新しい世界へ
通り魔の現場に居合わせた俺と爺ちゃん。
爺ちゃんが襲われそうになった。
爺ちゃんを助けようとしたら、自分が刺されて死んでしまった。
神「お前は人の命を救った。
よって、異世界へ転生する資格ができた。
一つだけ願いを叶えてやろう」
俺「本当ですか?
それでは……、なるべく若い体でお願いします」
神「それでいいのか?
ハーレムとか金持ち。あるいは最強、チートなど色々あるが?」
俺「自分で努力しないと人生の達成感がありません。
それでお願いします」
神「変わった奴だ。それでは願いを叶えてやろう」
◇
俺は気がつくと、真っ黒な場所にいた。
目を開けても、閉じても真っ黒だった。
ここはどこなんだろう?
ほとんど身動きができない。
転生をして、いきなり箱の中に入れられた?
いやいや、これは箱ではなくて……?
ゴムみたいな何かが俺の周りを包んでいる。
俺は深呼吸をして、この状況を確認することにした。
……?
え……?
俺、息していない?
それに、水の中に俺はいる?
ギャャャァァーーーー!!
俺はここから脱出すべく、大暴れをはじめる。
「赤ちゃんが、お腹を蹴っているわ!」
「何だって!?
そんな事ありえない!
さっき、胎児の心音を聞いた時には止まっていたはず!」
「きっと、神様が助けてくれたんだわ」
「そんな奇跡が起ころうはずも……!?
な、何と。本当にお腹を蹴っておる。
しかも、こんなにも元気に!」
「よかったわね、私の赤ちゃん」
外から人の話し声が聞こえてきている……?
しかも、俺の体を撫でるような感覚が伝わってきた。
何で……?
少しずつ、少しずつ冷静さを取り戻しつつある俺。
息をしていないのに、全然苦しくない。
どういう事だこれは?