自由行動
社会見学の日からしばらくして。
何度かの同行の後、わたしたちは各自で町を歩き回る許可を得ることができた。
もちろん時間は限られているし、立ち入ってはいけない場所というものもあったが、今までに比べれば相当の自由がある。
「~、それから、日没までには集合場所へ戻ること。注意事項はこれくらいかの。では、解散」
「わーい! どこに行こうかな~」
「ぼく、気になってるご飯屋さんがあるんだ」
みな、楽しそうに思い思いの場所へ散っていった。
(さて、わたしもそろそろ)
「ムツキさんは、どこに行かれますの?」
「え? ぼくは、宿屋へ行こうかと思ってるんだけど」
(いろいろ情報がありそうだし)
「そうですの。なら、わたくし、ついて行ってあげてもいいですわよ」
「なにか知ってるの?」
「い、いえ、特にそういうわけでは」
「じゃあ別にいいよ、オジョーも好きなところを見てきたら?」
「でも、一匹では迷ってしまってもいけませんし、わたくし今日はこれといって用事もありませんもの」
「そう、なら一緒に行こうか」
本当は単独行動のほうが気楽でよかったのだが、どうも離れそうにないし、まぁ仕方がない。
彼女は目立つから、いざというときには囮になってもらうかもしれないけれど。
こうして、わたしたちは二匹で宿屋へ向かうことにしたのだった。




