偽装受注 - ダンジョン準備編
「偽、偽装受注?!!!どういうことなの?」
ローラさんがうつむきながら目を閉じて語る。
「…そのまま…。
…初級ダンジョン…偽り
中級…以上の…ダンジョンを…受注するの」
はあはあと絞り出すように話している。
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(その話止めて!死ぬ!)
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…フラリスさんの意図が分かった。
これを魔女…だれかに聞かれたら
ギルドが弱みを抱えることになるし、私もうかつに依頼を受けれなくなる。
…爆弾だった。
ローラさんは今まで依頼を妨害されて受けれなかったのだから
あの時の笑顔から確かに察せなくはないけど、
これを一歩先に察せるなんてもしかしてフラリスさん…。
あのへんな契約方法は1人だから空回りしちゃっただけなのかも…。
私が考えにふけっていると、ローラさんが言葉をつづけた。
「ご、ごめんなさい!」
突然の叫び声に体が足から頭まで震えた。
「私、とんでもないこと言おうとしたんだよね…!
他人に聞かれてるって…ギルドの偽装受注を…
だって、知ら…しらなかったの!嬉しくて…」
号泣するローラさんを抱きしめる。
私もつらい…。
そうして覚えていない時間が少し過ぎた。
…扉が開き、キャロスさんが入ってきた。
レンさんとバルドさんも…。




