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第2話「世界の王」

 ――――興味本位だっただろうか。


 ファンタリム第1管理世界『ゼロ』、その世界のトップクラスの魔法学院であるゼロアカデミーの長期校外演習中のことだ。


 少なくとも、ある子が転校して来た以前はアカデミーの主席候補と言われていた赤髪の少女は、現在、危険区域の為絶対の立ち入りを禁じられたその場所にいた。

 その行動は、大きな過ちであると知り、自分の力を過大評価していたのかもしれないと悔いたのは、目の前に存在している巨大な植物を目にした時だ。

 それは、アカデミーの中の生徒たちの間どころか、アカデミーの教諭ですらでは誰もが見たことがないと言う存在だった。誰も見たことがない、だからこそその存在は信じられなかった、架空の、あるいは別世界の生き物だと言われていた。


 しかしそれは、確かに目の前にいる。そして少なくとも自分は、そいつの餌になろうとしている、これは間違いない事実だった。

 なぜなら、恐怖だけでない、別の何か、おそらくは、霧状の毒物のものだろう、身体が言うことを効かず、全く動けずにいる。

 正直、涙を流して崩れ落ちたいくらいだった。だが、目の前の、強大な存在がそれをさせてくれない。釘付けになった目線を、外すことが出来ない。


 その生命体は、少しずつ、少しずつ。だが確実に迫ってくる。あともう数メートルほど近づかれれば、その伸縮自在そうな触手にとらわれ、餌食となるだろう。


 その状態になり、数分が経過しただろうか。ジリ、ジリと近づいてくるそれは、見れば見るほど恐怖を呼び起こす。

 誰にも言わず、無断でここに立ち入ったのだ。助けなんて端から期待していない。この状態に陥った時点で、自分の人生はここで終わっていると思っていた。


 怪物は、動きを止め、今度はその触手を徐々に徐々にこちらに伸ばしてくる。

 その触手が、自身に触れるまであともう数センチ、というところまで来て、状況に、変化が起きた。

 まさにその期待していなかった事柄が目の前で起きたのだ。


 自身の背後から飛来してきた、“雷の槍”。その槍には、見覚えがあった。

 その雷の槍は、寸分違わず目の前の強大な存在のど真ん中にぶち当たり、当たった地点を起点に怪物全体に電撃が走る。


『GYAAAAAAAAAAAAAAAAAA!』


 独特の悲鳴を上げる怪物。耐えられなくなったか、怪物はその身体を一気に縮めたかと思うと、今度は爆発するかのように本体から伸びる無数の植物をこちらに向けて飛ばしてきた。

 一部は未だ殆ど身動きの取れない自分自身を対象として巻取り、残る大部分を自らの後方に飛ばす。


 もう逃さない、そう言うがごとく、巻き取られた自分はそのまま引き寄せられ、口元へと運ばれていく。


(……ちょっとでも、期待したのは失敗だったかな。)


 そう、後悔していた。


「――――術者を守りて、炸裂せよ、『サンダーエクスプロージョン』」


 しかし、それは、後方から聞こえた、先ほどの槍と同様聞き覚えのある、楽器を奏でたかのような澄んだソプラノの声によって途中で遮られた。

 そして、その詠唱完了と同時に感じられた、その身に感じたことのない、言わんともしがたいビリッとした感じ。まるで、微弱の電流を身体に流されたかのような、そんな感覚。


 その感覚の理由は、刹那に見えた光景によって理解することとなる。


 触手を通じて、更なる電流が無数に走ってきたのだ。しかも、ただの電流ではない。おそらくは、その電流自体が、無数の爆弾のようなものなのだろう、迸る電流のあとに、無数の炸裂が追いかける。

 そして、まるでその攻撃は、自分自身の位置を正確に捉えているかのように、自身のところに至る寸前で途絶え、触手を切り落とすことで自身を怪物から離した。


((ごめんね、私攻撃は得意でも補助は苦手だから……でも、怪物は引き受ける事くらいは出来るから、そこから先は自身で何とかして逃げて。))


 唐突に飛んできた思念会話。やはり相手はこちらの位置を正確に把握しているようだ。


「――――天を舞し雷の王、金の翼以て、眼下の大地に雷撃を。来よ、雷撃の鉄槌、『ライトニングクラッシャー』」


 思念会話を終えるなり、間髪入れずに詠唱を開始し攻撃を繰り出してくる。

 なんとかしてくれ、とは言われたが、正直未だに身動きが……と思って、身体を動かしてみると、驚いたことに思ったとおり動いてくれた。


(……そっか、電撃)


 そう、恐怖と毒かなにかであった物によりこわばっていた身体を、微弱な電撃がほどよくほぐし、動けるようになっていたのだ。

 これなら、何とかすることは出来る。


(でも、やられっぱなしってのも、癪だよね)


