翔太朗と神様と異世界転生
自分の物語を読んで誰かを楽しませられたらなと思い頑張ります。文は全然得意では無いですが、これから勉強して頑張ります。宜しくお願いいたします。
子供の頃から普通の人達と同じで夢を持っていた。どんな夢だったかは忘れてしまったけど。
その夢に向かってずっとそれに向かって歩き続けた。でも、待っていたのは暗い絶望だった。
小学四年の時に、授業中に息が薄れて、そのまま病院へ運ばれた。
目を覚ますと、其処には母さんと医者の先生がいた。
その時に言われた病名は、余り覚えていないが、今の医学では治らない病らしい。
余命宣告で高校生まで生きていられるかすら危うい状態らしい。
その日から僕は、夢を捨てた。
更には、自殺まで図ろうとした。それでも、死ねなかった……死にたくなかった。
その声が、神様に伝わったのかは分からないけど。それまで生きているか危ういと言われていた高校生になれた。嬉しくて受かった時は一日中泣いてしまった。
この時に、僅かに希望を見せられた気がした。このまま、普通に生きていけるんじゃないのかって……。
だが、高校二年の秋の今日、僕は小学校の時と同じく、授業中に倒れた。意識は、薄れていたが、母さんとは会えた。
死なないで。と母さんは、僕の手を強く、握る。僕も今ある力の限り握り返した。
しかし、願いは届かず、僕の意識は時計の針の様に止まった。
気が付くと僕は、暗い空間が広がる場所で白いソファに座っていた。その目の前には、白い、センターテーブルとその先に、自分が座っているソファーと同じ物に誰かが座っていた。
「ごめんね……君を救ってあげられなくて。」
座っていたのは、白いスーツを着た、綺麗な金髪ロングの大人びた女性だった。
「いや、いいんですよ。僕なんかがあれだけ生きれたのは奇跡なんですし。」
何となくだけど、心の何処かで察した。この人は神様なんだと。
「多分気付いていると思うが、僕はちょっとした神様だ。君の病は、異世界から流れ込んで来た物だ。」
「どういう事ですか?」
「君が罹っていた病は、本来、あの世界にはあってはいけない物なんだ。もう少し詳しく言うと、君の生きていた世界の他に、別の世界があるんだ。君の世界で言う、ファンタジー世界って言うヤツ。」
正直、飛びぬけた話だけど、病が治らなかったのが例だ。信じるしかない。
「それで神様は、僕に何の用があって僕をここに?」
「君にもう一度、チャンスを与えたいんだ。」
「チャンス?」
「ああ。良かったらだけど、その異世界に君を転生させようと思って……どうだろうか?勿論、君が罹った病は普通にあっちの世界では、治るから安心してくれ。」
つまり、もう一度別の世界で人生をやり直せる。なら答えは決まってる。
「お願いします。どんな場所でも構いません。だから、もう一度人生のチャンスを下さい。」
「なら決まりだ。」
神様は、両手を広げると、強くパンと両手を合わせた。すると、横の空間に、光が差し込んだ。
「此処を通れば、異世界へ転生される。」
「分かりました。じゃあ早速……」
「ちょっと待って。」
すぐさま、光に入り込もうとした僕を、神様が引き留める。
「何ですか?」
「さっきも言った通り、異世界は君達の世界で言うファンタジー世界……つまり魔法が有る訳だ。だから、君が魔法を使える様にしないと。」
少しずつ僕の前に歩み寄ると、僕の頭に、人差し指を当てる。
その瞬間、胸の奥が燃え滾る様に熱くなる。それが次第に弱くなっていくと、自分の手の甲に何かの黒い模様の様なアザが浮かび上がった。
「これは凄いな……。魔法を使えさせる様にしただけだったが、思わぬ誤算だった。」
「どういう事ですか?」
「アザが浮かび上がる魔法使いは、常人より桁外れの魔力を備わっている。そして、そのアザの形によってランクも存在するのだが。お前は、上から数えて一番目だ。」
「要するに、僕は凄い魔力を秘めているという事ですか?」
「呑み込みが早いな。だが、魔力が有っても魔法陣の組み方が分からなければ、普通の人間と同じだ。しっかり覚えるんだぞ。」
「はい。分かりました。色々有難うございました。」
「ああ、達者でなー。」
手を振る神様に、深くお辞儀を返して僕は、異世界の光に飛び込んだ。