メジとサラ
そのころから、サラとの授業が楽しくほかのことへの注意がおろそかになっていたのは確かだと思う。
特に、メジに関しては魔法の勉強が一段落し、サラとのこともあって一緒に行動することが少なくなっていた。
そして、その時は訪れた。
「うん、いい感じじゃないですか」
「~っ! ありがとうございます!」
それは、サラが初めて上手く男性に姿を変えられた日だった。
「おかしなところも無さそうだし、可もなく不可もなく、どんなところにも紛れられそうないい見た目だと思いますよ」
「そ、そうですか・・・」
筋肉の付き方なども確認しようと、サラの身体に手を伸ばした時だった。
「ムツキ! そいつだれだ!?」
振り向くと、入り口にメジが立っており。その視線と指は、まっすぐにサラを差していた。
「メジ? こんなところまでどうしたんですか?」
「最近ムツキが付き合い悪いから、何してるのかと思って探してたんだ。そしたら・・・なんだよこの男は!」
「男? では今来たところなのですね?」
「そうだよ! 声が聞こえたから覗いてみたら、その男に、さ、触ろうと」
(よかった、どうやら変身の様子は見られていないようだ。見られていたらややこしくなるところだった)
「何してたんだよ! こんなところで! 二人きりで!」
「誰とどこで何をしていようが、わたしの勝手でしょう。どこにあなたに許可をとる必要が?」
「ム、ムツキさん、その言い方は」
「お前がそんな奴だとは思わなかったよ! この、し、尻軽!」
そう捨て台詞をはいて、メジは走り去っていった。
「お前と呼ばないでほしいと何度も言ったのだけれど」
もういない相手に呟いていると
「あ、あの、追いかけなくていいんですか?」
サラが心配そうに声をかけてきた。