 おそらく、怪物は度重なる電撃による攻撃で殆ど身動きがとれないであろう、そう予測し、寝転がっていた身体を素早い身のこなしによって撤退すると、精神を集中する。


「助けありがとう、でも、逃げろっていう言葉にはちょっと従えないかな。――――地獄に存在せし灼熱の業火、豪炎を以って、大地を焼き尽くせ。来たれ、灼熱地獄、『ヘルファイアセディメント』」


 未だ姿を表してはいないが、近くにいることは確か。その人へとお礼とちょっとばかりの反発を見せると、地面から煮えたぎる様な溶岩流を引き起こしてみせた。

 現状、自分が持てる最大の技であり、かつて主席候補とまで呼ばれたことのある、アカデミー内で屈指の火力を誇る大技。

 火3つから成り立つトライアングル複合属性魔法ではあるが、それゆえに魔力消費が激しすぎ、万全な状態で一度限りしか使えない奥義中の奥義。しかも、発動速度は早いものの、ほぼゼロ距離で発動しなければ、遠隔発動できる利点もなく、当たることはない技。それ故に、非常に使い勝手の悪い大技でもある。


 だが、痺れてなのか完全に身動きが取れないらしき現状の怪物に、避ける余裕は無いだろう。もともと移動速度もそこまで早くはないようなので、確実にいける。


 そしてその思いは届き、植物に溶岩流が当たる。元々は植物なので、見える先は当然。

 怪物にたちまち広がる、巨大な炎。その炎は、徐々に大きさを小さくし、挙句の果てには塵すら残さず消えた。


 状況を見届け、安心したせいか、どっと疲れが押し寄せ崩れ落ちる自分。


((これが、トライアングル、灼熱属性、火力Sクラスの魔法、そしてその使い手、式柳 七花さん、か))


 この技を知るものは学校の教諭くらいで、しかしその詳細な情報は教えた記憶はない。そんな技を、ただの一度の確認だけで、属性を見破ってみせたその人。思念会話でそう言いながら、気がつけば隣に立っていた、白髪のショートツインテールの少女。


「そういうあなたは、氷結迅雷の使い手でしょ。炎単一しか使えない私に比べたらどれだけ羨ましいか」


 氷結迅雷。この少女は、そう呼ばれる。使う属性の多くが水と雷の複合属性が故に。だが、それだけでは氷結と呼ばれない。迅雷とも呼ばれない。そう呼ばせる所以は、そこに更に風属性が存在しているから。風が混ざることで水は凍り、また雷はより速い速度で繰り出すことの出来る迅雷となる。

 だからこそ、彼女は“氷結迅雷の使い手”と呼ばれ、尊敬され、あるいは畏怖される。


((一つじゃない、よ。うん、だって、単一複合でトライアングルができるの、アカデミー内じゃ貴方だけでしょ? 使える属性が単一だからこそ、複数の属性が使える。私はそう思うよ))


 混ざる属性が一つ増える、あるいは混ざり方が変わるだけで属性の名称が全く違うものになるこの世界。確かに、そう言う解釈の仕方をすれば、単一しか使えないと言う考え方はむしろ間違っていることになる。


「……ふふ、面白いね、八神さんって。ずっと気になってたんだけど、詠唱の時は喋るのに、会話の時はなんで思念会話なの?」


 そう、それは純粋な疑問。

 おそらくは、誰もがそう思ったことだろう。この子は、自己紹介を大規模思念会話と言う形でやってのけた、別の意味でも有名な人物だ。その理由は、病気を患っているからとされ、すべての会話は思念会話で行うこととなるのは、事前に教諭から話が通っていたのだが。


 初めての実践演習。その時、彼女は明らかに、自らの声で詠唱して見せ、そして大魔法を繰り出してみせたのだ。それは、その場にいた誰もが、教諭さえも驚いただろう。だが、既にその時から嫌われ者になりつつあった彼女に、質問を問いかけるものはなく。


 だからこそ、友達もいない彼女の、その真相を知るものは誰一人としていなかった。


((……病気を患っているのは、間違いないよ。でも、それは多分、あなた達が思う運動能力障害とか、そういうものじゃない。私の病気は、心の病気。確かに、その気になれば、普通の子と同じように喋ることもできるけど。でも、それは長い時間続ければ続けるほど、その行為が反動となって、発作とかの作用を引き起こしちゃうの))


 物理的な運動能力障害などではなく、心の病気。言うなれば心的言語障害、と言ったところだろうか。それであれば、確かに説明はつく。後天的に、何らかの要因によって喋ることができなくなってしまったのだとしたら、普通の子のように喋れる理由も頷ける。


「そっか。……でも、初対面の人相手には、理由はどうあれ、喋れるのならやっぱり口で言うべきだと、私は思う。だって、思念会話じゃ相手を驚かせるだろうし、何より、心が篭ってないって思われるかもしれないから」


