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<たじろぎ>
何だ!
魔女は再び、異常な魔力振動に気が付いた。
監視魔具は一時的に繋がらなくなっていた。
魔女は焦る。
監視してから1週間ほどで、勇者と出会い
何回も異常な魔力振動と接触している。
運命の精霊は彼女に特別な使命を与えたようだ。
「私ももう、無策ではいられない…!」
心臓がうなりを上げ、魔女はたまらず立ち上がる。
魔女は家の奥に向かい、<軍隊ミニオン>の
数少ない無事な1体を取り出す。
それは人型で、強力な魔物の魂を動力とした
過去の兵器だ。
見た目は服と人の皮を被っているが、当時の高度な魔術を詰め込んだ
英知の結晶の機械だ。
魔女は、その魔具に精神を憑依させるための改造を始めた。
いざというときに、直接日葵を回収できるように…。




