再生の練習~動物編~
呪文を覚え、魔力の動きもなんとなく掴めたところで、例によって動物での練習をすることにした。
指の欠損など、人間ではそうそうないケガでも、動物、特に鳥や小動物などでは案外よくあることのようで。しかもそれが生活に直結してくるわけだから、治せるものなら治してほしいとやってくる。
「じゃあメジ、麻痺の魔法、お願い」
「まかせろ!」
結局、麻痺や眠りの魔法の補助はメジに手伝ってもらうことにした。オジョーだと説明が難しかったことと、繊細な調節ができなさそうだったからである。
最初は渋っていたメジだったが、
「こんなこと、あなたにしか頼めないんです(そもそも動物で練習してることを他の人は知らないし)」
というと、
「し、仕方ないなぁ、お前がそこまで言うなら。ま、麻痺とか俺学校でやってるし。結構得意だし」
などと言いながら承諾してくれた。
そして、本人が得意だと言っていたとおり麻痺の魔法も狙ったとおりの場所にうまくコントロールできているし、継続時間も実践に耐えうるものだった。もちろん、わたしのスピードであれば、の話だが。
メジの魔法で痛覚を遮断している間に、新しいキズの場合は軽くデブリードメント(傷口を滑らかにしたり、汚れを取ったり)し、すでに塞がっている場合は切開を行う。それから〈再生〉。
この再生の魔法自体は、わたしにとっては魔力を合わせたイメージが変化の術とよく似ていて、ともすると治癒の魔法より早いんじゃないかというくらい簡単だった。
ただひとつ問題だったのは、動物というのは種によって指の本数や姿形、質感などもそれぞれ違うわけで、わたしのイメージだけではどうしても限界があったということだ。他の部分に損傷がなければそちらをもとに作ることもできるが、鳥などでは羽の長さが少し違うだけで飛べなくなってしまったりすることもある。だからどうしてもその動物自身の記憶を使わないといけないのだが、なにせ動物である。言葉では細かいところがうまく伝わらないので、遺伝子などから引っ張り出せないかと試行錯誤する必要が出てきた。
結局、何度か試すうちになんとなく感覚が掴めたところで今回の練習はお開きとなった。