 この時、何故自分はこんな事言ってるのだろう、と思った。自然と口から出た言葉だが、友達でもない相手に、人付き合いの仕方を説明してどうしようというのか。自分にとっての敵なのだから、そんなことする必要性も無いはずなのに。


「……じゃあ、改めて。八神、紗菜枝、です。よろしく、お願いします」


 この学校に初めてやってきた時にそうしていたように、大きく頭を下げ、お辞儀する彼女。詠唱は慣れていても、通常の会話はまだ厳しいのだろう、何処か片言なところが残るが、しかし、心が篭った、丁寧な自己紹介だと思った。


「式柳 七花。よろしく!」


 なぜだか、敵なのに心許せてしまうそんな彼女の姿に。思いとは裏腹に、立ち上がって自己紹介を返す自分。

 挙句の果てにはお辞儀を終えた彼女に握手まで求めていた始末。


 こうして、なし崩し的に始まった彼女との友だち関係。しかしその関係はいつしか深いものになり、気がつけば、お互いにかけがえのない存在となっていた。


 ――――ふと気づくと、空からその光景を見ている様な状態の自分がいた。何故、こんな光景を見ているのだろう。


 暫く考えた七花は、自らの身に起きたことを思い出す。そして同時に、これを見ている理由に行き着いた。


(そっか、これは走馬灯現象ってやつか。そういえば、紗菜枝とはこんな出会いだったっけ)


 その後も、目の前に映し出される光景。紗菜枝と出会った時が一番強い印象だったが故か、それとも別の理由か。最も明白かつ明瞭でその光景を映しだされており、その後は目まぐるしく変わる。それはまるで、七花の思い出という時間を、早送りするかのような光景だ。

 そして同時に、思う。この、死に際というタイミングでも、未だ助けを期待している自分がいるのか、と。それも、紗菜枝という存在自身に。


 走馬灯現象。記憶の回帰現象ともいわれるこれは、何とかして生還しようという、脳の勝手な働きなのだと、どこかの文献で見たことがある。

 この記憶が最も最善な方法だと脳が告げているんだとしたら。それはつまり、助けがなければ自分は助からないということを意味しており。


(死に際に死に際の記憶見せられちゃ、どうにもならない、か)


 そう、その光景は、人生で初めての、死に際であったこともまた事実。機転を利かせた紗菜枝が、囚われた自分を解き放ってくれていなければ。あとコンマ数秒という単位で救われていなければ。あの怪物の口の中。そのまま丸呑みされ為す術はなくなっていただろう。その時こそ本当の死に際だろうが、その過程で断ち切られなければどちらも同じことだ。


 そこまで思うと、もう、死を受け入れる全ての準備が整った、と言わんばかりに、身体が重くなってきた。だるいとか、そういうものではない。寧ろ、心地の良い眠りを誘うような、春の陽気の中でうとうとしている時を思わせる感じだ。


「マ……ー! ……て……ばあ……! お……だ……い!」


 唐突に、その心地良い感じを、遮る何かが聞こえた気がした。

 だが、気持ちはもう、眠い。これ以上起きていても、仕方がないと、身体が起きない。このまま幸せを見続け、眠りにつきたいと思っている自分がいた。


 「マ……! ……ス……!」


 しかし、尚も聞こえてくるその声。しかも、聞き覚えがあるだけに、気になる。気になったことが切っ掛けとなってくれたのか。重い体を何とか起こし、そちらに集中する。


 「マスター!」


 今度は、はっきりと聞こえた。それは、先ほどの明瞭に記憶に出てきた人ではない者の声。だが、その声は確かに娘の様に慕う者のもの。


 ――――次の直後。


「クロハ!?」


 七花は上半身を大きく持ち上げるようにして目を見開き、大声を上げながら深い眠りから目覚めた。

 慌てて周囲を見回すが、呼びかけた対象はしかし見当たらない。


「夢……」


 残念そうにため息をつく七花。そこでようやく、気づいた。


「あれ、私……」


 また夢でも見ているのか、そう思い、頬を思いっきり抓る。


「痛たっ!?」


 抓って、しかし予想以上に力を込めていたのか、思わぬ激痛が走り、理解する。


「夢じゃない。でも、なんで?」


 軽く涙を流しつつ抓った頬をさすりながら自問する。

 改めて周囲を見回すと、そこは真っ白な空間、ひと目で見て病室だとわかった――――というわけではない。

 寧ろ、このパターンだと大体は病室かその類の場所にいるだろうと思っていただけに、度肝を抜かれた感じである。真っ白とは言いがたい、くすんだ白。強いて言うなればホワイトグレー、薄灰色を基調とした色合いか。程よく何かよくわからない模様があり、落ち着いた印象を思わせる。

