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ウール王女のカラダで

 城のバルコニーから、ウール王女が俺を見ていた。

 頭に毛のない怪しい鳥が近付いてきていると、ウール王女は思っている。


 火炎魔法で攻撃を開始しようかと思い始めて、手の中で火炎魔法のイメージの開始をウール王女は始めた。


 ヤ、ヤバイよ俺!


 話をしようとしたら、ウール王女はいきなり火炎魔法を俺に発動した。

 猛火が俺を襲って来ている。


 ま、間に合うか?

 俺はすぐに防御魔法を発動した。


 オッパイの形をした弾力のある盾だ!

 盾は少し震え、ウール王女の猛火は左右に割れて後ろに流れて行く。


 フゥーーー、間一髪だった。

 ウール王女は反射神経が早すぎる。


 考えたと思ったら、すぐに魔法を発動している。


 ウール王女の次の魔法攻撃力がすぐに来る。

 早く言わなければ、次から次に来て大変だ!


 俺はすぐにウール王女に言う。


『トート。トームル』


 ウール王女は、俺しか届かない心の声で動きが止まった。。


『トート。トームル?』


 鳥はトルムルと言おうとしても、俺の口は滑らかに話せない。

 これで通じたか?


『トート、はー、トームル?』


『バブゥー』


『トート、はー、トームル!』


 ウール王女は理解してくれて、手の中で開始していたイメージを止めた。

 そして、可笑おかしな鳥だと思っている。


 トルムルなら、もっとカッコいい鳥に化けれるのにと。


 ハゲワシに……、なりたくてなったわけでないので……。

 俺の頭の毛が薄いからこうなっただけで、本当はもっとカッコイイ猛禽類になりたかった……。


 ウール王女の警戒心が解けたので、俺は王女のいるバルコニーに舞い降りた。

 そして元の姿に戻る。


 ウール王女が近寄って来て俺を両手で抱いた。

 わ、悪い気はしないよな。


 いつ見ても、超可愛いウール王女。


 でも今は、それよりも城にいる怪我人の治療が先だ!

 ここで、時間をつぶすわけにはいかない。


 部屋の中に入ると、誰も居なかった。

 王妃様はたぶん、城に集まって来てる人達の采配で忙しい。


 トルムルのこの姿のままだと怪しまれて、城の中を自由に移動できなくなる。

 ウール王女だと、家臣に対して多少は無理がきくはずだ。


 その前に、俺自身の体を安全な場所に置いておかないと大変なことになる。

 ここはウール王女の部屋で、王女に命力絆ライフフォースボンドをした場所だ。


 暖炉では薪が赤々と燃えており、この部屋はとても暖かい。

 ウール王女のベッドを借りて、そこで横になった方がいいと判断する。


 あ、そうだ。

 この際、ウール王女に変身して、眠っているようにすると完璧だよな。


 執事が来ても、眠っているウール王女を起こしはしないだろうし。

 俺は、ウール王女の前に行って、王女をよく観察した。


 王女は、何でトルムルが私を見つめているのか不思議がっている。

 口での説明は難しいので、手の中でウール王女の姿をイメージした。


 すぐに、自分に魔法を発動した。


 どうだ?


「かー、かー、みー?」


 かー、かー、みー、って何だ?

 えーと?


 あ……、鏡と思ったのか。

 城には当然鏡があるよな。


 俺の家には高価な鏡がないので、すぐに単語が思い浮かばなかった。

 でも、鏡に映った自分と思っているから成功だよね。


 俺はウール王女のベッドに潜り込んで、目を閉じて寝たふりをする。

 ウール王女は、俺がベッドに横になっているので、とても不思議がっている。


 俺の口で説明しても、さらに時間を無駄にするだけだ。

 意識をウール王女に移動させる。


 ウール王女に意識を移した途端に、多くの悲鳴が聞こえてきた。

 俺は……、いきなり腰を抜かしそうになった。


 下の階から、ミノタウルスに怪我を負わされた人達が苦痛を訴えている。

 思っている以上に、ウール王女の聴覚の感度がいいのでビックリした俺。


 い、今は腰を抜かしている場合ではないよな。

 王妃様を探さないと……。


 耳をすませて、王妃様の声を探し始める。


 いた!

 下の階にいるのが分かる。


 俺は部屋の出口に向かって歩き出した。

 ウール王女のカラダは、なんて身軽なんだろう?


 やっと歩き出した俺とは段違いだ。

 早足で歩いても、コケることなく歩ける。


 ドアを開けると、警護の2人が俺を……、ウール王女を見た。


「ウールヴルーン王女。部屋から出てはいけないと王妃様から言われている筈です。

 お部屋にお戻りください」


 ミノタウルスが現れたから、ウール王女に警護を付けたんだ。

 以前はいなかったのに……。


 ここで引き返したら、目的が達成できない。

 幸い、ウール王女のカラダは身軽なので、追っかけて来ても捕まらないと判断した。


 とにかく、王妃様に会わなければ……。


 俺は意を決して、階段の方にできるだけ早く歩き出した。

 早足で歩いたつもりが、走っているのでさらに驚く。


 すでに、ウール王女は走っているんだ。


「お待ち下さい、ウールヴルーン王女!

 私達が王妃様からお叱りを受けます!」


 2人が後ろから追いかけて来た。

 さすがに大人の速さにまでにはなっていないので、ジグザグに歩き出す。


 2人がウール王女を捕まえようとすると、気配で分かるので簡単によけられた。


 俺はこのまま王妃様の所まで行くことができた。


「何事です、この騒ぎは?」


 王妃様の近くに行くと、威厳のある声で言われた。

 思わず俺は立ち止まってしまった。


 後から追いかけて来た2人に、俺はあっさりと捕まってしまう。


 王妃様が俺を……、ウール王女を鋭い目付きで見ている。


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