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転生~正規の場合~

 翌朝。


「さて、それでは、改めて話を聞きましょうか。まず、名前は?」


「えぇ⁉ そこからですか? ・・・こちらでの名前はサラ、です。もとは、守屋陽介」


「どっちの名前で呼んでほしい?」


「正直、今の名前はまだ慣れない、です。でも、前の名前も嫌なことを思い出すし」


「自分では決められないのでしたら、サラにしておきましょうか。こちらとしてはその方が短くて呼びやすいので」


「それでいいです」


「では、サラ。あなたが転生した時のことを教えてください」


「え? でも、ムツキさんも転生したんじゃ」


「わたしは蘇生のための仮転生ですから。与えられる情報量などに差があったかもしれません」


「そうなんですか? じゃあ最初から」


 僕は、学校でいじめられていました。理由は、暗いから、とか、ダサいから、とか言われていたけど、たぶんほんとはそんなのはどうでもよくって、ただ、たまたま目についた、やってみたら面白かったとか、そんなのだと思います。

 僕も、反抗したりする勇気もなかったし、でもいじめはどんどんエスカレートするしでもうどうしたらいいかと。死んだら楽になるかな、とかも思ったけど、自殺する勇気もなくて。明日の朝になったらあいつら死んでくれればいいのに、とか。

 で、ある日いつものように、あの辺から飛び降りたらどうだろう、でも痛いだろうなぁとか考えながら歩いていたら。

 上から人が降ってきたんです。

 飛び降りだったらしいです。で、それが直撃して僕が死にました。飛び降りた人は助かったらしくて、僕が助けたことになるって言ってました。

 あ、そうです、なんか、ですねですね、言ってる人?でした。

 で、転生できますけどって言われて、それならやり直したいなって。

 ただ、やっぱり人に対する恨みも結構あったから、なにか希望はありますかって聞かれたときに世界を滅ぼす力が欲しい、って答えたんです。そうしたら、望みをかなえるだけの力は与えますが、うまく使えるかどうかはあなた次第ですね、って。同じように転生して世界を救いたいと願う人もいるんですね。とか言ってました。

 で、魔法や世界の説明とかもあって。転生して、そのことを思い出したのは二年くらい前かな。それまでは普通にこの世界の子供として過ごしてました。

 最初はそれはびっくりしましたよ。だって、僕、女の子になってたんですから。確かに性別については特に言いませんでしたけど、普通合わせると思いませんか。

 あ、そうでしたね、ムツキさんもオスになってたんでしたっけ。あの人、人じゃないかもだけど、その辺は気にしないタイプだったんですかね。

 まぁ、とにかく、そんな感じでした。


「わたしの場合よりは解説がついている分手厚かったようですね。ただ、要所に適当な感じは変わらないようですが」


「正直、記憶が戻ったとき結構絶望しました。だって僕、気持ち的には男なのに、結構かわいいんでバンバン男が寄ってくるし。それまでの僕は、それをまんざらでもない様子であしらっていたんですよ」


「最初から記憶があったわけではないんですね」


「ほんとに突然思いだしたって感じです」


「で、絶望して魔物をばら撒いたと」


「あの魔物が、ですねさんの言う望みをかなえる力ってやつだったんです。ただ、僕は失敗しちゃったみたいで全然世界滅ばなかったんですけど。むしろ形だけでも人類みな兄弟、みたいな結束ができちゃって」


「望みをかなえるだけの力を与えるっていうのがポイントですね。使い方次第という」


「僕は結局、なにをやってもダメだってことですよ」


「一人でやろうとするからじゃないですか?」


「え?」


「誰にも相談せず、一人で考えて、一人で実行するから行き詰るんですよ」


「でも、世界滅亡の相談なんて・・・」


「そうですね。計画実行の前に止められるでしょうね」


「じゃあ」


「だから、それでいいじゃないですか。人に相談する。原因も話す。そうすれば、何か解決方法が出てくるかもしれない。あなた、どんな人の考えも読めるのですか? そんなに頭、良くないでしょう」


 (そこまで賢いなら、逆に世界を滅亡させようなんて考えないだろうし、もっとうまく世間を渡って行けただろう)


「ムツキさん、なかなかひどいですね。でも、そうですね。誰でもいいから話してみればよかったのかもしれませんね」

 

 苦笑交じりにサラは言った。


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