 此処が病院であるならば、このような色合いや模様はまずありえない。ということは、誰かに助けられた流れで考えて、ここは自分が見知らぬ何者かの部屋、というところだろう。


 見回して目につく家具は、質素な本棚や同じく質素な机が見受けられるか。しかし、それ以外の家具は見当たらず、だだっ広い空間があるのみと言えた。

 七花が寝ているベッドから見て右側の方向は、開放感を大きく取るためか、壁に大きな窓が備え付けられている。そこから見える外の光景は、おそらく、畔。森と湖、その間の岸辺が垣間見え、朝方な為か、程よく霧がかった状態が光を拡散し、幻想的な光景を思わせる。


 反対側にはこの部屋の入口と思わしき扉がある。そこを出れば、何かわかることだろう。

しかし、ここが病院で無いことが見てからにわかる以上、また同時に天希能力を通して感じられる気配がある以上、下手に動くのは返って危険だと七花の第六感が告げる。


 ひとまず、ここは大人しく寝ておくべきだろうと判断した七花は、ここまで何故気づかなかったのかを問いたくなる程の事に気づく。


「傷が……それに、私一人」


 そう、負っていなければならない傷が無いのだ。それに加え、もし助けられたと仮定するのなら、一緒にいるべきはずの存在が見当たらない。

 何かの見間違いかと、七花は全身を舐めまわすようにくまなく見るが、しかしあるべきものはない。体を動かしてみても、強張りや倦怠感は残るものの痛みはなく、本当にあの謎の機械生命体に襲われたのかという記憶を疑いたくなるレベルだった。

 もしくは、これらの傷が完治してしまうほどに長い時間寝ていたか。いや、例えそうであったとしても、傷跡は残るだろう。


「お?目が覚めたか。三日三晩目を覚まさねーからそろそろ本当に死んじまったのかと思ったわ。入るぞ」


 唐突に声が聞こえ、そして問答無用と言わんばかりにこちらの返答を待たず扉を開けて来た人物。

 七花は、突如現れたその存在に色々と疑問を持った。


「起きてるとわかってるレディの部屋に返事も待たず入り込むなんて、礼儀ってものを知らないの?」


 とりあえず入ってきた人物に無作法なことを指摘しつつ、七花は考える。

 先ほど能力によって感じ取った動く存在は、近くにはいなかった。最も近くにいて、走ってきても2分くらいはかかるだろう距離があったはずだ。にもかかわらず、その人は目の前にいる。しかも、走ってきたとは思わせない落ち着き様であり、それ以上に、見てもいないのにこちらが起きていることを知っていた。


「んあ? すまん。なんせ他人なんて客は珍しいもんでな」


 現れた男性は、ぶっきら棒にそう言うと、偉ぶった態度から一変、姿勢を正してこちらに向き直った。


羅馳らち 駿希としきっていうもんだ。恐縮ながら、ここ夢幻夢想之郷を総統括をやらせてもらってる。ついでに、この宮殿の所持者であり管理者でもある」


 言い放たれた言葉は、あまりにも理解の範疇を超えており、この男がどうやってこの部屋にやってきたか何ていう考えは、消え去った。いや、吹っ飛んだというべきか。

 ひとまず、理解するのを一旦やめ、言葉を整理する。

 男の名は羅馳 駿希とかいう得体の知れない名前だ。名前の構成の仕方はどうやら自分たちと同じようだが、下の名前はともかく、羅馳何ていう名前は聞いたことがない。

 続く、ここ夢幻夢想之郷とか言う言葉。この世界の名称だろうか。そうであるとして、七花の記憶にあったか。いや、ない。仮にこの世界が別世界だと仮定して、果てさて自分たちはこの世界にどうやってやってきたのか。その記憶も無い。

 しかも彼は、そんな世界(?)を総統括してるとか言ってきた。一人で、だろうか。いや、総なんていう言い方をしているからにはおそらく組織だろう。


 続く、おまけ程度に添えられた言葉も、はっきり言って理解の範疇を超えていた。宮殿、だったか。この人物は王様とでも言うのだろうか。


「えっと、色々突っ込みどころが多いんだけど。とりあえず、一つ一つ理解させて。まず、夢幻夢想之郷って、何?」


 考えは一旦片隅に追いておく。どこかに吹き飛ばしてしまった考えも思い出して片隅に置きつつ、まずは一番気になるところであるそこから聞くことにする。


「なんだ、いきなり目の前に死体もどきが現れたから、命からがらどっか別世界から来たとは思っていたが……どこでもいいから飛んできたって感じだな」


 先ほどの礼儀正しい態度は何処へやら、と言う感じだが、礼儀正しい態度でも口調は変わらずだったのでもともとそういう性格なのだろうと理解して置いておくことにして、言葉を返す。


