第4話「帰る為に」
ご愛読いただいている皆様、大変長らくおまたせいたしました。
そして放置してしまっていて本当に申し訳ございません。
リアル多忙と言うのもありますが、なかなかにモチベーションが上がらず続きを書くことを怠ってしまっていました。
本当であれば、昨日には投稿しているつもりでしたが、体調不良などでずれ込んでしまいました。今後、今日を基準に1週間に1回を目処に投稿を頑張りたいと思います。
と言っても、今日は祝日であるために余裕があったの……ひとまず、余裕の出来やすい土日を目処にしています。明確に日時を固定できませんが、ご了承いただければと思います。
戦い好き。見た印象では、そうとは感じさせないどころか、戦いなんてしたことがないと思わせるくらいの印象だったのにもかかわらず、一瞬聞こえた冷徹過ぎる声、そして見せつけられた銃。見慣れていたからよかったものの、そうでなければおそらく、紗菜枝ですら気圧されているところだっただろう。
ライノがこう言ったのなら、彼女の戦闘能力はおそらく紗菜枝のそれを上回る。文字通りの全開でやったとしても勝てるかどうか、というところかもしれない。
簡単に想像できた紗菜枝は、断る意志を決めると、改めて口を開く。
「いや待て待て、相手の方は戦闘の意思ないって言ったばかりだろ」
口を開きかけ、しかし遮られる。聞こえたのは、男性の声。
あたかも空間に窓を作ったかのようにして現れたのは、漆黒の翼を持った男性だった。
「あはは、そうでした」
そんな言葉すっかり忘れてたという感じで頭に手を当てる少女。
「すまんな、こいつは強い奴がいるとすぐこうなるから、スルーしてくれ」
現れた漆黒の翼の男性はさらっとした言い方で謝ってきた。
「えーちょっと、酷くない?」
「事実だろ?」
男性がそう言い切ると、少女の方は膨れてそっぽを向いてしまった。
「さて、あそこ……時空宮殿に用がある見たいだが、その前に確認だ。キミは何者だ?」
「……」
男性の質問に、紗菜枝はどう答えるべきか迷った。当然な質問ではある。どうにも時空宮殿に住まう関係者なのは間違いないと思われるのだが、相手からしてみれば自分自身は初めて会ったばかりの赤の他人。紹介してくれる仲介役がいるわけでもなく、単に“世界の王として名が知れているその人がここにいる”という話を聞いただけなのだ。
((ライノ、どう答えるべきだと思う?))
考え倦ねた紗菜枝は名高いアルタイル一族の相方に聞いた。
((あん? ありのままを答えればいいんじゃねーのか? 相手は少なからずこの世界の管理者、或いは関係者なんだろ?))
なるほど、と納得する。説明を受けてきたこの場所は“世界の王がいるとされる場所”なのだから、その関係者でなければおかしいだろう。
「八神、紗菜枝。外から、来ました」
気持ちを整え、肉声で言う。
ありのまま、と言っても、この状態では言えることも限られるので、マルコの時にそうしたように、真剣に相手を見た。
「ん、おっけーおっけー、間違いなさそうだな。キミのお友達から話は聞いてるよ、八神さん。話しやすい話し方で――――((お友達!?))――――おふ……」
合格だと言わんばかりの表情でOKサインを出す男性。だが、そんな姿に目もくれず友達と言うキーワードにおもいっきり反応してしまい、はんば遮り気味で念話を飛ばしていた。
相手はといえば案の定、言い切る前に頭のなかに直接その言葉が響くものだから若干頭を抱えていた。
((あ、すいません……))
「いや、いいんだ」
頭を抱えつつもそう言ってから暫くすると、収まったのか抱えるのをやめてこちらに向き直る。
「とりあえず、この場じゃなんだ、座れる所でゆっくり話そう」
((わかりました。ですが、ちょっと待ってもらっても?))
男性の提案に頷くが、一旦待ってもらう。それは、あることをするため。
「――――デザイアリリース」
もう戦う必要はない、そう判断したため、魔力を消耗する戦闘形態を解除したのだ。
一瞬の光に包まれると、紗菜枝の姿は元に戻っていた。
男性は、それを見て特段不思議そうな顔もせず、それを見届けると、建物に向かって進み始めた。紗菜枝も、自然の静寂に包まれる森の中に屹立する、その荘厳な建物へと向かう。
「紗菜枝!」
が、その行動は、遮られた。下から減衰することのない異様な速度で飛んでくる一人の女性によって。
((ちょ、七花!?))
