制服
キャロスさんがいつも通り冷静に教えてくれる。
「本日から、こいつらも住み込みで働くことになった。」
どういう経緯でそうなったんだろう。
「もしかして、助けるために?」
キャロスさんが何か誤魔化す感じで話し始める。
いつも体に力が入っていないのに今は入っているから分かる。
私も一員になれたってことだよね。
「理由は知っての通り、仕事が増えすぎたからだ。
これではいけないと思ったら、
こいつらが来て働くことになった。」
キャロスさんがこちらをにらんで話している。
これは下手な声を出してはいけないという合図だ。
何か私に関わりが有る…と。
私は頷き、確認する。
「仕事配分はどうなるのでしょうか。」
最も気になっているところだ。
場合によっては教えることになるかもしれない。
「ああ、お前と俺でカウンター。
レンは案内、バルドは警備、
ローラは表に出ず裏方をやってもらう。」
ほほー、バルドさんが警備なんて凄い!私の笑顔が戻る。
でも裏方って?
「監視・補助要員・家事要員 そういう役割だな。
今までは衛兵だけに任せていたが
もし相手が補助魔法使いもいる
集団相手は控えがいないと徹底的に対策されるからな。」
…それに加えて多分家庭の問題もあるのだろう。
レンさんが残念そうに話す。
「ほんとは、ローラの制服姿見たいんだけどしょうがないよな。」
どうしよう…キャロスさんが着てないし制服なんてないよね…
リーファさんは着てるけど…。
もしここで制服があると言ったら用意しなくてはいけなくなる。
でも制服なしでいいのかといわれると違う気もする…。
…フラリスさんがいないとすっごく心細い。
「制服はもう少し働きを見てから考えましょう!高いので。」
一時しのぎかな…。
バルドさんが助け船を出してくれた。
「ああ、そうだよな。3人分の衣服って言ったら1000クランは下らねえ。
暫くはなんか分かるようにしとけばいいと思うぜ!」
ナイスアイデア!
キャロスさんが便乗するように声を出した。
「じゃあ、ギルドスタンプと紙と紐で名札を作るぞ。
3人分作るか…。いや、俺も含めて4人か…」
そして上の階を指して
「作るから、ローラにも受け取りに来るよう伝えてくれ」
とキャロスさんは話し、私の危機は一旦過ぎ去った。
キャロス(日葵…俺のポカにも突っ込むなよ…絶対に突っ込むなよ…)




