Monkey Clab Wars
戦闘描写が難しい。
技名だけで精一杯。
空前絶後の手抜き作。
どうぞゆっくりご覧あれ。
「こちら青鬼。これより『バカ野郎!質より量だ作戦』を開始する。オーバー」
カニがカキの種を持って歩いていると、一匹のサルがおにぎりを取り出してこう言った。
「このおにぎりとそのカキの種を交換しないかい?」
カニは最初は嫌がったが、「ならば洗剤も付ける」と言われたので、喜んで交渉にに応じた。
サルは雨の日も、風の日も、雪の日も、夏の暑い日も、ゲリラ豪雨の日も、ハリケーンの日も、雪崩が起こった日も、干ばつが起こった日も、ずっとカキの種を世話し続けた。
二十年かかり、やっとカキの木が成長し、実をつけた。
サルは喜んで木に登り、実を食べ始めると、カニが現れた。
柿の種を持っていたカニだ。
「その木の種を持っていたのは私なのだから、一つだけ実をくれたっていいじゃないか」
何とも強欲なカニではあるが、サルは機嫌が良かったので、実を一つ、木から落とした。
カニは礼の一つも言わず、まるでそれが当然であるとでも言うかのように、食べ始めた。
あっという間に食い終わると、カニはもう一つ寄越せと言う。
サルが断ると、
「たくさん実がなっているというのに、一つしかくれないのか?せこいサルめ」
なんとも傲慢なカニである。
サルは渋々、実を落とすがその度にカニはもう一つ、もう一つと言ってくる。
とうとう我慢の限界だったサルは、渋柿をカニに向かって思い切り投げつけた。
見事命中した。
しかし、カニは怒り狂い、ハサミを使ってカキの木を幹からチョッキン!
木が倒れたのはカニの思い通りだったのだが、その方向は予想外だった。
木はカニの方へと倒れてきたのだ。
カニはぺしゃんこになり、サルも一緒に死んだ。
・
・
・
カニとサルにはそれぞれ子供がいた。
子供は親が死んだことを深く悲しみ、自分の親が死んだのは相手のせいだと考えた。
二匹はそれぞれ復讐しようと決心した。
・
・
・
十年の月日が流れた
サルとカニは親の仇のことなどすっかり忘れて、天下の統一を目論んでいた。
サルとカニは織田信長の傘下に加わり、あっという間にその名を天下に轟かせるほどまでになった。
サルとカニの活躍によって、次々と戦国大名たちは討ち取られていった。
天下統一を目の前にしたある日のこと、カニは言った。
「敵は本能寺に有り!」
カニは軍勢を引き連れて織田信長を討ち取りに行った。
・
・
・
「信長様!覚悟!」
「フッ、ここで俺を倒したところで、いずれ第二、第三の俺が…あべし!」
・
・
・
織田信長を倒したカニがホクホク顔で家に帰っていると、サルが現れた。
「貴様ぁ!よくも信長様を!」
「ふん、返り討ちにしてくれるわ」
サルとカニの合戦が、今、火蓋を切った。
「食らえっ!『集中』、からの『究極斬撃』!」
サルの魔術によって強化された集中力によって、一分の狂いも無く、完璧なフォームで、完璧な角度で放たれた三日月状の斬撃は、地面を深く抉りながらカニに向かって突き進んでいく。
しかし、カニは全く動じることなく、
「無駄だっ!『付与・狂化』、『究極打撃』!」
カニはハサミを振り上げ、サルの攻撃を相殺するが、その余波を食らった両軍の兵士たちは吹き飛んでいく。
たった一度、刃を交えただけで、周囲には甚大な被害が及んだ。
しかし、肝心の両者は無傷である。
サルはニヤリと口角を吊り上げ、カニに話しかける。
「そういえば、俺の親の仇がお前の母親だったような気がするぜ!」
「奇遇だな、俺もそう思っていたところだ!」
「まあ、多分気のせいだ!」
「奇遇だな、俺もそう思っていたところだ!」
「天下は俺が頂く!」
「奇遇だな、俺もそう思っていたところだ!」
「覚悟しろ!」
「奇遇だな、俺もそう思っていたところだ!」
「…」
「奇遇だな、俺もそう思って「いい加減にしろゴルァ!」ゴフォッ!?」
サルの不意打ちが見事カニに当たり、カニは息絶えた。
「ハッハッハ!これで天下は俺様のものだ!」
・
・
・
一万年の月日が流れた
サルとカニの子孫はそれぞれ大艦隊を率いて、全宇宙を巻き込んだ宇宙戦争を起こしていた。
「クックック…この戦艦門奇異の力があれば、敵の戦艦九羅武にも勝てる!これで全宇宙は俺様のものだ!フハハハハハハハハハハハハハハ!」
サルが高笑いしているところに、どこからともなく臼が降って来て、サルはペシャンコになった。
メデタシメデタシ
「こちら青鬼。これにて『バカ野郎!質より量だ作戦』を終了とする。オーバー」