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氷漬けの聖女様

「さて、それじゃ行こうか」


 山のふもとまでは人の姿できてみたが、誰も近寄らない山というだけあって、道の名残のようなものがあるだけで簡単に登ることは出来なさそうだったためオジョーとわたしはネコの姿に戻り、サラは後ろからついてきてもらう形で進むことになった。


「やっぱりこういうところは四つ足で移動するほうがスムーズだね」


「もう少し身体を小さくしてもいいかもしれないですわね」


「確かに。でも、あんまり小さいとサラのために草分けができないから」


「足手まといですみません・・・」


「サラも、人間以外の姿になる練習をしてもいいかもしれないね」


 なんだかんだ言いながら、進んでいくと突然開けた場所に出た。

 そこは広場のようになっていて、太陽の光が降り注ぎ、色とりどりの花が咲き乱れてる。その真ん中に氷の柱があり、その中に絵画のとおり綺麗な金髪の女性が封じ込められていた。

 その表情は痛みをこらえるような、でも目の前の相手を慰めるような、ゆがんだ笑み。

 地面に寝そべるような体勢で、片手は紺色の修道服の腹部に添えられ、もう片方の手はなにかを掴もうというかのように前に伸ばされている。


「これが、聖女様」


「間違いないだろうね」


「ほんとにきれいな人だね」


「確かに。でも、これは」


「お前たち、そこで何をしている」


 地を震わすような低音が頭上から聞こえてきた。

 見上げると、青い鱗に全身を覆われた巨大なドラゴンが、わたしたちを見下ろしていた。

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