あまりにも勢いのある飛び込み故か、紗菜枝は驚きながらも、相手の勢いを若干殺しつつそれを受けた。
「……良かった、本当に。また会えて嬉しい」
「すみません駿希さん、いきなり飛び出してっちゃって……」
過剰すぎるほどの速度で飛んできた女性、七花とは正反対に、ゆっくりとこちらに向かってくるのは、何やら典型的なメイド服を着込んだ金髪ショートの女性だった。
「いや、いいさ。こうなることは半場予想してた」
「ふふ……流石駿希さんですね」
当の2人は、空中で暫く抱き合ったまま、身動ぎ一つせずただただ留まっていた。お互いの無事を確認し、こうして再会出来たのだから、当たり前でもある。
((……七花、そろそろ……見られてるし、待たせちゃ悪いし))
「……ん。そうだね、ありがと」
2人にしか聞こえない声でそう言うと、2人は抱き合った状態から離れた。
「ごめんね、おまたせして」
「気にするな。君らの再会を祝うよ」
((ありがとうございます))
「さて、遮られちまったが、座れるところに行って話そう」
紗菜枝と七花は、顔を見合わせお互いに頷き、了承した。
紗菜枝達の世界で言えば、その大きさはまさに宮殿そのもの。見上げるほどに大きく、その見た目からはどれ程の人間を収容してもあまりあるのではないかと思わせるほど。
山の上にこんなものが建てられているのだから、 遠方から見た時のあの美しい自然が成す光景を壊してしまうのも頷ける。近くにいかなければその姿を見ることはできない、そう聞いた時は納得いかなかった部分もあったが、今では納得できる。
空中から地上に降り立ち、暫くその庭園を歩くと、正面入り口らしき場所が見えてきた。巨大な建物の見た目の割に、入り口は至って普通の家庭を思わせる入り口だった。その様は違和感を覚えそうだが、しかし周囲の建物の造形がそうは思わせない。
周囲はこれまた静かな印象を漂わせる水をふんだんに使った造形が施されている。丁寧に手入れされた庭園なのだろう、その空間はそこにいるだけで安らぐ。
その庭園の周辺は隔たりを設けられておらず、上手く自然がなす景色を崩さぬよう一体になっていた。いや、もしかしたらこの周辺の自然さえ、手入れされた空間なのかもしれない。
「キミにはわかるみたいだね、この自然の良さ」
周囲に見惚れていると、男性が唐突に話しかけてきた。
((……はい、丁寧に手入れされてるのに、それでいて自然に溶け込んでる。どうしたらこんな手入れの仕方が出来るんです?))
「それは答えられない質問かな。端的に言えば、手入れされてるように見えても、それは手入れしなきゃならない水流造形部分くらいなもので、木々の方には一切手を加えてないんだから」
驚きの言葉だった。水流造形はどうしても人の手で作られるものであり、綺麗な状態を維持するために手入れする必要があるからそうしているのだろうが、自然の方は一切手にかけていないのだという。
((え、でもそうなると、ここまで綺麗な庭園は……))
「そうだな。これの理由は、その手のエキスパートがいるからとだけ言っておこう。こと自然の在り方に関しては俺よりよっぽど詳しいからな……っと」
ちょうど話が終わる頃にその入口につくと、男性が取っ手に手をかけ、その扉を開け放つ。出入りする人間の数も比較的多いためなのだろう、その入口は両扉式になっているようだ。
「改めて。ようこそ、ここ夢幻夢想之郷、時空宮殿へ」
手厚い待遇を受けながら、促されるまま中へ。
外の見た目同様、内側も相応に造形に彩られており、しかし決して派手すぎず程よいものだった。
入ってすぐのエントランスホールの二股になっている階段の間を通りぬけ、奥にある部屋へと進んでいく。
再び両開きのドアを開けると、そこに広がる空間は、先程まであった宮殿の印象は吹き飛んだ。一枚の壁の隔たりの向こうは、もう一般家庭を思わせる。但しその大きさは一般家庭のそれではない。おそらく、一般に住むと想定される人数よりも多人数になることを想定された作りだ。
それ故に、収納家具も比較的多く設けられているようにみえる。テーブルも比較的大きめであり、椅子の数も多い。それよりも驚きなのは、紗菜枝たちの世界では比較的普通な、テレビや冷暖房器具といった、家電製品類が多いことだ。世界が違うのにもかかわらず、こうまで置かれている家具類が似通っているのは余り例がない。
紗菜枝たちの世界がそれだけ発展しているという証拠でもあるのだが、どうやらこの世界は紗菜枝たちの世界と同等レベルまで発展しているのがよくわかる。マルコと出会った地域とは真逆である辺り、彼の言っていた通り発展レベルは地域によって大きく異なるのだろう。
「まぁ、とりあえず適当なところに掛けてくれ。お茶でいいか?」
((あ、はい、ありがとうございます))
「私もそれで大丈夫よ」
「エリカ、いつものとお茶二つ」
促されるまま、紗菜枝と七花は目についたローテーブルのあるソファへと腰を掛ける。テーブルの方がいいのではないかと思うところだったが、手で促されたのがこちら側だったのでこちら側にというところだ。
座ってからしばらくすると、金髪ショートヘアーの女性がお盆に湯のみとマグカップを乗せて運んできた。
「お待たせしました」
どこかのお店に来たのだろうかと思わせる言葉遣いだったが、一応客人なので当たり前かと考えなおす。
