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壮大なる草取り - 剣、祈り、そして…
草取りをしていたその時、草むらから2匹のハチュッシャが飛び出してきた。
レン・オーブライトははっとした、彼らは狭く身が隠せる場所と食料が好きだ。
ここはその両方が揃った草むらだった!
ガーネス町郊外だから、ダンジョン密集地帯に近いことはわかっていた。
しかしそのことがすっかり頭から抜けていた。
バルドドルドは裏拳で素早く弾き飛ばし、戦闘態勢になる。
「おい、この地形うざいぜ! だめだ、追えねぇ!」
追いかけようとしても草むらに逃げられて、ふいに足を踏み入れれば
転びそうになって立ち戻る。
そんな膠着状態のときだった。
ローラさんは目を閉じて祈り始めた。
私はローラさんをかばうように、怯えながら前に立って短刀を構える。
「落ち着け、俺が守る。」
レンは私たちへの攻撃をガードができる立ち位置で剣を構えた。
成り行きを見守っているようだ。
ローラは自身の頭の中で、状況を整理していた。
重力操作をするには位置の把握が必要だけど、草が多すぎる。
そう考えたとき畑のある気配に気が付いた。




