空と大地と暗闇の花
夢の終わりに私は3人と帰路に就いた。
草むらスイカの報酬は農家と山分けだったため、まさかの報酬1100クランを達成してしまった。
私たちは達成感と草と土の香りに包まれていた。
爪の間はしばらく気になるかもしれない、丁寧に洗おう。
「おい!さすがに飲み食いしようぜ。
こりゃ伝説だ!なあ、レン。お前の大好きな伝説の偉業だぞ!
草むしりで1000クラン越えだってよ!」
レンは少しムッとしながらもまんざらではない感じだった。
こんな伝説は嫌でも記念の食事はしたいということだろう。
「そうだな、今日ぐらいは悪くないだろ。
スイカも食べてるんだし、量控えめだといいな。」
ローラさんが私にも声をかけてくれた。
何だろう、一番親近感がわく。
「日葵ちゃんは夜遅くは無理かな。もし大丈夫なら…」
私は本音を言うともうちょっと一緒にいたかった。
しかし私はギルドに住み込みなのだ。
遅くなりすぎてはいけない。
「すみません、私住み込みですし、帰って成功報告しておきます。
追加報酬の件については一応キャロスさんから何か連絡があるかもしれないので
もしあればお知らせします。」
そうして私は一人、名残惜しいがギルドへの帰路に就いた。
声を聞き逃すまいと、道を分かれた際も彼らに耳を傾けた…。
そう、この時日葵は気づいていなかった。
後に自分を追い込むことになる、失敗をしたことに。
彼らは居酒屋で好き勝手喋るだろう。
バルドはきっと伝説を称えて回り、
レンは冷気のありがたさを説いて回るかもしれない。
もしかしたらローラは、雲の事を気にかけながら
酔いつぶれた彼らを魔法で移動させる役割になるのかもしれない。
後に残るは、静かなる不穏。
そして、縁の下ギルドには影が押し寄せることとなる。