目の前に置かれた湯のみからは、ほんのりと心地の良いお茶の香りが漂ってきた。湯気が見える辺り、かなり熱めなのだろう。
男性の前に置かれたマグカップにはお茶とは違うものが入っているようだ。漂ってくる香りや色からして、紅茶だろうか。
ちなみに紗菜枝はコーヒーでも紅茶でもお茶でも、その時の気分で変えるくらいでなんでも好きである。
七花はコーヒー派であるため、彼女と一緒にいる時は大体コーヒーになる。
一礼をして離れていく女性を尻目に、目の前に向かい合う形で置かれているソファに男性が座り、そのソファの後ろに最初に出会った青髪の少女が立つ。
「そういえば、聞いておいたのに自己紹介がまだだったな。俺は羅馳 駿希。恐縮ながらこの世界の王をやらせてもらってる身だ。こっちが長泉 小菜雪」
「よろしくね」
((よろしくお願いします))
軽く手を振ってにこやかに挨拶する小菜雪。紗菜枝は言いながら軽く会釈した。
七花はすでに紹介を受けていたのか、特に返す様子もない。
「さて、どこから話したものか……」
手をこまねきながらしばらく考察する駿希。数秒ほどそうしてから、手を解くと膝に当て、やや前のめりの姿勢になって紗菜枝と向き合った。
「ここに来たってことは、おそらくはこの世界のルールについてもある程度教わってるんだろう。それを踏まえた上で、何か聞きたいことはあるか?」
((聞きたいこと、ですか))
駿希の言葉を繰り返すように言うと、しばらく考える。
((この世界の成り立ちや趣き、ルールとか、改めて聞きたいことは沢山あるのですが……でも今は、それよりも))
そう言いながら、紗菜枝は七花を見て、頷きあうと、再び駿希を見据える。
((帰る方法を知りたいです。私たちには、待たせてる人がいますので))
そう、再会が叶ったのであれば、今度は、帰るべき場所へ。自分たちを待つ人たちの元へと帰るのが、最優先事項だと言えた。
「帰る方法……か。この世界は、来るもの拒まず去るもの追わずの世界。それが望みなら叶えてやるのは難しくないんだが……」
駿希は、言いづらそうに話始めた。
「君らの世界、名称はわからんが、俺の推測する限りじゃ……恐らくはすぐには無理だ」
驚きの事実だった。これまで聞いてきた限りでは、その程度なら造作もないだろうと推測していただけに、驚きと同時にショックも大きかった。
「それは何故? あとならできるのに、すぐにできない理由は?」
「理由はいくつかある」
七花の質問に、駿希は真剣な顔でそう返す。
右手を上げ、人差し指を立てた。
「まず一つ、この世界……と言うより、この次元世界周辺は特になんだが……どういうわけか、天希能力以外の力を用いての内外からの出入りができなくなってる」
駿希の言葉に、紗菜枝と七花は顔を見合わせる。
心当たりがあるが、今は続きを聞く事に集中するため、再び駿希を見据える。
それを見た駿希は、再び手を上げ、人差し指と中指を立てた。
「……二つ、これは俺の推測だが、おそらく君らの時空と俺らの時空は異なる世界であるという事」
驚きの言葉に、再び顔を見合わせる二人。
「それって……」
七花が何かを言おうとするが、駿希が手で制止した。
その後、親指と小指を折る。
「三つ、君らの世界の事をよく知るであろう人物、俺らの仲間の一人が、今は不在であるという事」
そこで初めて、駿希は一息ついた。
「少なくとも、そいつがいない限りは、一つ目の問題が解決しても、君らを元の世界に帰すのは難しい」
駿希は、静かに事実を告げた。
((……どちらにせよ、しばらくはここに滞在しなきゃいけないのですね))
「帰還要請は出してるけどな……はてさていつ戻るのやら」
ブツブツと何やら小言をいい始めた駿希。
「……ともかく、気になる点があったようだから、聞いておくとしようか?」
しばらくそうしていた駿希は、ふと思い出したかのように、そう切り出す。
((……一つ目、なんですけど、恐らく私達の世界でも起きていたことなんじゃないかと思います))
駿希が上げた、一つ目の理由。次元世界内外からの出入りができないという事象。これには、心当たりが合ったのだ。紗菜枝たちの世界でも、“天希能力のみではない”という点を除けば、次元世界内外の出入りができない状態となっている。
ではない、と言うのは、体内で生成される魔力を用いて転移を行使すれば、近い距離であれば不可能ではなかったということだ。魔法が使えなくなっている現在、部隊の方ではそうした臨時対応によって通常業務を続けている。
この話を持ち出したのは、何か力になれないかという思いからだ。
「……ふむ。ということは、式柳さんのあの傷は……あいつらのもの、ってことか」
((傷、といえば、七花、無傷なんだね……))
「そう言えば、その件について話してなかったな。式柳さんは、背面の半分が無くなってるんはないかというくらいの重症だったよ。はっきり言って、臓器の損傷状態はひどいの言葉に尽きた。俺の目の前に現れてなかったら出血多量で死んでてもおかしくないところだ。頭が殆ど無事だったのは不幸中の幸いってところか」
驚きの言葉だった。
「……どんな技術力よ。そんな状態から短期間で無傷にまで回復させるなんて……」
「技術じゃねえよ。時間操作と再生操作、それがあるからこそなせる、俺だけができる業だ」
更に驚くべき言葉。
