<魔女の昼寝>止まった願いと運命の細い糸
自宅にて昼寝をしていた魔女は、聞こえたノイズで急に起こされた。
ぎぃぃいぃ
「何事なの!」
何か異常な魔力波動がそこにあった証拠だ。
ふと服の機能で人物感知をすると水の宝珠の持ち主がそこにいた。
「今は草取りだ!」
草取り中の様で、魔女は困惑した。
「草取り?勇者の系譜か何かかと思ったのに。」
ぶぅぅぅうぅぅん!
虫の羽音がうるさく、「草取り」と連呼する彼らを見て
魔女はいったん音声監視を切って頭を抱えた。
「草取り中なんて、監視する意味もないわ…」
…
少しすると、魔女の心にはある面影が浮かんだ。
それをきっかけに、頭の中で
勇者と彼女の過去の思い出が蘇っていた…。
水の宝珠…か。
先ほどの”思い出”とは別に、
魔女は確認するように話し出す。
水の生成、水の操作、水の拒絶が使える精霊を封じた特殊な魔具。
そのうえ、水の寺院歴代当主が時代のために祈りを捧げ続けた宝珠。
水の生成は湿気から水を生成するなどの基本操作。
水の操作は流れを生成できる。
水柱を作ったり躊躇いさえ無ければ強力な攻撃が出来るだろう。
さらに水のまま固形のように扱うことすら可能だ。
水の拒絶は文字通り水や氷を弾いたり、海割すら出来る
空間を作る不可思議な能力だ。
そして風・水・土・炎といった宝珠の持ち主は何の運命の悪戯か
のちに勇者と呼ばれるものが殆どだ。
それを持つ男が草取りとは。
所有者によって、全く違うものだわ。