「……確かに、死に際だった。だけど、異世界転移魔法を使った記憶はないし、命からがら何ていう危機的状態からそんな大魔法使えるはずもない」


 冷静に反論する。異世界に転移できるほどの魔法ともなると、相応の集中力や魔力が必要になる。例えどこでもいいから、という前提を持って、座標決定を大きく省いて魔法を起動させるとしても、やはり異世界に転移するには相応の魔力を必要とする。その魔力を集めるにはそれに集中する必要があるので、命からがら何ていう、つまり生きるために大慌てな状態では集中どころではない。


「なるほど、的は射てるな。だが、事実ここは君らにとっては異世界だ。……君らの世界は魔法しか無い、というような言い方だな、それは」


 一瞬考えるような素振りを見せたと思うと、思わぬ言葉を口にしてきた。魔法しか無い? それはまるで。


「この世界は、魔法だけじゃないって言い方ね、それ」


 同じ言葉をひっくり返してそのまま返した七花。

 その行動に目を見開いて驚いたかと思うと、突然笑い始めた。


「ぷっ……はははっ! 面白いなキミは。そうだ、この世界は魔法に限らない。いや、俺の知る限りじゃ魔法だけしか使えない何ていう世界は指で数えられるくらいしか見たことがないさ」


 そう言う彼の言葉に、その眼差しから、嘘偽りはないと悟る。だとすれば、この世界は、無数に存在する世界の中でも、互いに互いの世界の存在を知らないほどにかなり遠い位置に存在する世界、ということなのだろう。


「ふふ、そうね。私達の世界では、寧ろ魔法と科学以外の力を使える世界なんて見たことがなかったけど。」


 面白いと言われたことに、確かにそうだなと同意しつつ、自分の世界の常識をそれとなく添える。

 どうやら、相手もこちらの真意を汲んでか、先程までの笑いを含んだ表情は真剣な表情に変わった。


「……そうか。この人の世界は、あいつが言ってた世界ってことか」


 唐突男性は、ブツブツと何か意味の深そうなつぶやきをしながら何やら考え込み始めた。


「あの?」


 暫く待つも、戻ってこないのでいい加減痺れを切らした七花は、声をかける。


「ん? ああ、すまん。それで、なんだっけ?」


 世界の王、という割には手前のことを忘れるくらいには馬鹿らしい。


「はぁ、まぁいいわ。それじゃ、改めて一つ質問。この世界について詳しく」


 呆れつつも、再度この世界の事について聞くことにする。わざとやっている様にも見えた気がしたからだ。


「詳しく、ねぇ。異世界の人だ、さて何処から話せばいいのやら」


 そうボヤくと、机の方から椅子を引っ張り出してきて、ベッドの脇に置き、そこに腰を掛ける男性。


「そうだな。端的に言うのなら、完全統率される別の世界とは違う。此の世界は、一つの世界であると同時に、一つの“国”でもある」


 そう切り出した男性。


「さっきも言ったな、世界の総統括をしてるって」


 たしかにそう聞いた。記憶に間違いはなく、七花は静かに頷く。


「もっとわかりやすく言うのなら、王だ。国の王ならぬ、世界の王。世界全体が一つの、一人の王によって完全統率されている。まぁ、俺の力だけじゃ本当に文字通りパーフェクトとは行かないから、特定の重要な地域にのみ、細かい統率をしているだけなんだがな。ほかはぶっちゃけほったらかしだ」


 ほったらかし、ときた。世界の王とやらよ、それでいいのか。

 だが、考えても見れば、そのほうがいいのかもしれないだろう。本当に国だというのなら、その行為は間違いだって言い切れるだろうが、国ではなく世界だ。わかりやすく言うのなら、大陸全土、だろう。此の世界の大陸がどれほどのものなのか、また種族や統率対象となる生き物が存在する地域は詳しくは分からないが、少なくとも自分たちがいる世界で考えるのなら、どう考えても一人には出きっこない。何処かしら必ず見えないところが出てくるだろう。

 どうせそう言うところが出るのならば、いっそほったらかしにしてしまったほうが、より重要な地域に意識を置きやすく、より細かい統率が出来るのも納得できる。


「ほったらかし、と言っても、もちろん完全に見放した、というわけじゃない。重要な地域と、間接的に隔離した上で、ある特定の位置からは生きたいように自由に生きることのできる地域に、重要な地域は、平和と協調を重きにおいた地域として区別したのさ」


 何やら小難しいことを言い始めたが、なんとかその意味を汲むことは出来た。要するに、殺すも殺されるも、開拓するも、結託して何かをするも自由な地域と、平和と協調を重きにおいた地域は、逆に言えば、それ程にあらゆることにおいて制限のある地域、それぞれが存在するということだろう。


「どちらにもメリットデメリットはあるが、まぁ、知的生命体っていうのはいろんな奴がいるからな。人を殺すことが生きがいな奴もいるし、人知れず得体の知れない研究を続けて改革的発明をする奴もいる。そう言う人のためにあるような地域が、放ったらかしにされた地域ってわけだ」