((……仮に、そんなことができる能力が実在するのだとしたら……Sランクは軽く超えてることになる……))
「人の身でSランクより上はありえねーってか? ここ夢郷じゃそれが普通だ。そもそも人じゃない存在も居るんだからな。……話が脱線したな。ひとまず、君らの世界でもフェニミズは存在することがわかった。それならなおのこと、君らを帰すわけにはいかなくなる」
「……どういうこと?」
「出会ったのなら知ってるんだろう、奴らの特性を。軽く傷をつけただけで、その破片から無数とも言える数に増殖する……粉々に斬り伏せようと何しようと、奴らは留まることを知らない。いま現時点でわかる唯一の対処法は、存在もろとも消し去ることのみ。……動きを封じて無力化するのは難しくないが、長くは持たない。そんなのが無限にも等しい数で存在しているとされる現状、君らのような子は特に、“守らなければならない”存在だからだ」
その言葉に、二人は顔を見合わせる。
「……それなら、心配無用ね。私達は、一部隊を率いる隊長クラスの魔導師だもの」
((どんなに強大な敵が相手であろうと、私たちは“守られる側”ではなく“守る側”です))
強い眼差しで、そういい切る二人。
「……頼もしい限りね。駿希、多分引かないと思うよ、この子達」
それに反応したのは、駿希ではなく小菜雪だった。
「の、ようだな」
静かに立ち上がる駿希。
「なら、少しばかり君らの戦いを見せてもらおうか」
予想もしない言葉が帰ってきた。
「……そんなことしてる暇が――――」((七花、待って))「――――え?」
そんなことをしている暇があるのなら、他に帰る手段がないか、模索しようと考えていた七花だが、紗菜枝に遮られた。
駿希の言葉に応じるかのように、紗菜枝も静かに立ち上がる。
((お手合わせ、ということでしたらお受けします。ですが、その前に一つ……今いないというその方が帰れば、結果はどうあれ帰してくれることは、間違いないんですよね?))
「……確実に約束できるのは、事が解決してから、だな。早急に帰りたいのであれば、実力で示せ」
((……わかりました))
駿希の言葉に、若干考察しつつも、そう答える紗菜枝。
「紗菜枝、そんな安請け合い……」
((違うよ七花。戻った時に、全力で戦える自信、ある?))
「……」
紗菜枝の質問に、七花は答えられない。当然だろう、魔法が使えない期間がどれほどあったというのか。1日や1週間何ていうものではない。既に2ヶ月以上が経とうとしているのだ。まず間違いなくブランクが出る。
((ブランクから復帰する……それができるのは今しかない。それに、もしかしたら彼らがフェニミズと呼んでるあれの新たな対処法も、もしかしたらわかるかもしれない))
紗菜枝の言葉に、駿希の目つきが変わった。だが、何を言うでもなく静かに見据えるだけだった。
「……わかった。紗菜枝が言うのなら」
そう言って、七花も立ち上がった。
「……決まり、だな。よし、付いてこい。試練場に行く」
そう言って、駿希は歩き始めた。小菜雪もそれに続き、そして紗菜枝と七花も続く。
入ってきたところとは別の出入り口を通る。高い位置に作られているのだろう、リビングルームのような場所から階段を数段上がる。その入り口から垂直になる形で伸びる廊下を右に進み、しばらく歩くと、突き当たりが見えてきた。途中、幾つもの扉が見えたあたり、この建物の広さがうかがえる。
扉の前まで来ると、ようやくそこで足を止めた。
「ここだ」
そういいながら、扉を開け放った。
中は驚くほど白だった。奇妙なのは、境界線が一切見えないことだ。中央あたりなのだろうか、それすらわからない位置に、ポツンと何かの機械がある以外は白一色で塗りつぶされた空間。
「……なんですか、ここは」
「言ったろ、試練場だ」
「床も壁も天井もない、このよくわからない空間が?」
「はは、そう見えているなら君らの視覚は正常だな」
いいながら駿希は、機械のようなものに近づく――――どうやら、普通の部屋なようで、見た目の割に距離はないようだ――――と、それを操作し始めた。
機械のようなものは端末のようで、それも、最先端技術を用いているのだろう、ホログラムによる操作を行っているのが見えた。
「この空間は、無限空間だ。俺の空間操作能力を少しばかり応用している空間でな。もともとこの建物は、時空宮殿は外と中で相当に敷地の広さに差があるが……ここはその極地とも言える場所」
キーボードを叩く手が、最後に大きく動くと、周囲の景色が、白一色から一転した。
そこは、不可思議な入り口がある、という点を除けば、いつの間にか大自然のど真ん中に立っているとさえ錯覚してしまうほどの変化だった。
「そこに、ある人物が開発した仮想実現のプログラムを走らせることで、この試練場は完成した」
その場に存在する出入り口の存在を除けば、見た目は大自然そのものであるこの空間。
駿希は、その入り口に戻ってきて、近場の木に手を触れながら、そういった。
「こいつはホログラムなんかじゃない。実在するものであり、そしてその作りは細部まで本物に近く作られた模型。いや、もう本物といっても大差ないものだな」
触ってみろ、そう促されている気がして、紗菜枝も七花も、駿希につられるようにして近場の木に手をつけた。
「え、凄い……」
((本物見たいです……というか、本物なのでは?))
