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第一の試験

 翌日からの試験期間は、予想以上に大変なものだった。


 わたしは元来、超朝型である。

 国家試験の勉強をしていた時ですら、夜は早く寝て朝起きる時間を早める方法をとっていた。

 だから、いくら体がネコでしかも子供になっていて、睡眠時間が延びているといっても夜に寝る時間が取れるのであれば時間通りに教室に向かうことなどわけない。

 しかし、この試験思わぬところに罠があった。

 

「・・・来ない」


 そう、来ないのだ。オショーさんが。

 いくら時間通りに登校したところで、確認者が来なければ意味がない。

 なので、まずオショーさんを迎えに行くところから始めなければいけない。


「起きてください、オショーさん」

「ふぁぁぁ~。君はずいぶんとまじめだのぅ」

「はやく先へ進みたいので」

「・・・・・・」

「ねないでください!」


 こうしてなんとか時間までにオショーさんを教室まで引っ張っていくのが毎朝の日課になった。

 ちなみにオジョーは、毎回時間ギリギリに滑り込んできて


「ま、間に合いましたわ」


 としばらくゼイゼイしている。


 そして、この後は初日と同じようにグレー、チャトラ、クツシタがやってくるまで待ち、昼食へ。

 午後は、自由時間という名のお昼寝タイム。


 なんという無駄時間‼

 ありえない。学生の本分は学習することである。

 しかし、オショーさんにそう告げたところ


「猫の本分は寝ることである」


 などと返されてしまった。

 

 それでも何とか1週間を乗り切り、


「うむ、合格だの。シロもオジョーもよくやったの」


 やった、これでようやく少しはましな授業を受けられる。と思ったのだが、


「次回からは午後に人間の生活についての話をしようかの」


 うーん、微妙。はやく化ける方法を教えてほしいなぁ。でも、まったく何もないよりはましかな。この世界のことについても知っておいたほうがいいだろうし。ただ、オショーさんの話というのが少し引っかかるところだけれど。

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