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レベルアップが命取り?建内 日葵と不思議な服  作者: 和琴
——そうして、私はとある決意を固めた
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夜中起きてトイレへ

お腹に痛み、おでこに汗がにじむ。

かまわず眠ろうと、寝返りしたり枕を抱いてみたり

日葵は必死に頑張っていた。

うーおなかが痛い。

でもねないと…

…げ、げんかい!

私は夜中起きてしまった。


豆など普段より多く食べてしまったので

トイレに行きたくなった。


色んな事があって、魔法の服だけでは補えないほど

体調が崩れてしまったのかもしれない。


「この光媒体で照らして1回まで降りよう…」

暖かくぽわぽわとして弱い光だが

通路の形はわかった。


私は少しドキドキしながらも、そーっと扉を開けて

忍び足でゆっくりと1階まで下る。


ふと横を見て、誰もいないか確認する。

…ギルドが襲われたからって警戒しすぎだよね。


私はトイレに入った。

暫くの後、用を済ませて出ようとする。

…トイレの扉が開かない!


扉のドアの周り、いや部屋全体に張り付くように

紫色の魔法陣が展開された。


空気が揺れ始め、その震えが毛を逆立たせ、

強力な魔法の発動を予感させた。


(日葵!)


フラリスさんの声だ、かなり焦っている。

その間にも光はどんどん強くなる。

(日葵!今すぐ私に精神を捧げて!)


せ、精神を?わかったよ!


私は焦りながら祈り、バランスを崩して手をつく


ぴちゃん


トイレを流すための水槽が揺らぐ。


(そうじゃない!精神を交換するように祈って!)

緊迫した声


「そ、それって…!」


(私があなたを乗っ取る!今はそれしかない!!!!)

今すぐに願っているような声だった。


私にはフラリスさんの言っていることわからない。

でも私は絶対生き延びなきゃ行けないの。

フラリスさんは信用してるし

今は仲間を信じる!


私は全精神を捧げる様に祈る。

脳天に一瞬の電撃が走った後、体の力は抜けることなく、

…魂が抜けるように一瞬で意識から私が外される感覚があった。


その場にギイィンと音が鳴り響き、空間が歪む。


部屋の魔法陣はそのまま"私"を閉じ込める。


「誰かが来るのを待っていた。」

目の前には鉱石が人型をして、人の顔だけを付けたような

男が立っていた。


その目は冷たく、体のひび割れから紫色の光が出ている。

その体からは紫の妖気が流れる…これは攻撃の類だ。


「なぜ?」

この怪物が何か知らない。

でも、日葵の代わりにこの体を守る!


私は、日葵がいなくなってからも

祠に両親が健康祈願に来ているのを

知っている。


その愛に答えないといけない。

私はフラリス。日葵の友達!


彼女の眼は緑色に光っていた。


暫く黙っていた男は、ようやく口を開く。

「フラリス…その様子は神霊か。私から守るだと。

 愚かだ…。」


あなた…心を…!?

トイレに降臨した怪物と神霊であるフラリスが対峙する…

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