「再現率は全体で90%、ってところだな。生命がいないことを除けば、本物と思ってもらっても問題はない」
触った感じはもちろんのこと、嗅覚や聴覚までも、まさしく森の中にいると断定できるほどのもの。生命がいないにしては、鳥の鳴き声や虫の鳴き声など、自然の音も聞こえる。
「実際には異なる空間に移動してるとか、そういうのじゃないんだよね」
「そりゃもちろん。鳴き声が聞こえるのはただの音声にすぎないさ。さて、そろそろ始めるとしようか」
そういって、駿希が端末を操作し始める。
「この試練場は空間もそうだが、中にいる人にも特殊な影響を及ぼす。殺す気できてくれて構わないよ、この空間にいる限り、どんな負傷も何事もなかったことになるからな」
「それって……」
「難しいことを考えることはないさ。自分たちは最初から仮想空間に入り込んでいるとでも思ってくれれば」
駿希のその言葉に、納豆した二人。
((そういうことでしたら……))
「全力で!」
二人の答えに、うなづいて応じる駿希。
「ルールは単純だ。どちらかが戦闘不能、もしくは投降、続行不能と判定された場合、最後まで立っていた側の勝利。八神さんと式柳さんのペア、俺と小菜雪のペアでチームサドンデス。スタートの合図はベルが成る。行動可能範囲は無制限。まぁ、知るべきところはこんなところか」
そういって、駿希は小さく描いた白い線にできた空間に手を突っ込み、武器を取り出した。
「っと、そうだ、一つ言い忘れてた。時間に関しては気にしなくていい。この部屋は特殊仕様になっててな。外とは時間の概念が隔離されていて、この中で何かをしている限り、外の時間は一切進まん」
その言葉に、紗菜枝と七花は顔を見合わせた。そういうことであれば、時間を気にして過ごす必要はない。今を考え、できる限りの最善を尽くす、それだけを考えられる。
「それじゃ、各自解散だ。一定時間後、ベルがなるからな。それまでは攻撃なしだ」
そう言うと、端末のボタンを叩いた。それにより、入り口だった場所は完全に消え去り、隔離された空間となる。
「んじゃ、準備開始だ」
そういうと、駿希と小菜雪は同時に消えた。
「今のって……」
((わからない。魔力を使われた感じはしなかった。物理加速か、転移か……))
「多分、物理加速ね。時間操作とも言っていたから、その手の方があり得る」
紗菜枝はこくりとうなづく。
((場所は?))
「かなり離れてる。今もなお離れようとしてる動きはあるかな。私の認識範囲外に逃れようって考えか、別の意図か……」
((なら、エリアサーチ走らせておくのは?))
紗菜枝の言葉に、困惑する七花。
「え、それってルール違反に……」
((ならない。この準備時間は、あくまでも攻撃はなしって言われただけ))
なるほど、と納得する七花。
言われたルールは、決着の判断基準、スタートのタイミング、行動範囲、そして準備時間中に攻撃するのはなしということのみ。それ以外はこの部屋に関する蛇足というところであり、直接的にはルールに関与していないので除外してもいい。となると、このタイミングで攻撃以外の補助魔法を使うのありだということになる。
「……とりあえず、いつ始まるかもわからないし、戦闘準備だけでもしておこうか」
七花のその言葉に、紗菜枝はうなづいた。
「「――――デザイアトレース」」
二人同時に、紗菜枝は首のチョーカーに付けられたアクセサリーに触れながら、七花は右耳につけているハート形のピアスに右手を触れながら、そう言い放つ。
一瞬の光に包まれ、二人の姿は大きく変化する。紗菜枝は比較的軽装な装備で剣を構える。七花も見た目の上では軽装だが、紗菜枝ほどではなく、その露出は控えめ。燃える様な赤を基調とする色合いの服装に、オレンジのラインがある。形状は一般的なワンピース状か。
手に持たれているのはハート形の赤い宝石があしらわれた長杖。その雰囲気は、まさしく魔導師と言える雰囲気だった。紗菜枝とは対照的である。
「うん、大丈夫、行けそう」
七花は、つぶやく様にそう言った。
((うん、良かった。けど、クロハは?))
