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目指せへいおんライフ!……波乱万丈なんてお断りです!!  作者: おいしいクルミ
第1部 エレナ・幼女期~異世界生活スタートです!~
30/50

26:……私、人間ですよね? 人間界に帰ります

あの後私は、また涙が止まらなくなって結局寝落ちしてしまった。


朝起きると瞼がめちゃくちゃ重かったが、頭はずいぶんすっきりいしていて、過去のことと割り切れるようにはなった。


ソフィアナさんにはずいぶん迷惑をかけてしまった。

なんて言ったらいいんだろうか。


「あら、エレナちゃんひどい顔ね。」


それが第一声とは思わなかったよ……。

気を使ってくれたのかな?


「さっさと顔洗ってらっしゃいよ。ほんとにひどいことになってるわ。」


あ、これ素だ。

気を使ってるとかじゃない。

うん、なんだかもう、いいや。


「おはようございます。あいさつの前の第一声に暴言をはかれるなんて悲しいです。」


「はぁ……。事実なのよ……。鏡、見てきてごらん……。」


確かに瞼の重さがいつもの3倍くらいだけど、溜息つかれるほどなの!?


顔の確認のため、鏡を見てみることにした。



……あ、こりゃひどい。


瞼だけじゃなく顔全体がむくんでるっていうか、殴られたあとみたい……。



「た、たしかにひどかったです……。」


「でしょ。こっちおいで?」


「?はい。」


近づくと、ソフィアナさんは私の目に手をかぶせて状態回復魔法をかけてくれた。


顔が一気にすっきりした。


鏡を見ると、元通りになっていた。


「ありがとうございます!」


「じゃ、今日の特訓もしっかりやろうね!」


お、鬼監督!!


「今、変なこと考えなかった?」


「ふぇ?!か、考えてませんよ!」


「ふぅん、そっかぁ。今日、ランニング2週追加ね~。」


ニコリと笑う顔が怖い……。

ていうか、心読まれた!?


ここにきてけっこう立つが、最初のころに比べてこうして冗談が言い合えるくらいには仲良くなった。

仲良くなるにつれて思うのだが、


ソフィアナさん、残念美人?


なんか、言動が疲れ切ったサラリーマンを思わせる時があるんだけど……。


「ランニングもう2週追加!!」


ぬわ!?


やっぱり、こころ、よめるの?


疲れ切ったサラリーマンのようになってしまうのはどう考えてもエレナのせいなのだが、そこに気が付く様子はない。



この日は結局ランニング14周した。


ランニングはいつも1周200mくらいの距離を10周させられる。

いつも3週目くらいできつくなって、6週くらいであきらめたくなって、10周終わるころには体力が0に近くなっている。


さらに、それが特訓開始前なのだから余計につらい。


そして、なぜかずっと続けても体力向上が見られないのである。

きっと私は、体力が魔力になってるに違いない。

桁外れの魔力は、特訓を終えるごとに確実に増えているのである。


お、おそろしや……。





こうしてなんだかんだ言いつつも、特訓を続けること2年。


……そう、2年である。


時間間隔が消えているというのは恐ろしいもので、そして魔法を使う楽しさに毎日充実していたために、いつの間にか2年もたっていた。


ソフィアナさんが、「うん、特訓これで終わりでいいわね。」といって、ふと、どのくらいやってたんだろ、3か月くらい?と気になったので聞いたら、まさかの2年。


わたし、9歳も終わりに近づいてる!?


そして、特訓の成果、ステータスはこうなった。


名前:エレナ

種族:人族?精霊?半神?

性別:女

年齢:9

属性:火・水・地・風・緑・空間・光・闇・天・無

Lv:327(+310)

HP:651(+1)

MP:167367(+109017)

STR:682(+2)

ATK:752(+2)

VIT:301(+1)

DEF:780(+220)

RES:323(+3)

DEX:635(+5)



えっと、つっこみどころ満載なのですよ。

つっこんでいいですか?

つっこみますね?


どうしてあんなにきついランニング毎日、しかも2年もやったのにHP1しか増えてないんですか!?


成長して10歳児の平均、900くらいだそうですが!?


ランニングしてないお子様方にも負けるんですが!?


物理攻撃の練習とかしてないからSTRとATKが2しか増えてないのはまあいいけど、……ソフィアナさんによると成長と同時に増えるらしいから、やっぱりもうちょっと増えてほしかったけど!


他のに比べて、MP、魔力、おかしいでしょ!?何3倍くらいになってるんです!?


しかも、500の3倍、とかかわいらしいものじゃないから、万単位だから!


10歳児の魔力平均、800くらいだそうですが!?約239倍ですが!?


生命力と抵抗力、精霊さんくらいなんですが!?人間、1000は超えるらしいですよ?普通?


あ、と、いっちばんきになるの、種族なんですよ!!


種族、人族?精霊?半神?、って、なんなの!?


いや、人間だからね?てか、せめて一つに絞ろうよ!!



……はぁ


私、どうなるんですかね、これ。





特訓が終わったといわれた次の日の朝、さっそく人間界に戻ることになった。

というのも、2年間依頼を受けていないから冒険者登録をし直さないといけなくなってしまうことや、10歳になったら何たら学園の入試を受けるとかの話をギルドでしたにもかかわらず、もうすぐで、あと3か月で10歳になってしまうことに気が付き、あわててソフィアナさんに相談したからである。


「これ、もっていって?」


そういってソフィアナさんが渡してくれたのは小さめの転移の魔道具だ。


「これには、もうここの転移地登録は済ませてあるわ。それ以外に14個登録できるから、それ以外は好きにして頂戴。悪魔素の問題は、あの日から――――――2年前からほとんど変わっていなくて、まだ手がかりもつかめていないの。何かわかったらすぐに知らせるから、その時は来てもらえる?あと、精霊界に来たのに、ここと精霊丘と特訓場しか言ってないでしょ?まあ、暇なときにいろいろなところを見てもいいかもしれないわ。」


「ありがとうございます!また遊びに来ますね!」


「ええ、たまになら来ていいわよ。あ、登録の仕方は、登録したいところにこれを置いて、そのまま魔力を流すだけよ。それから、これも、もっていって?」


ソフィアナさんが次に取り出しのは、マジックバック。


「この中に必要そうなもの、入れておいたから。」


まるで子を送り出す母。

ソフィアナの心境はそんな感じだった。

精霊にとって2年は短い期間だ。しかし、ソフィアナにとってこの2年はとても濃く、疲れるものの充実した日々だった。

ソフィアナの中でエレナは大事な人認定されたのである。


「本当に何から何までありがとうございます!大切にします!!」


「気を付けるのよ?」


「はい!あ、こっちでも悪魔素とかに関係しそうなこと、できる範囲で調べてみます。」


「無理はしないでほしいけれど、ありがたいわ。」


「がんばりましょうね!」


「そうね。―――――――さ、ここに魔力流して。」


ソフィアナが人間界につながる魔法陣を書く。


言われたとおりに魔力を流していくと、来た時と同じように視界がぐにゃりとゆがんだ。


「ありがとうございました!」


私がそう言い終わるか終らないか、わたしは人間界に戻っていた。


ただ、出発した時の場所ではなく、どこかの町の門の傍の木の影だった。

ソフィアナさんが気を使ってくれたのだろう。


2年ぶりの人間界。

というか、2年ぶりにソフィアナさん以外の人を見た!

正確にはソフィアナさんは精霊だから2年ぶりに人を見たことになる。


まあ、2年いた、って感覚はないんだけどね。



さて、まずは冒険者ギルドに行ってみないと。


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