光は何処 - 日を向いた双葉
そこだ!私は慎重に草むらをかき分けながら、そこに向かう。
畑から結構遠い位置にきてもう3時を過ぎていたから
もう戻らなければならず、最後の機会だった。
私は近づいて、そのスイカを手に取る。
しかし、それは違った。
表面が青みがかっていたのだ。
それが何か、私にはわからなかった。
私はスイカを持っていくも、その心は沈んでいた。
(草むらスイカ…取れなかった…ごめんなさい)
念のため農家に見せに行く。
すると農家の表情が驚き、だんだん笑顔となる。
その変化に私の期待が膨らんだ。
「もしかして、草むらスイカでしたか?」
農家はこのスイカを意外にも高く評価した。
「これは草むら応スイカだ。つまり精霊に通じるスイカだ。
つまり草むらスイカと同じだが、健康派に好かれているのでより希少性が高い。
450クランだろう!」
私は嬉しくなった。
ローラさんは魔法の基礎を絡めて話しながら祝福してくれた
「基本を忘れていたわ、精霊に物体をサーチさせるだけじゃなく
精霊が位置を把握できる物体を教えてもらうことも必要なのね…。」
バルドさんも祝福してくれた。
「すげえ!ロマンあるぜ!」
農家の人とバルドさんとローラさんが同時に声をあげた。
「おめでとう!」
やっと目に見える成果をあげられたんだね!
「私、活躍できたんだ!」
私の思い出の草むら。
そのころ、レンは血眼になってスイカを探していた…。
反対した彼が、一番夢中になっていたのだ。
見つからなかったが…
その場では、ただ通り過ぎただけの出来事だった。
それはまだ“見つからなかった”。
たった一点の空白が、
やがて国の存続を左右するほどの影響を及ぼすとは、
一行の誰も、想像すらしていなかった。
…
そして、農家のおじさんとの出会い。
それは、ささやかながら確かな糧となり、
やがて一本の縁となって、
凶悪な思惑すら打ち砕く鋼の線へと変わっていく…かも?
その縁が張り巡らされる頃、
世界は静かに変わり始めていた。




