９：冒険者になります!……簡単にはいかないか。。。
「エレナちゃん、どうしてこんなところに?」
あー、やっぱり聞かれるよね、そりゃ6歳の子供が森に一人はおかしいし……。
「えっと……。」
「あ！もしかして冒険者？」
「冒険者？」
「知らないの？私たちみたいにギルドの討伐依頼とか、採取依頼とかこなしてお金稼ぐ人たちのことだよ。その様子だとちがうっぽいね。」
「それ、私でもなれますか！？」
「え？あ、うん。結構魔法使えるみたいだし、なれると思うよ？」
これでお金が稼げるかも！生活はできそう。
「でも、エレナちゃん、お父さんやお母さんは?今6，7歳くらいだよね?」
あ……
「……今は一人なんです。仕事を探してました。私を冒険者にしてくださいっ!」
「そうだったんだね…。変なこと聞いてごめんね…。」
あ、あれ？なんか涙ぐんでるんだけど？
「私たちに任せて!Ｃランクパーティー”赤い炎”が、責任を持ってあなたを冒険者にするわ！」
「え？俺も巻き込まれんの？」
「あんた、ケガしてボロボロになったところを助けてもらったこと、忘れてんじゃないでしょうね？」
「……わかったわかった。」
おー、ミカさん頼もしい！
「ありがとうございます!」
「まぁ、エレナちゃん、私たちより強そうだしね……」
本職の人の方が強いと思うけどなぁ。
魔法は使えるけど、倒す相手のこととか、やり方とか、本職の人の方が知ってると思う。
「じゃ、いこっか！」
40分ほど歩くと、門が見えた。私が住んでいたところよりも大きい町のようだ。
「ただいまー。」
門番の人は、サラさんのお父さんらしい。並ばずに中に入れた。
ミカさんやサラさんは歩きながらいろいろなことを教えてくれた。
冒険者になるには、冒険者ギルドで登録をする必要があるらしい。
ＦランクからＥ，Ｄ，Ｃ，Ｂ，Ａ，Ｓ，ＳＳ，ＳＳＳ，とつづく。Ｓランク冒険者は、国内に9人。SSランク冒険者は、世界に3人。sssランク冒険者は、歴史上に1人だそう。
ギルドの建物が見えてきた。レンガっぽいものが使われていて、威厳のある建物だった。
一人だったら少し気後れしそうな建物だなぁと思いながら美香さんたちの後についてギルドの入口をくぐった。
「赤い炎じゃねーか。今日は子守か？」
「お前らにはそれくらいの雑用がお似合いだ。」
……テンプレだ
ギルドに入ったら面倒くさい人たちに絡まれた。
こういうの知ってる。中学校くらいの時、クラスの子話してたライトノベルとかのよくあるやつだ……。
友達になりたくて共通の話題作るためだけに読んだけど実際に見ることになるとは……。
ていうか、生まれ変わり…転生？もライトノベル的な感じだ。
そんなことより、この状況。からまれてるのに誰も助けてくれないの？
ミカさんたちはたまにあることなのか、面倒くさいな、っていうのを思いっきり顔に出してるけど、それが逆に相手を怒らせてるような？
「お前ら、俺らんこと無視するとか、いい度胸じゃんかよ。」
あちゃ～。やっぱり…。
今日いつもより絡み具合が強いんだけど、とこそこそ話す5人。
ヨユウダネ、皆様。
「あくまで無視を貫くってんだなぁ？」
「今日は力が余ってんだ、一発勝負してやるよ。俺らと決闘できるってのをありがたく思うんだな。」
誰ですか、かわいそう、とか言ってるやつ。
あ、ほぼ全員ですか。目を合わせようとした瞬間にそらすのやめていただけます？
あの、生きて帰れるといいな、って聞こえてますからね！？
「まただんまりかよ。負けるのが目に見えてる勝負は怖いか～？」
「こいつがいるんで、あんたらの負けが目に見える。」
は！？あの、今私をさっと前に押し出しませんでしたか！？
え？なんでみんな、そんなに自信満々にあたしのこと見て微笑んでるの?
「あぁ？こんなちびに何ができるってんだよ。俺らのことなめてんのかぁ？」
うん、そうだよね。わかってた、その展開……。
テンプレです。
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