ネコ寺のオショーさん
しばらく経ち、自分のことがある程度できるようになり、ネコ寺に入る日がきた。
猫の集会的なものを想像していたら本格的なお寺でまず驚いた。
「ほんとにお寺なんだぁ」
「そうよ、シロちゃん。これからあなたはここで勉強して、立派な猫又になるのよ」
「ようこそ。君がシロ君かね。わしはこの寺の代表のチクワという。みんなからはオショーと呼ばれておる。どうぞよろしく」
チクワって・・・。い、いや、それよりも。
「・・・」
「こら、シロちゃん、ちゃんとあいさつしないと。オショーさんに失礼でしょ」
「ご、ごめんなさい。あの、オショーさんは人間なんですか?」
そう、オショーだというチクワ氏は、人の姿をしていた。
「ほう、君は見たことがあるのかい」
「えっと、はい」
「そうか、なら話ははやい。わしは人間ではなく、化けておるのだよ。素質のあるものは人間の生活にまぎれて道具や知識を得る。それを生かせば我々ネコの生活も豊かになる。そしてここは、その方法を教えるところと言うわけだ」
「魔法も使えるようになりますか?」
「魔法?うーむ、わしには教えられんが人間になれば学べるところもあるはずだ」
そうか、ならまず化けられるようになるのが先決か。
「オショーさん、ぼくがんばります❗よろしくお願いします❗」
生き返るために❗
「うむ、確かに魔法も我々の発展に役立つやもしれんな。わしも出来る限り力になろう」
「ありがとうございます❗」
「では、行こうか。親御さんはここまでで」
「はい。シロちゃんをよろしくお願いします」
「おかあさん、じゃあね」
「シロちゃん、しっかりね」
こうしてわたしはネコ寺に入門したのだった。