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朝の騒動

「オジョー!! 起きて! 早く人間に戻って!」

 

 慌ててオジョーに声をかけながら自分も人型の“ムツキ”の姿に化けなおす。

 サイズまでネコに戻っていたわけではないから、変化が解けたわけではないがこの姿を誰かに見られたらややこしいことになる。


「ん~っ! あらムツキさん、おはようございます」

「おはよう! そして早く人型に!」

「ムツキちゃーん、オジョーちゃーん、そろそろ起きる時間よ~」


 折り悪く、ドアの外からマリアさんの声。


「は、はーい! 今行きます! ほら、オジョー急いで!」

「ここのお布団とっても気持ちがいいですわ。だからもう少し・・・」

「だめだよ! ここは人間の町なんだから、時間は守らないと」

「・・・わかりましたわ」


 なんとかオジョーを変化させ、食堂に行くとすでに食事の準備がされていた。


「おはようムツキちゃん、オジョーちゃん」

「おはようございます。すみません、遅くなりました」

「いいのよ~、久しぶりのお友達だものねぇ。ゆっくりできたかしら?」

「えぇ、ムツキさんともたくさんお話できましたし。感謝しますわ」

「今日はどうするの?」

「あの、できれば二人でこの町を見て回ろうかと」

「あら、それはいいわねぇ。ムツキちゃんもここに来てからあまり外に行ってないし、いい機会じゃない?」

「うん、いいと思うよ。でも本当に二人だけで大丈夫? 案内が必要なら、」

「あ、オジョーがお世話になっている人の所にも向かう予定なので」

「そうかい。なら、安心だね。楽しんでおいで」

「ありがとうございます。・・・?」


 オジョーがえらく静かなので隣を見てみると、無言かつものすごいスピードで料理を口に運んでいた。


 スッ、スッ、スッ、スッ


 なんともリズミカルで、どこで飲み込んでいるのかと思うくらい手が止まる時がない。

 それでも、きちんとナイフとフォークを使い下品に見えないように食べているのは流石というか。


「オジョー、美味しい?」

「・・・えぇ、とてもおいしいですわ。人の料理というものはすごいですわねぇ」

「人の?」

「あ、この子自分の家でしかご飯食べることがないので! よその人が作った料理ってことだと!」

「そうなの? まぁ、お口にあったのならよかったわぁ」

「マリアくんの作るご飯はどれも本当に美味しいからね」

「あら、ありがとうございます」


 こうしてオジョーの失言をカバーしつつ、なんとか和やかに食事を終え、片付けを手伝ったあと。

 わたしたちはこの町のボスネコに会うため神殿を後にしたのだった。

 


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