夢の路を通り、黄金の月の世界に降り立った。

 夢の世界は春を過ぎようとしている頃合いだ。

 元の世界の後始末を済ませたと、もう此処に居続けても大丈夫だと小夜子が告げる。ヴラディアは歓喜に染まりながら白い衣服を纏う彼女を抱き上げ、山小屋へと速攻で駆け込み、籠った。


「ヴラディア? え、まって……! ヴラディアっ!」

「もう待たない。もう耐えられない。サヨ、俺を受け入れて」


 寝台の上で小夜子を押し倒し、黄金の瞳をとろりと細めて笑う男は色気たっぷりだった。舌舐めずりして小夜子を見下ろすヴラディアに、流石に彼女も紅潮して慌てる。

 その男の赤い舌が彼女を何度も悦ばせ、男の筋張った手指が翻弄して追い詰めて、蕩けた小夜子にヴラディアは遂に一線を越えた。

 男にとって彼女に出逢ってから既に二年になる。その溜まった劣情と熱情はヴラディアをけだものに変えてしまった。

 結局山小屋にまる三日程留まり、町へ降りたのは夕方の頃だった。


「思ったより到着が遅かったな」

「すまない」


 ヴラディアの実家は大層な邸宅だった。

 山から降りて、町から街へ移動し、連れて来られた小夜子は茫然となった。ヴラディアがあっさり山小屋を建てたり、困窮せず小夜子との逢瀬に夢中になれるのだから、金持ちの方だろうとは感じていた。しかし、想像以上の彼の実家の立派さに彼女はついていけない。

 明治の高等遊民のような存在なのかと、小夜子はヴラディアの端正な顔を見上げた。


「親父様のハーラマと兄様あにさまのディリノーと、その妻の義姉様あねさまのエスペーラだ。彼女が俺の妻になるサヨだ」

「境野小夜子と申します。不束者ですが宜しくお願いします」


 応接室で顔を合わせたヴラディアの血族は良く似ていた。黒髪と金の瞳は同一で、年齢が違うだけに見える。

 ハーラマという一番年嵩の壮年は白髪混じりの黒髪と、蓄えた口髭が印象的だ。ディリノーというヴラディアに良く似た男も、笑い皺があるため、ヴラディアがあと十年経たら同じ顔立ちになるだろうと分かる姿である。そしてエスペーラは栗毛の長い巻き毛を上品に纏めて、茶色の瞳が理知的な眼差しを持っている女性だ。

 その三人を見て、小夜子は緊張していた。訳の分からない女を受け入れてくれるか不安が湧く。ヴラディアは大丈夫だと言っていたが、それでも拭い切れないものがあった。


「父のハーラマだ。黄金の月に攫われた夢見る娘だと息子から聞いている。まさか御伽噺の現象に息子が立ち会ったとは驚いたが、月が攫うだけある可愛らしい人だね。我々は貴女を歓迎するよ」

「兄のディリノーだ。面白味のない頼りない弟だが、愛想を尽かさないで共に居て欲しい。夢見る娘だというだけで、これから多くの人々が貴女に注目して、情けを求めてくるだろう。もしかしたら弟が色褪せて見えてくるかも知れない。それでも離れないでやって欲しい」

「兄様、うるさい」

「私はお前を心配しているんだ。お前は女人を喜ばす術に乏しいことは知っているのだからな。唐変木そのものの弟よ、彼女に飽きられないようにしろよ」

「…………」


 兄の真っ直ぐすぎる言葉に、不愉快そうな不安そうな顔になったヴラディアを見て、小夜子は苦笑混じりになった。しかし、彼の家族が小夜子に対して悪い感情を抱いていないと分かり、内心安堵する。


「お二人共、ありがとうございます。ヴラディアは直向きに私を愛してくれています。よく分からない存在だったろう私を選んでくれたのです。それだけで、私、嬉しくて……だから、大丈夫です」