「つまり、そう言う地域にいて殺されたり色々大事なものを奪われても文句は言えない、っていうことね」


 何しても自由な地域が存在するということは、裏を返せば無法地帯ということ。自分の身は自分で守らなければならない地域故に、文句は言えないのだ。


「まぁそういうこと」


「なら、そう言う地域の中でも、そう言う地域の中に住まうことを覚悟の上で結託して国を作り上げるなんてこともあり得るわけね」


 これは、ある意味当然だろう。人が、というよりも。これは動物故の本能ともいうべきか。群れを成し、結託してその規模を大きくしようとするのは当然なわけで。


「確かにあり得るが、過去にそう言う例は一度もないな」


 驚くべき言葉が聞こえた。当然と思っていた事が、一度も起きていないとは、どういうことだろうか。


「一度も? なぜ?」


「そりゃ、そう言う知的生命体……この世界では総じてインテリゲンツという括りになってるが、そういう生命体には種族毎に歴とした地域を定めて与えてるからな」


 つまり、必要な群れは既に作ってある、と。だが、そうであっても、支配欲を持つ生物は意外にも多い。自分が強いと示すことで、最終的にはそれが群れの中の王を作ることになるからだ。

 それは、知的生命体においても、知能のない生命においても同じ。生きるという本能がそうさせることなので、ないはずがない。

 一度も起きていない理由にはならない。


「その地域は、たとえ内乱であっても、あらゆる殺傷の類は出来なくされているから、と説明すればいいか?」


「それってつまり、その地域にいる限り、他人に手を掛けられることによる死亡は絶対にない事が保証されてるってこと?」


 そう、その言葉をそのまま汲めば、そういうことになる。他人に手を掛けられる、つまり殺される事による死亡はありえないと。いやそもそも、殺しという行為自体が出来ないと言っているのだろう。

 全ての生命体における本能、闘争本能を半分以上封じ込めているも同然、ということになるわけだが。


「そうだ。そしてそうした地域は、特別な地域になってる。すべての世界は、資源は有限だろう。だが、此の世界は違う。人の、いや人から成り上がった神の手によって作られたこの世界はね」


 資源が、無限? 何を言い出しているのだこの男は。いやそれ以前に、人から成り上がった神? そんな奴に作られた世界? 本当に頭大丈夫なのか、この男は。

 七花はそろそろこの男を信用してもいいのか悩まざるを得なかった。


「信じられないだろうな。だが、事実だ。そして実際、資源が無限で、しかも生命の保証もされていると来たら、今までの説明も、辻褄が合うんじゃないか?」


 そう、確かに。資源が無限で、生命の保証もあるとしたら。これ以上魅力的なものはないだろう。

 時次理論を大きく覆すかもしれないこの発言は、しかし。やはり、理解できない。いや、理解したくない。


 ここでふと、七花は、紗菜枝ならどうするだろうかと考えた。

 おそらく紗菜枝は、七花とは違い、純粋な一面も持つ為、そんな世界を魅力的だと思い、そして長い目で見て信じるのだろう。


 そう思った七花は、自然と、理解を拒否する事をやめていた。


「そう、ね。確かに辻褄が合うし、それ以上にそんな世界があるのなら魅力的ね」


 なんとかそう答えることが出来た七花。正直ここまで気恥ずかしい言葉だとは思わなかった。


「まぁ、そうかもな、魅力的すぎて俺ですら信じられなかったんだからな。だが、この目で見て信じざるを得なくなった。――――」


 そう言って男性は、更に説明を続けた。

 と言っても、それまでの会話がもっとも重要なようで、あとの話はこの世界での生き方だったり暗黙のルールのようなものだったりなどなど……と割りとどうでもいい話ばかりだったが。


「――――っと、まぁこんなところか。さて、ここまで聞いて、質問とか何かあるか?」


 その言葉に、首を振ってないことを告げる。

 話を聞く前なら、聞きたいことは山ほどあったが、その殆どを、説明の中で理解してしまった。唯一、彼自身については分からないが、今知るべきことでもないだろう。


「そうか。なら、この後どうする。異世界の人であるキミは、本来ならこの世界にいるべきではないだろうが、幸いな事に、この世界は全ての存在が異世界からやってきた存在、ないしはその存在から生まれた存在しかいないからな」


 それは、説明の中にあったこと。この世界の人々は、別の世界で忘れられ、あるいは忌み嫌われ追放された、そんな人達が、世界の力によって集められる世界。

 だからこそ、七花のような異世界人であっても、軽蔑されることはない。この世界で生まれた人以外の全ての人が、この世界は自らにとっては異世界だと知っており、そして生まれた人達にもそのことを伝えられるこの世界では。

