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世界は回る  作者: ちま
2/2

本当の始まり

鈴増紀美子が転校して来てから数日がたった。

あれから進展というものは全くなく、会話すらしていない。

席が隣り!というだけで他は全くなのだ。

今日もボーっとしながら外を見ていた。

授業中も休み時間もだだっ広い青い空をずっと眺めていた。

そして、最後の授業も終盤に差し掛かってきたころだろうか?

隣から紙が一枚飛んできた。

「なんだこれ?」

隣の席の鈴増を見るとこちらを向いてにっこりとほほ笑んだ。

そして俺は不意を突かれたかのようにドキッとしてしまった。

気をそらすように飛んできた紙を広げて中に書いてあった文章を読んでみた。

「んーなになに?放課後屋上に来てください…鈴増紀美子より…だとおおおおお!!」

あまりにびっくりしてしまったせいか大きな声で叫んでしまった。

「おい!上田!授業中くらい静かにしないか!!」

「す、すいません」

小林先生に怒られてしまった。

席に座ると残りの授業時間は一つのことだけをひたすら考えていた。

告白なのか?告白だよな?でもなんで俺に?席が隣りだからか?いやいやそれだけじゃ告白なんてしないだろ!じゃあなんだ?んーやっぱり思い浮かばないなー。

「よし!その時のお楽しみだ!」

思わず口にしてしまった。

「うーえーーだーーー!」

小林先生が沸点にまで到達していた。

「すいませ~~ん」



そして放課後。

俺が帰りの支度をし終わったころにはもう鈴増はいなかった。

どうやら号令が終わった後さっさと屋上へ向かったらしい。

そして、教室を出ようとしたら。

「こーちゃーん一緒に帰ろ!」

香織が元気よく話しかけてきた。

「ごめんな!俺今日は用事があるから光国とでも帰っててくれよ」

俺はそう答えると香織がムスッとした顔で答えた。

「みっちゃんは部活で忙しいんだって!だから一緒に帰れないの~!」

「ああそうかあいつはぶかつだったか。じゃあ今日は悪いが一人で帰っといてくれ」

「え~わかったよじゃあほかの友達のこと帰るね~。ばいばーい」

そんな会話のやり取りをして香織は帰って行った。

「なんだ。俺なんかと帰んなくてもあいつには友達がいっぱいいるじゃないか」

そんなことを呟いた。

そうだ。光国や香織には友達がいっぱいいたそれに比べて俺は…

「いけねそんなこと考えてちゃだめだよな。光国達さえいれば…そんなことより屋上いかなくちゃ!」

心の整理はついてなかった。

しかし、それより人を待たせてはいけないと思った。だから走った。

そして、屋上へ続く扉の前についた。

ドアノブを握ると緊張してきた。

一回深呼吸をして心を落ち着かせて気合いを入れた。

「よしっっ!」

ドアノブをひねり屋上へ出た。

すると一人の少女が。鈴増紀美子が立っていた。

見た感じ教室での鈴増の様子とは何かが違った。

しかし、俺は近づき尋ねた。

「えっと、話って…」

話って何かな?そう言いかけた時鈴増の人差し指が俺の唇の前に来た。

俺は動揺してしまって言葉が出なくなった。

そしてその後の鈴増の一言に俺は唖然としてしまった。

「あなた、他の人とは違うわね?」

「は?」

何を言っているのかわからなかった。

人とは違うってなんだ?あのあれか?よくアニメなんかであるあれか?

俺は魔法の使い手でいくつもの魔物を消し去ってきたあっち系のか?てことは中二病ってことかぁぁ!

そんな考えをしていると鈴増は言った。

「あなた私の言っている意味が理解できてないみたいね」

そして鈴増は続けた。

「私が言っていることは、この世を面白くない。本当に青春を楽しんでいる奴が何もわからなくてわかろうともしない。そして腐れきったと思ってるこの世界を変えようともしない人よ?」

俺は本当に唖然とした。

だっていつも教室にいる鈴増はもっとおしとやかでずっと笑顔で優しそうな女子の憧れなのだから。

だが、唖然としながらも俺は俺の心の中心にある疑問を投げかけた。

「お前鈴増か?」

それは真っ直ぐな俺の本心からの質問だった。そしたら鈴増はこう答えた。

「そうよ?これが本当の私よ?文句があるのかしら?あなた本当にいると思うの?容姿もよくて優しくて勉強もできていっつも笑顔でどんな人にも平等なそんな完璧な子が本当にいると思っているの?」

それはごもっともだと思った。

どんなにきれいな花にもダメなところはあるしいつかは枯れてしまうものだ。

だからずっと綺麗なんてことはないし良いところだけではないのだ。

そして俺は聞いた。

「じゃ、じゃあ何の用だよ!俺にお前の本心をぶつけて何の得があるんだよ!」

そして鈴増は待っていたといわんばかりにこう答えた。

「そうね本題に入りましょう。上田浩平君。あなたは私と同類なのです」

俺は答えた。

「そんなわけがないだろう!女に好かれてて男にももてているんじゃないか!どこが俺と同類なんだよ」

すると鈴増は答えた。

「いいえ、一緒ですよ。私は本当に信頼できる友達ができたことはないのです。猫を被り続けた私の本性を見ようとする人はいなかった!みんな私の外見ばかりを見ていました。近くの席になった男子はみんなちらちらと私のほうばかりを見てきた!だがあなたは違った!外ばかりを見ていてまるでこの世に面白いことが何一つもないかのように、もしかしたら窓の外の大きな空には何か楽しいことがあるんじゃないかと思わせるほどだったわ。だからあなたにだけだったら私の本性を見せてもいいと思ったのよ!」

知らなかった。鈴増がそんな闇を抱えながらあの笑顔を作っていたなんて。

「じゃあ、二人で探そうぜ!本当に信頼しあえる友達を、いや親友をな!」

そして、ここからが本当の鈴増紀美子と俺、上田浩平の物語が始まる。

前のより長くなっちゃいました。

これからもっともっと書けるように頑張ります!

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