「大丈夫、いつも通り」
紗菜枝は、その言葉にうなづく。
紗菜枝の使い魔であるライノとは異なり、七花の使い魔であるクロハはほとんど喋らない。感情の起伏が貧しいわけではなく、単なる恥ずかしがり屋なのだそう。
「クロハ、エリアサーチ走らせてもらっていい?」
「わかりました、SASM展開します」
七花の言葉に応じた謎の声。その声は、七花の持つ杖、ハート形の赤い宝石から発せられている様にも聞こえた。
受け答えが終わると、その杖から赤い球体が出てきたかと思うと、一瞬にして遥か上空へ。その後に、拡散する様な挙動をすると同時に消えてしまった。
「SASM展開完了、マスターの状態に反映します」
そういうと、一瞬の七花の体が仄かに赤く光った。
((……どう?))
「うん、予想通り、私の能力の範囲外のところで潜んでる。距離2キロ、9時の方向」
七花の能力の認識範囲は大雑把に1.5km程。七花はこれを、自身の魔力とデザイアアクセサリーによるサポートでより広域に展開することで認識範囲を広げている。この状態になれば、最大で10kmもの距離を認識できるようになるのだ。
((……七花の認識範囲を知ってるってこと?))
「いや、そのはずはない。能力のことは知られてるけど……でもそれは、こちらも同じ」
小菜雪の方はわからないが、駿希は少なくとも3つの能力がわかっている。それ以上保有しているとも思えない。2つでもかなり希少な存在だというのに、3つ保有しているのだからそう考えるのが普通である。
((……七花は、どう攻めるつもり?))
「うーん……可能なら、各個撃破が望ましいんだけど……ひとまず、分断されないよう立ち回るのが確実なのかな」
((うん。それなら、私は小菜雪さんを狙う方向かな。見た感じ銃を使う戦い方だから、戦い方が似ているという点では私のほうがやりやすいと思うし))
「対して駿希さんは近距離型……大丈夫かな……」
((七花ならいつも通りなんとかしちゃうと思うけど))
「それは偏見――――」
戦いの方針を決めていると、七花の言葉を遮るように、突如としてうるさいくらいの音量でリリリン、リリリンと一定周期で鳴った。
「今のは……」
((ベルの音、だね。戦闘開始ってことじゃないかな))
言いながら紗菜枝は、七花がその方向に潜んでいると言っていた方向を警戒していた。
七花も警戒しつつ、更なる考察を図る。
「ともかく、今はやれるだけをやるしかない。情報が少なすぎるしね……」
((そうだね。……なら、わかりやすい方針として一つ。どんな状況でも、“二人で”))
「いつも通りってことじゃない……まぁでも、うん。了解です、八神隊長!」
微笑んでそう言ってみせた七花。紗菜枝も微笑み返してくれた。
((それじゃ、行こうか!))
そう言って、紗菜枝が動き出すのと同時か。
「――――ダメ、隠れて!」
能力によって感じ取った、相手の動きから推測し、紗菜枝に指示を飛ばすとともに、自身も木陰に隠れる。
紗菜枝がギリギリ隠れたタイミングで、自分たちがいたその場所を、“何か”が通過し、パスッという音とともに、地面に深々と刺さった。
「……あれは?」
しかし、七花にはそれが何かはわからない。
((弾痕。……場所移動してる?))
「若干。だけど、殆ど変わってない」
その後も、数発ほど銃弾が通過した。
((七花、少し不味いかもしれない))
「え……?」
((2キロという距離を、それも、見通しの悪いこの森の中を確実に射抜いてくる様な存在。私たちは移動してないから、それを狙ったという仮定もあるけど……仮に相手が私達の位置を、私達と同じように特定しているのなら、ちょっと無理をしてでも距離を詰めないと不利。ううん、勝てない))
「……なら、どうするの?」
((ひとまず、相手に位置を特定されているかどうかの確認をする。特定されているのなら、分断覚悟で、私が単独特攻する、もしくは、ある程度のところまでなんとか距離を詰めて、二人で攻め入る))
「待ちは選択肢にないってことね……」
((……移動しよう))
「そうね」
ふたりとも何かを考えている様子だったが、紗菜枝の言葉に、七花も動き出す。
銃撃は止んでこそいるが、特定されている可能性も踏まえ、木陰から木陰へ、身を隠しつつ素早く移動する。
ある程度離れると、二人は足を止めた。
((念のため、ここから私も念話に切り替えるね。相手に動きはなし。捕捉されているようには思えないけど……))
((うん、なら、バレないように確実に距離を詰めよ――――))
と言っている矢先に、近場でパスッという音が聞こえる。
((……どうする?))