 つまりそれは、選択肢は複数あるということ。帰らなければならないという選択肢だけではないということ。その選択すらも、自由なこの世界。

 だが、それでも、七花の気持ちははっきり言って決まっていた。だがその前に、まず達成しなければならない目的がある。


「待ってる人がいるから、帰る。けど、その前に」


 いい加減、人の家のベッドに居るのは宜しくないだろうと判断した七花は、掛け布団からベッドの縁へ、足へ運ぶ。


「友達を。多分、一緒にこの世界に来てると思うんだけど、探さなくちゃ」


 言いながら、立ち上がり、男性と向き合う。


「友達? ……ああ、そうか。なら例の件も頷けるな」


「例の件?」


 何やらまたも訳の分からない発言をし始めた。


「ああ、世界の王だからには、この世界を監視しなくちゃならないわけだが。その監視を行わせている所から連絡があってな。異例な存在が二つあるって。一つは式柳さん、キミだよ。そしてもう一つ。全く同タイミングでその存在を検知されたらしいからな。二人一緒であるべきはずのところが何らかの要因によって別々の場所に出てきちまったんだろう。そう考えるなら、同時に二人も現れた説明がつく」


 とすれば、もう一つの存在は。


「その、その存在の場所は、わかるの?」


「そりゃもちろん。ついでに、キミが三日三晩寝ている間に、その存在は昨日から動き出してる。南西の大森林の方向から、方角的には北東、つまり、こちらに向ってね」


「それって……」


「キミの居場所がわかってるか、もしくはキミと同じようにこの世界のことについて説明を受けた上で、なおかつこの世界の王の事を伝えられたか。まぁ、その様子だと大方後者だろうが。」


 そう、この男性の予想は正しい。紗菜枝は、今も昔も変わらず、補助の類は苦手だ。だからこそ、魔法を使ってこちらの居場所を特定するなんて芸当は出来ない。寧ろそれは、七花の分野である。


「なら、羅馳さん」


 切り出そうとして、何やら男性は身震いを始めた。


「あーすまん、やめてくれ。上の名前で敬称付ほど苦手なものはねーんだ。敬称つけるにしてもせめて下で呼んでくれ」


 どうやら、呼ばれ方に慣れてないようだ。


「……なら、改めて。駿希さん、この世界のことを詳しく記された書物とか、なにかない? その人がここに来るまで、もう少しこの世界の事を知っておきたいから」


「ん、その心意気は尊重してやりたいんだが、試しにそこの棚の本一つとって見てみ」


 言われた七花は、机の横に備えられている、天井まで届く本棚の中から、適当に一つとろうとして、そこで止まった。


「……なるほど。言語の違い、か」


 止まった理由は、背表紙に書かれる文字。


「でも、それなら何故、私は駿希さんと会話出来てるの?」


「ん、それならとっくに解決してると思ってたが。さっきも言ったろ、色んな世界から色んな奴が集まってるって」


 そこで七花は気づいた。そう、それが事実なら、この世界は言語の違いが大きな壁となり、コミュニケーションすらままならないだろう。だというのに、そんな人達が集まるこの世界で、王をやっているというのだ。この世界は何らかの理由があり、言語を共通化する仕組みが成り立っているのだろう。

 ただし、それはあくまでもコミュニケーションにおいて会話ができないという壁を取り除くためのものであり、読み書きには反映されていないということだ。


 悔しいが、七花はそこで固まらざるを得なくなった。何も出来ないまま友達を迎えることになるのかと思うと、悔しくて仕方がない。

 だからといって、何もしないわけにはいかなかった。


「少なくとも、この言語一つを読み解ければ、この世界の書物のどれくらいは読めるようになる?」


「おいおい、本気かよ。まぁ、幸いにも、本作ってるのは特定の種族だけだからな。この世界内の世界中で換算するなら、大方半分以上は読めるようになるんじゃねーかな」


 そう聞いた七花は、予想よりも大きかったその単位に、心を踊らせた。そのくらいあれば、不足はないと断言はできない間でも、十分とは言い切れる。そもそも、限りある期間で読める冊数も限られているだろう。

 そう考えた七花は、適当に一冊を手に取る。


「それじゃ、申し訳ないけど、もう暫く、この部屋借りるわね。」


「ん、どうせ空き部屋だ。自由に使ってくれ。」


 駿希はそう言うと、立ち上がる。


「あ、そうそう。駿希さん、この部屋に来る前、結構離れた場所にいたみたいだけど……」


「んあ? なんだ、空間把握能力かなんか持ってるのか」


 質問の裏を突かれ、見事に天希能力を見抜いてきた彼に驚きつつも、頷く。


「まぁ、この世界に来る奴の多くは天希能力持ちだからな。何らおかしくはないが、まぁ、なんだ。厳密には違うが、転移能力かそれに類する能力を持ってるとでも思っといてくれ。あと、迂闊に能力のことは口にするべきじゃないぞ、直接的でも、間接的でもな。さっきも言ったが、この世界では、能力持ちは珍しくない。どんな相手も、何らかの能力を持っていると警戒した上でかかるのを基本とした方がいいぞ」