「サヨ……」


 最後は照れてしまい、小夜子ははにかむように笑ってしまった。彼女の言葉を嬉しがったヴラディアが手を握ってくる。

 微笑ましそうにその様子を見ていたディリノーの妻エスペーラは、小夜子に笑みを送った。


「それだけ見ていると、いとけない幼年の恋模様のようだわ。私はエスペーラ、サヨと呼んでも良いかしら?」

「は、はい。どうぞサヨと呼んでください」


 顔合わせは無事に済んだ。執事や下僕、使用人が多く居る邸宅に慄いていた小夜子に、ヴラディアの家族が説明する。

 ヴラディアの一族、ポリカルプ家は代々小売の商会を営んできており、その規模の大きさは十本の指に入るのだという。父ハーラマは地域の社会的貢献や財力によって今は一代限りの準男爵に叙されており、商会の信用度も上がって商売も上手く行っているのだという。そのおこぼれで、ヴラディアはふらふら出来ていたという訳だ。


「弟はこれからの売れそうな商材や、新製品を探る役目を負っている。それなりに使える奴ではある。ここ二年は貴女にかまけて、商会に何の貢献もしていないがね!」

「うっ……申し訳ないです」

「サヨのせいじゃない。謝らないで」

「そうだ、ヴラディアお前は反省しろよ」

「……サヨ、山葵わさびのことを親父様や兄様に話して良いか?」

「え、別に私に許可取らなくても良いよ?」

「何だ?」


 あれよあれよという間に山葵についての説明に変わってしまった。山葵は未だ世に出回っていない香味野菜だということで、ヴラディアが目を付けていたらしい。小夜子の許可を得てから身内に話した義理堅さに、彼女は舌を巻いた。

 新たな商材になり得るということで、山葵は改めて検討する事になった。


「あとは婚姻式だな。大体用意は出来つつある」

「え?」

「ドレスについてはエスペーラと共に調整する位か?」

「式場も抑えているし、招待客は身内だけにしてあるし、供出する料理も決まっているな」

「え?」

「きっと綺麗だろうな、ドレス姿のサヨは」

「ヴラディア?」


 ヴラディアと結婚することには迷いはないが、その式までは小夜子の頭に無かった。文化も何も分からない世界で、そんな想像が働かなかったからだ。

 ヴラディアと共に生きてゆく、それだけが未知の世界で彼女に見えていた未来だった。



* * *



 ハーラマを始めとするポリカルプ家の厚意により、小夜子とヴラディアはきっちり婚姻式を挙げ、夫婦となった。

 御伽噺の黄金の月の夢見る娘が現れて、さっさと人妻になったという話は広く伝搬された。上から下までの身分の者達が小夜子に興味を持ち、彼女に会いたがる。

 真贋不明の記録によれば、夢見る者が縁を太くして定着した例は約百五十年振りだという。稀な存在である小夜子を、ヴラディアは良く慈しんだ。

 変な付加価値が付いたが、小夜子は気にせず商会で働く。時折飽きられていないかと不安がる夫となったヴラディアに、彼女は何度も言葉を届けた。


「私の夢の路は貴方に続いているの。私はヴラディアと繋がってるの。誰にもその繋がりは切れないよ。……なんて言っても、結局ヴラディアが大好きなだけなんだけど」

「……俺も大好き。愛してる」

「うん、私も愛してる」


 そして抱き締め合い、口付けを交わす。それが二人の様式美となっていた。


「ん……っ」

「……もっと縁が繋がってると実感したいな」

「うん?」

「サヨ、深く繋がろう。今すぐ」

「……ま、まだ昼だよ?」

「今日は太陽が横顔じゃないお陰で明るいから、貴女が良く見えるし、良いと思う」

「いやいや、えええー……そんな、恥ずかしいよ……」


 劣情が燻り始めたヴラディアが早速動いた。寝室に連れ込まれた小夜子は動揺し、赤くなって目を伏せる。彼女の衣服を剥いで、その様子を見下ろすヴラディアは、目を爛々と光らせながらうっとりと微笑んだ。


「好きだ。俺にサヨの全部、見せて欲しい」


 陽光眩しい昼間からの睦み合いは、小夜子がヴラディアと共に生きてゆくと決意し実行したからこそ出来るものだ。男は大事に大事に彼女を愛してやり、目の前の光景が夢ではないことを肌で確かめる。

 そして歓びに浸るのだった。



お読みくださりありがとうございました。

新型コロナで精神的に疲弊してくると、穏やかで優しいお話が妙に読みたくなったので自給自足しました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] うわぁぁ、きれいな世界。夢と現が溶けあって、夢の世界をとっていく……。文章もきれいで、世界観にどっぷりつかれました。 瀬戸田さんの作品が読めて嬉しかったです。作品を褒めたたえる語彙が足りな…
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