それを聞いた紗菜枝は、そう聞いた。
((行けるところまでは、二人で行こ。それと、可能ならこっちから牽制はできないかな))
((……難しいと思う。当てる必要はないとしても、向こうは超長距離を狙撃する銃使い。下手をすると蜂の巣。この感じだと、完全な場所までは把握しきれてないから、当てられてないんだろうけど……やるにしても、後1キロは距離を詰めないと))
近づかなければ牽制も意味を成さない。ただ敵に居場所を教えるだけになってしまう。
超長距離からの牽制ほど、相手の妨げにはならないからだ。自分たちが行動しやすくするために攻撃を行い、攻撃を行わせないことを目的としているのにそれでは本末転倒である。
((そうよね、うん、知ってた))
七花は残念がることもなく、そう返した。分かりきっていたことだ。
((行こう))
紗菜枝に促され、二人は移動を開始した。
移動している最中も、銃撃は断続的に行われている。それはまるで、ここにいるぞ、と位置を示しているかのよう。
開始時距離を開けておいて、そのような行動をするのはどのような意図があるのか、全く見当がつかないが、七花の的確な指示のもと、銃撃を確実に躱しつつ距離を詰めた。
((相手に動きは?))
((ないわね……どうも、こっちを待っている感じがある……))
距離的には700m程か。それほどの距離を縮めていながら、未だに相手は場所を変えたりしていないという。
ここまでくると、なぜ距離を開けたのか、その意図がわからない。どころか、断続的ながら未だ行われている。それは、七花の言うように、わざと自らの場所を教えているようにすら思えるのだ。
さらにしばらく移動を続ける二人の。近づくほどに銃撃をの音と弾丸が近くを射抜く音の感覚が縮まる。
「――――っ!」
突如、七花が杖で何かを受けるように構えた。
その刹那、ガキンという鉄同士が当たる音が響き渡る。
「ひゅー。流石に空間把握能力所有者は違うな、空間移動でも不意打ちにならないとはな。だが、俺の方にばかり気を取られていてはまだまだだぞ?」
七花はそれを聞くと同時に、剣を抑えている杖を持つ腕の力を抜き、一瞬の油断を作ると同時に素早くその場から斜め後ろ飛びに回避行動をとった。だが、その言葉は脅しなのか、それ以上のことは起きない。
「おおう、驚いた。そっちはそっちで既に対応済みか」
見れば、紗菜枝は既に事が起きている時点で行動を起こしていたようで、小菜雪と対峙しているのが確認できた。どうやら、小菜雪が銃撃を行っていたが、それを紗菜枝が阻止したものらしい。七花はこれを空間認識能力によって把握する。
「甘く見ないで。あれでもうちの隊の隊長なんだからね」
「これまた驚きだ。キミじゃなく喋れないあの子が……へぇ。気になる事が一つ増えた。さくっと終わらせますかね」
言うやいなや、駿希は両手に持つ4つの剣を爪のように切り裂くようにして奮ってきた。
「さくっとって……舐められたものね――――ファイア!」
言い返しながら、七花は容易く躱し、カウンターとして炎を纏う魔法弾を幾つか放つ。
だが、大振りな行動であったにも関わらず、駿希もこれを容易く躱してみせる。
「ほれ、隙あり」
おおよそ、それと同時なのか。気がつくと、七花の腕の部分で、服の一部が裂け、切り傷が入っていた。
「……いまのは」
「部分転移までは予測できなかったか? ま、そっちの天希能力が割れててこっちが知られてねーってのもフェアじゃねーし、一つ教えておこう。俺の天希能力の一つは時空操作。時間と空間の概念を同時に持つ能力だな」
七花は、それを聞いた瞬間、考えを改めた。空間の能力と時間の能力、二つの能力ではなく、それら二つが一つの能力であるということ、そしてそれはすなわち――――
「小細工は通用しないってことかしらね――――ブラスト!」
言いながら、杖の先端から赤い光線のようなものを複数弾射出する。
「そういうこったな!」
駿希はこれを避けるのではなく剣で受け、全てを消し去る。
「どうした? その程度じゃ俺らは倒せないぞ」
「どうかしらね?」
「何……?」
『ちょっと駿希! こっちまで巻き込まないでくれる!?』
七花の不敵な笑みとその言葉に、怪訝そうな顔をした駿希。それと小菜雪からの怒声が飛んできたのは同時だった。
「おおう? そんなつもりはなかったが。 なるほどな、そういうことか」
そう、七花は何も駿希だけを狙ったわけではない。ポジションから言っても、ちょうど小菜雪たちがいるのは駿希を挟んで、直線のライン上。つまり、七花は駿希を狙う光線を複数弾放ちつつ、そこに紛れさせて紗菜枝を援護したのだ。
「こうなると、俺はとめらんねーな、こな、そっちに飛んでったのはそっちで処理してくれ」
『……割ときついかも。この人、相当できる』
「……こなにそう言わせるとは、相当だな、そいつは。まぁ、善処はするが、期待しないでくれ」
応対する駿希。七花はそれを隙と見て、待つこと無く攻撃するが、特に苦もなく躱すあたり、言葉とは裏腹に実力は相当なものだということが伺える。
「――――バスター・クロス」
七花は言いながら、交差させた手を解き放つかのような挙動を取ると、二つの光線が放たれる。
明後日の方向に放たれたかと思われたそれは、一定距離を進むと垂直に進路変更し、駿希がいる位置を交点とするかのような挙動を取った。
「おおっとこれは!」
慌てて後退した駿希はしかし、それは失敗だったことに気づく。
『ちょ、こっちも!? 駿希気をつけて!』
その光線はその後も交差と進路変更を繰り返して飛び、小菜雪のところまで及んだ。
それだけではない。
「ぐっ!?」
痛みを堪えるかのような声。それを漏らしたのは駿希だ。
「……ってぇ、本命はそっちか」
紗菜枝側から飛来した、白い光線に直撃したのだ。
((いいよ、今ので!))