 そこまで言われ、即見ぬかれた理由を、思い知った。

 能力持ちが珍しくない。確かにそうだ、忘れられ、あるいは忌み嫌われ追放された存在が集まる場所。怪物かも知れないが、只の人間の可能性もある。裏を返せば、只の人間だが、しかしその実はとんでもない天希能力に覚醒した人間、ということも。理解し難い力を持っているがゆえに嫌われ、追放される。あるいは、神ないし怪物として語られ、もともとそんな存在なんていなかったと言わんばかりに神話化、伝説化し、その話ごと忘れ去られる。

 そうした存在が集まるのだから、彼のいう言葉はかなり重要といえるだろう。

 どういう意味か、決まっている。生きるため、だ。最悪、天希能力が生きる最終手段となる可能性もあり得るのに、その天希能力すらも封じられては生きる術が無くなったも同然、ということである。


「ま、そこまで心配すんな。俺から見ても、キミは相当な力量の持ち主だ。そんなキミの友達なら、同じくらいの力量は持ってると思ってもいいだろうからな。」


 考えを先回りされた七花は、正直驚いた。何にかって、偉ぶってる彼が、自分のことを認めるような言葉を送り、その挙句励ましてきたのだ。

 少なくとも紗菜枝は、事前線での戦いにおいては、他の魔導士の追随を許さない程度には強力な魔導士だ。七花でさえ、彼女の戦闘能力には追いつかない。補助を用いて何とか同じスタートラインに立てている、と言ったところだ。しかし、それでも彼女には追いつかない。元から持つセンスはもちろんだが、何より戦闘における成長能力の高さは異常なほどなのだ。


「……ありがと。」


 考え、しかし何か言うにも思いつかなかったので、お礼だけ言っておく事にした七花は、それっきりで、目の前の書物に集中することにした。


「ん。そこの机のボタン、押してくれれば俺と直で連絡取れるから、何か必要なことがあればいつでも言ってくれ。」


 視線だけでそのボタンを確認し、頭の動きだけで了承すると、能力が告げる動く存在は、扉に向って行き、扉をくぐったあと、文字通り瞬間移動するかのように、何処か別の遠い場所へと行った。


「……はぁああ。」


 それを確認した七花は、書物から視線を外し大きなため息を付いた。いやに気を使う相手だったがゆえに疲れたのだ。

 軽く深呼吸して、腕肩周りの軽いストレッチと伸びを行うと、もう一度書物に目線を向け、集中するのだった。


――――紗菜枝は、この場所にたどり着くことが出来るのだろうか。

 とあるチャットで、30000字超えは凄い、何ていう発言を見かけました。正直、自分の観点で言うと、どこがどうすごいのかとか、説明を受けた上でも尚理解できていません。結局、それが自分の観点の限界、ということでとりあえず納得はしていますが。


 いきなり何を言ってんだこいつ、って思われたでしょう。何が言いたいのかっていうと、人の観点ってやっぱり人それぞれなんですねって。

 見ている限り、予想よりも多くの人が読んでくれている(と思うのですが)ようで私としてはとても嬉しく思います。

 それでも、思うところはあります。この小説、本当に楽しんでもらえてるのかなって。ある二次創作の小説は読んでもらって、とっても高評価を受けた事があり、その時は純粋にもっとそう思ってもらいたい、何て思いました。柄にもなく、です。

 私は、自分を過小評価しすぎていると言ってもいいくらいには、過小評価しています。自分に自身が持てないというよりは、自分自身を好きになれない、が正しいでしょう。

 そんな自分を許せる唯一が、物語を紡ぐこと、です。偽りの自分を思い描くことで、本当の自分を切り捨て……

 まぁ、その結果が、昔書いた黒歴史とも言える、小説処女作。二次創作小説ですが、まぁ、ネットでいうところの「俺TUEEEE」現象が起きていたわけです。

 色んな人に聞いてみると、人間そんなもんなんだって、最近は思えるようになりましたけどね。

 突き詰めれば、人間だって本能がある動物。知性がなければ、弱肉強食の世界において強きものが上に立つ様に、人は人なりに、より強さを求めて生きるんでしょうね。

 まぁ、なんでしょう。色々と話しがあちこち飛躍していますが、結論をまとめると、“これが私の小説なんだ”って。はっきりと、言い切れるそれが、私自身の唯一の自信。誇れるところなのかなって思えるんです。

 こんなおばかさんですが、不定期でも、なんとか更新を続け、まずは完結を迎えられたらと思います。

 よろしくお願いします。

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