キャロスたちは
――一方、その頃トイレの外では
どこだ、どこで起こっている!
キャロス・レイ・バルドドルド・ローラは
異常な魔力振動を感じ飛び起きていた。
そうして1階に降り、外から妖気を感じ飛び出した。
石のタイルを踏み鳴らし異様な雰囲気に近づく。
紫の霧と雷のような光に。
「何が起こっているんだ!」
レンはそう叫ぶ、
夜の静寂にまぎれて、妖気が手の形を成して襲ってきたからだ。
「これは諦神ヴォルドだ!なぜいきなり襲って来やがった!」
キャロスは黒雷を放ち、手を破壊する。
「あんだそりゃ!無茶苦茶だぜ!なんで突然神がいんだ!」
バルドドルドが手を掴み食い止める。
妖気ごと押し返す。
「わ、私の魔法が効かない!」
ローラは風や炎の魔法が効かず、困惑する。
風を使い、何とか妖気を押しとどめるが
妖気は抵抗しているようだった。
彼女は動揺を抑えて、後退しながら
治癒能力を味方に付与する。
素早く、出来ることでサポートするのが魔術師の役目だ。
「やつの妖気は、半端な魔法をはじく!
数十秒凌ぐぐらいの覚悟で使うんだ!」
キャロスが叫びながら黒魔法でエネルギーを凝縮した黒剣を作り
雷撃を纏わせて前に出る。
「魔法と剣は両用できないが、
魔法の剣は使えて、力の密度はかなり高い!
やつの妖気の密度はそのレベルだ!」
妖気を薙ぎ払い後退させる。
「発生源を特定しないときりがないぞ!」
レンが叫ぶ。
レンも前に出て、光と水の魔法剣で妖気と対峙している。
前線が三人となり、一人支援で押し進む。
ローラが誘導フレアで付近の様子を探る。
フレアはことごとく、ギルド付近で弾けた。
間違いなく妖気はギルド建物内から発生していた。
…このままじゃらちが明かない!
ローラは非常に強く祈りを捧げ、
誘導フレアの炎を巨大な光球に変換した。
そして、妖気に向かって爆発させ、
それを感じてバルドドルドも一歩引いた。
ヴぉぉぉぉん…
妖気が拡散し、発生源が見える様になる。
トイレだ!
「よくやったぞ!ローラ!」
レンがそう振り返ると、どさりと倒れこむローラが見えた。
「おい、大丈夫か!」
レンが駆け寄るも返事がない。
キャロスはギルドのトイレに急ぐ。
「おい、諦神…俺は真面目な奴しか雇ってないぞ…!」
キャロスは諦神と誓いをしていた。
それは、二度と義に反する従業員を雇わないこと。
彼はそれに従っているつもりだったが諦神に
そもそも信用されていなかったのだ。
過去にギルド配下が遺跡を荒らして神を呼び起こした
ギルドの皆殺し事件…その時の相手が諦神だった…。
トイレへ駆け込む…!