((うん……!))
思念会話を通して紗菜枝とやり取りする七花。
「こいつァ参った。この距離で連携取られるとは思っても見なかったわ。ほんと、甘く見てたらしい。……そしたら、ここからはちょっと本気で行かせてもらおうか」
言うと同時、フッと姿を消した駿希。
「やば……」
七花は構えるが、何も起きない。油断せず、精神を集中する。
数分、いや、数刻が過ぎたか、そうと思えるほどに気の遠くなるような長い時間を過ごしたように感じる七花。実際にはわずか数十秒という時間。気を緩めなかったことで、それは見えた“空間の揺らぎ”。
「――――来たれ、業火『クロスファイア・ウォール』」
自身にも聞こえるか怪しいレベルの小さな声で、詠唱を唱え、“合わせる”。
駿希が現れるのと、七花の魔法の発動が完了するのはほぼ同時。
足元に展開された2つの魔法陣から現れるは、2つの火の柱。それが斜めに生成されることで、交点を作り、支柱とし、巨大な炎の盾を生成した。
「おあちちっ!」
炎の盾を突き抜けて七花の頭上を通過した駿希。
「あちゃー丸焦げ。やってくれるねぇ全く」
丸焦げ、というほど真っ黒にもなってないが、駿希の姿はあちこちが焦げており、見るも無残な姿になっていた。
「だが、これでチェック。どうしますよ?」
駿希は剣を突きつけながら、そういう。一歩でも動けば、即座に切られるだろう位置にいた。チェックメイトではないのは、未だに生成されたままの炎の盾の存在や、七花という少女が未知数であるがためだろう。
「ただのチェックなら、返し手はいくらでも!」
そして実際、七花には返し手はあった。七花自身が、炎の盾のある側へ、飛び込んだのだ。
「そりゃ自滅ってもんだろ!?」
流石に驚いたらしい駿希が、そんな声を上げていた。だが、七花にとっては自滅でも何でもない、一つの技である。炎の盾をカモフラージュとして、七花は紗菜枝のいる方向に視線を向ける。
「――――リープ!」
そして同時に、跳躍した。
――――果たして、この戦いの行く末は。
ここまで読んで頂き、誠に感謝です。
さて、第4話、字数にして6万字以上という状態になってきていますが、少しばかりお知らせです。
本当なら前書きで書くこと何でしょうけれども、遅れてしまいそうなので後書きにてお知らせとなります。
まず、長らく放置していたためにどのような内容だったか忘れてしまっている部分もありましたので、推敲がてら第0話から自信でも読み直しています。
その過程で設定変更や誤字脱字、おかしなところの修正などが何箇所かございます。
次話投稿までに、第0話~第3話までの全体を修正予定ですので、次話投稿時には皆様も復習がてらということで読み直していただければこれ幸いです。
もちろん、物語が変わってしまうかのような大きな改変と言うものはない(と思います)ので、読んでいたか無くても大丈夫ではあります。
内容変わりまして、近況報告などについて。
なろうにも近況報告などの、ブログのような場は存在していますが、当方はこちらは今後使わない方針で行かせていただきます。
自作小説を公開しているサイトもございますので、近況報告などはそちらで行う方向です。複数の場所で行ってしまうと管理面の問題や、読者様の混乱につながってしまうかと思いますので、ご容赦いただければ。
ではまた来週、お会い出来たらと思います。期待せず(ぇ)お待ちいただければと思います。